GLAM Editorial

蜷川実花監督×池田エライザ、スペシャル対談!「女の子って、超タフ!」SNS時代の女性のリアルライフとは?

Q. 映像と写真。それぞれに映る池田さんの印象を教えてください。

蜷川:写真のときのエライザはもう圧倒的というか、「ついていきます!」という感じで(笑)。写真のときは、ほぼほぼ会話をしません。野生の勘というか、感覚だけでやっているので。その結果「大好き!」って感じになっている。映像のときは、圧倒的な信頼を置いているのは同じだけど、「こうだよね」「あーだよね」って話し合いながら一緒に作れる感じが楽しかったです。やっぱり映像の現場はセリフもあるし、私がカメラを回すわけじゃないから、全てを言語にして伝えなければいけない。言葉があるかないかが一番の違いかな。

池田:写真の現場で会うときの実花ちゃんは、すごくリミ的。スピード感のある現場で、チームも本当に無駄なく動いています。言ってしまえば、本気で“巻き”に行っている感じ(笑)!?

蜷川:確かに、それあるかも!

池田:短い時間の中で、いい時にシャッターを押してくれる。変な時には押さないから、こっちも「一瞬で決めるぞ!」という気持ちになります。いいものができあがったときの達成感を共有する感じはたまりません。今回、映像の現場で言語のやりとりをすることで、実花ちゃんのエモーショナルな部分を知ることができて、いろいろと納得がいきました。本当にさまざまな感情を常に持ち合わせていて、かつスマートでいられる人なんだなって。そりゃ、こういう作品できちゃうよな、って。

蜷川:(胸のあたりを指差しながら)グズグズしてるよ、この中では(笑)。

池田:だからこそ、ひょっとしたことから生まれる演出も多いんだろうなって思いました。

蜷川:とくにこの作品は自分と地続きなので、昨日思ったことを今日やっちゃうみたいなことはありました。これまで、映像作品ではアドリブなんてほとんど入れずにやってきたのに、今回はみんなやりたそうにしていたというか、バンバンやっていましたね。生きた会話のほうが面白いものもたくさんあったので、私は「どうぞどうぞ」という状態でした。

池田:撮影しているときは、アドリブにちょっとドキドキしていたけれど、今となっては、どれがアドリブだったのかよくわからないくらい、結構あったかも。

蜷川:カメラマンもハンディ(手持ち)だったので、「何やってもOK」みたいな感じもあったし、撮ってくれるだろうなと。

池田:出来上がっているチームに入るのは、「新参者が……」という気がしちゃうものだけど、全然そんなのなくて「ウェルカーム、蜷川組!」という感じだったので、普段は率先してアドリブをするタイプではないけれど、自然にできました。緊張がだんだんほぐれて、いいものが出来上がりました、というのではなく、最初から「よし、やろう!」という空気の現場なので、段取りもいいし、本当に無駄がないんです。

Q. 蜷川監督は現場に行くのが大好きとよくおっしゃっていますが、今回も楽しい現場だったようですね。

蜷川:映像の現場はとても緊張しますし、いまだに慣れません(笑)。改めて考えると監督って本当におそろしい職業だと思っています。全部の責任を最後に取らなければいけないので。まともな神経だとできないなと思いながら、やっています。今回も本当に大変だったけれど、すごく楽しかったです。3カ月半も撮影するとは思いませんでしたが(笑)。

Q. なつめというキャラクターに共感する部分はありましたか?

池田:なつめは、私がなりたくてもなれなかった女の子です。私は、どこか予防線を張って、感情を抑えて、心の中では「そんなのおかしい」と思っても、なかなか言い出せなくて。例えば、あと1段階段を登りたいのに、その1段に1年もかかってしまうこともあります。なつめはそれを軽々と行っちゃうキャラクター。結果、コロコロ転がり落ちるのだけど、そのタフさには心のどこかで憧れている気がします。

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