GLAM Editorial

【GLAMなオトコ】Vol.22 ヒュー・ジャックマン、訪れた役者人生最大のチャレンジ「僕はラッキーな男」と語るワケ

Q.ゲイリー・ハートの失脚までの数日間を、彼だけにスポットを当てるのではなく12人の視点から描いたサスペンスです。この作品に出演することにした決め手はなんだったのでしょうか?

2つ、理由があるんだ。1つ目は、大好きなジェイソン・ライトマン監督とぜひとも仕事をしたかったこと。彼は、非常に複雑なキャラクターを描く監督。作品ごとに違ったチャレンジをしているし、観客にいろいろな感情を呼び起こす作品を撮り続けている人だと思うんだ。

2つ目は、なによりこのストーリーに引き込まれたこと。大統領候補の“フロントランナー”と目されていた人が転落するまでの3週間を描く作品だけれど、ゲイリー・ハートは、これまでに僕が演じた役柄とはまったく異なるものだと思う。ゲイリーは非常に謎めいていて、知性もある。そんな彼を演じることにチャレンジしてみたかった。この作品を観ると、観客は様々な疑問を持つと思うんだ。そういったはっきりとした答えを提示しないところが、とても気に入った。アメリカだけではなく、世界中にも言えることで、“今の時代”だからこそ考えさせてくれる作品になっていると思うよ。

Q.ゲイリー・ハートを演じることは、どんな経験になりましたか。

僕に話をしてくれた人たちがゲイリー・ハートを表現するのに一番よく使っていたのが、“とらえどころがない”という言葉で、役者にとってはちょっと厄介だった。演じる人物がどんな人なのか、深く理解したいからね。ハートのように、自分に近づくことを許しながら、突然扉を閉ざしてしまう人を演じるのは……。このことについては、ジェイソンともよく話し合ったんだ。観客にも、このキャラクターを理解するところまで、どんどん近づいてきたと感じてほしいけれど、完全に理解するところまではもっていなかないようにしようってね。それが、僕が苦労した点だ。自制心が必要だったし、ジェイソンがいてくれて助かったよ。ちゃんとできているかどうかの判断を、ジェイソンに頼らなければいけなかったからね。

Q.とてもチャレンジングな機会になりましたね。

ものすごく大きなチャレンジだったよ。ダントツで今までで一番大変なチャレンジだった。彼の腹筋が6パックに割れていなくて助かった。もしそうだったら、大変すぎるからね(笑)。

Q.ジェイソン・ライトマン監督の演出で、サプライズだったことはありますか?ゲイリー・ハートが会見をするシーンは、アドリブも多かったとうかがいました。

サプライズはたくさんあったよ。あるシーンをやっていると、アドリブで予定になかった人が入って来てしまうこともあった(笑)。そういった演出もすべて、人生をリアルなものとして描きたかったからなんだ。例えば記者会見のシーンでは、急にコーヒーを運んで来てくれる人がいたり、耳元でなにかを囁いてくる人もいた。すべてがサプライズさ。さらにジェイソンは、あのシーンでエアコンをわざと消したんだよ。それによって、みんな汗をかき出したりもしたね。とてもリアルなシーンになったと思う。

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