Q.フリーのイラストレーターとなり順風満帆なスタートを切った進藤さん。独立して、一番苦労した点は何ですか?
フリーになって立てた目標は2つ。自分の名前の入った連載を持つことと、そして著書を出版することです。どちらも数年と経たないうちに実現はできたのですが、特に著書2冊は全く売れず、自分の実力のなさを思い知らされました。
それから3年、著書の依頼はまったくなく、ものすごく落ち込みましたね。そんなとき、当時タッグを組んでいた編集の子から、「作家さんでも売れない時期はある。けれど、売れなくても腐らないことが大事ですよ」とアドバイスされ、めげずにコツコツ、毎日雑誌の仕事と懸命に向き合い続けました。
Q.その結果、3年のときを経て、進藤さんの手掛けるファッション書籍のシリーズの原型が生まれたんですね。
はい。当時は普通のOLさんが着るようなファッションの単行本がなかったこと、私自身も得意分野だったこと、さまざまな要因が重なり、3冊目の書籍はヒット作となりました。何度も重版がかかり、7刷まで発行していただけました。
Q.現在は年に1冊のペースで著書を出す進藤さんにとって、仕事に欠かせないものは何ですか?
仕事への姿勢という点では、“素直さ”でしょうか。私自身、フリーになったのが28歳と、自分では遅いスタートだと思っていたこともあり、誰のアドバイスでも、素直に聞いていた気がします。
何より、お仕事をさせていただいた編集者の方が、イラストレーターやライターを便利屋ではなく、大事にしてくださる方ばかりだったので、そういった方からの助言だからこそ、“素直に耳を傾けられた”というのはあるかもしれませんね。