Q. お互いの印象を教えてください。
蜷川:現場でも常にくっついて歩いているくらい大好きです。ものすごく年下だけど、ときにお姉さんのようでもあり、同世代のようなときもあれば、若いエライザから学ぶこともたくさんあって、信頼しています。
池田:改めて確認したら、はじめて会ったのは2016年で……。
蜷川:えーー!? もっと長く知っている感じだけど。
池田:意外と最近(笑)。4年も経っていなくてびっくりしました。あの頃の実花ちゃんは現場で撮影しながら、メイクやスタイリングもチェックしつつ、離乳食もあげていて。そのせわしなさも含めて、初めて見る芸能界の姿という印象を受けました。実花ちゃんのチームは、ヘアもメイクもスタイリストも仲のいい人が集まっているのだけど、チーム全体のポジティブさを感じました。煮詰まっていないし、神経質にもなっていない。仲良くなるといろいろな話をしちゃうものだけど、意外と作品につながることを話していて、無駄な話もあまりない。「よりクリエイティブでワクワクしたもの撮ろうね」という姿勢を見て、一瞬で好きになりました。
Q. 実花ちゃんって呼んでいるのですね。
池田:「ちょっと馴れ馴れしい」って言われそうだけど、実花ちゃんは20代と話すときは、そこに降りてきてくれる。20代の頃を思い出しながら「そうだよね」と言ってくれる。そんなところが実花ちゃんと言わしめるというか……(笑)。
蜷川:アハハハ。降りてくるとかじゃなくて、やっぱり尊敬しているんですよね。なつめの友人サニー役のコムアイ(水曜日のカンパネラ)とかもそうだけど、若いのにしっかりしているし、いろいろなことがフラットで。そういう意味では、今回の作品はエライザと喋ったことをそのままセリフにしたこともあるし、なるほどこの物語はそういう風に見えているんだと、すごく参考になったし、重要な要素のひとつになっていました。リミたち大人世代については、自分と地続きなので面白くできたと思うけれど、なつめたち若い世代の物語を作ることで発見もあったし、忘れていたその当時の怒りや憤りも思い出せたりして楽しかったです。
Q. 2つの世代の女性が描かれている本作。時代の違いを感じましたか?
蜷川:何が大変って、SNSがあること。ある程度大人になってからSNSに触れた私たち世代なら、向き合い方もなんとなく分かる。大人にとってはフォロワーやいいねの数が少ないことなんて大したことじゃないけれど、若いときなら、それはそれは気になると思います。できることもすごく増えているだろうけれど、選択肢の多さにめまいがするだろうな。
池田:私は小さい頃からお仕事をしていたので、物事を見極める術は周りの大人たちから学んできました。自分で判断せざるを得ない瞬間というのも、このお仕事には多いですから。でも、今の若者たちは、選択しなくても情報だけはどんどん頭に入ってくる、知恵年増で持て余している感じがします。情報量は多いのである程度の会話はできるけど、「何をすべきか」「どうしてそうなったのか」という問いには答えられない。進んでいるようで進んでいない、便利に見えても実は本質的なことは昔と変わっていない。情報が多いだけに、より乏しく感じることもあります。