脚本制作にはiPadを使用。アイデアが浮かんだら手書きでノートに記入する。台本は現場でガラッと変更することもあるそう。PRそして映画監督としての名刺を2種持ち歩く名刺ケースは欠かせないアイテム。愛用のリングは大きめの“石”付きが多いという。その理由は「テンションが上がるから(穐山)」
Q.作品について伺います。『月極オトコトモダチ』のタイトルを思いついたきっかけは?
「レンタル友達」の話をやりたかったんです。SNSでたくさん友達がいるように見せるために友達を雇っている人がいるというのをネットニュースで見かけて、面白いと思いました。そうまでして友達って必要なのか、そもそもどこからが友達なんだろうといろいろ不思議に思い始めて、友達をテーマに何か撮りたいと。レンタルという言葉を借りる、契約という言葉に置き換える中で、月極にたどり着きました。身近にあるけど、あまり使わない言葉だなと。ただ、月極をタイトルに入れてしまったことで、その後のストーリー作りに縛りができてしまって。自分で自分の首を絞めた感がありました(笑)。
Q映画制作においてのこだわりは?
今回は初めての長編ということもあり、自分の実感に基づいたシナリオにしようと思いました。最後は割とシリアスな展開になるけれど“人間関係”の話にしたいなと。人間関係は常に自分が描きたい、やりたいことのひとつです。それをしんみりしすぎず、ポップな感じで作りたい。その辺のバランス感覚が自分らしさでもあり、守りたいなと思っています。
Q.ファッションの仕事をしている穐山さんならではの衣装の演出はありましたか?
衣装はキャラクターに寄り添う形で選びました。女性キャラクターの衣装はほぼ自分でスタイリングしています。色の表現にはこだわりましたね。
Q.赤が印象的でしたね。
「レンタル友達」業の(橋本淳さん演じる)柳瀬が赤を与える人という設定なんです。最初に主人公の(徳永えりさん演じる)那沙にチェリーをあげるところから始まって、リンゴの皮、スタンプ、マニキュアなど、高揚していく感情の積み重ねが無意識で伝わるといいなと思いを込めました。