余命を宣告された美雪の夢は、<約束の地>フィンランドでオーロラを見ること。そんなある日、ひったくりにあった美雪は、ガラス工芸家を目指す青年・悠輔に助けられます。半年後に偶然再会した悠輔が、男手ひとつで兄弟を育てていること、そして彼の働く店が危機に陥っていると知った美雪は、「私が出します、100万円。その代わり1カ月、私の恋人になってください」と、期間限定の恋を持ちかけ……。
そんな期間限定の恋人のふたりが訪れた夏のフィンランド。主にフィンランドの首都ヘルシンキで撮影が行われました。まずはヘルシンキでのロケ地巡りからスタート! ロケ地を一緒に巡った橋本監督の解説を交えてご紹介します。
こちらはふたりがヘルシンキで滞在するホテル「GLO Hotel Art(グロ・ホテル・アート)」。ヘルシンキのモダンな市街に忽然と現れる石造りの美しい古城風ホテルは、ロマンチックな気分を盛り上げてくれます。思いを寄せつつもなかなかお互いの気持ちを伝えることができないふたりの切ないシーンが撮影されました。
橋本監督曰く「映画を観た観客が泊まりたくなるような可愛らしい造形がいいなと思いながらロケハンして見つけました。フィンランドはシンプルシックなホテルが多いなか、ここは“異国にきた感”が演出できるホテル」。
劇中では、この両サイドの扉の向こうにある部屋にふたりはそれぞれ宿泊。後ろ髪を引かれながら部屋に入る……という印象的なシーン。でも、実はこの部屋は客室ではなく、なんと会議室なんだそう。
悠輔が宿泊した部屋の内部の撮影は、ひとつ上の階にあるこの401号室を使ったそうです。こちらの部屋は実際に泊まることができます。
こちらはヘルシンキのランドマーク、ヘルシンキ大聖堂。劇中では、美しい白亜の外観がふたりのデートシーンでちらりと登場します。
(C)2019映画「雪の華」製作委員会
悠輔と美雪が初めて手をつなぐこのシーンは、トリ・クオーターのソフィア通りで撮影されました。小さなショップが立ち並び、背景にはヘルシンキ大聖堂が見えます。
悠輔と美雪がマーケットでいちごを一緒に食べるシーンはマーケット広場で撮影。フィンランドは、7・8月にベリーが最旬期を迎え、さまざまな種類のベリーが市場に並びます。
(C)2019映画「雪の華」製作委員会
地元の人はここでフレッシュなベリーや野菜を買い、そのままフェリーでスオメンリンナ島や他の島へ。そこでのんびりピクニックを楽しむそう。ただ、私たちが訪れた冬場は外には屋台がひとつも出ておらず、ただの広場になっていました。
そのマーケット広場の前を走るトラム。劇中でトラムが走るシーンの撮影はなんと……
ドローン撮影したわけではなく、このようにクレーンを使って、交通量が少ない早朝に撮影したそうです。劇中に登場するヘルシンキの美しい街並みにも注目を!