Q.カンヌ映画祭では実に56年ぶりとなる監督賞も受賞。ニコール・キッドマンやコリン・ファレルといったハリウッドの大物俳優たちも登場した大作となりました。これまでのどこかインディーなムードが漂う作品とはガラリと変わった印象を受けます。監督としての矜持は変わったのでしょうか。
そうですね。それなりに映画監督として経験も積んで自信がついたという部分はあります。だから、かつてやったことのないことにチャレンジしてみようと思ったのは事実。でもとはいえ、そこまで大きなものではなく、小さいチームでの撮影でしたよ。『マリー・アントワネット』の時のようにたくさんのエキストラがいるわけでもなかったし、何より私たちは巨大なプロダクションではない。いつもの仲のいいメンバーで作品を作ったという感じはあります。
Q.女性の監督が少ない中での監督賞の受賞。これに勇気付けられた女性クリエイターも多いのでは?
これは映画監督や映画業界関わらず言えることだと思いますが、とにかく自分の信じた道を突き進むことが大事です。あきらめないこと、誰に何を言われても凹まないこと。忍耐力や意思の強さが必要です。どんなことを言われても邁進する力を持つことが大事だと思うんです。
Q.ゴールデングローブでも女性監督がノミネートされていないことが話題になりました。女性としてハンディを感じたこと、また有利だと感じたことは?
もちろん、そういったチャレンジはたくさんありました。これまでを振り返って女性監督であることでプラスだったことは正直あまりなかったかな。でもそういうことには囚われず、とにかく自分の仕事に集中してとにかく作りたいものを作ろうと考えています。
【プロフィール】
ソフィア・コッポラ/1971年5月14日生まれ。映画監督のフランシス・フォード・コッポラの娘として米国北カリフォルニアで生まれ育つ。短編映画『Lick the Star(原題)』(1998)で脚本と監督を手がけた後、『ヴァージン・スーサイズ』(1999)で長編監督デビューを果たす。長編第2作目『ロスト・イン・トランスレーション』(2003)でアカデミー賞の脚本賞を受賞し、監督賞と作品賞にノミネート。続いて『マリー・アントワネット』(2006)、『SOMEWHERE』(2010)の監督・脚本・製作を担当し、長編第5作目となる『ブリングリング』は、カンヌ国際映画祭でプレミア上映され、ウーマン・イン・フィルム・クリスタル・アンド・ルーシー賞のドロシー・アーズナー・ディレクターズ・アワードを受賞した。そして本作で2017年カンヌ国際映画祭の監督賞を女性としては56年ぶりに受賞した。
『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』
2月23日(金)TOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国公開
監督:ソフィア・コッポラ
出演:ニコール・キッドマン、エル・ファニング、キルスティン・ダンスト、コリン・ファレルほか
公式サイト
INTERVIEW: Yoshiko Miyasaka,aggiiiiiii
TEXT: Yoshiko Miyasaka
EDIT: Maki Kunikata
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