一言に官能映画と片付けて良いものか?
かつて、「二人の関係に名前をつけることって、そんなに大切なこと?二人が、きちんとわかっていればいいじゃない」と言い放った友人がいます。それはその頃の私には衝撃的な一言で、でもどこかすとんと腑に落ちる感覚もある台詞でした。彼女は当時、別に不倫していたとか、不毛な恋愛をしていたとか、そういうことではないのですけれども。
2月13日に公開した「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」ですが、公開前日に一足お先に試写で鑑賞させていただきました。TVをつければCMで主人公アナの吐息が聞こえてくるし、YOUTUBEでは応援ミューズの道端ジェシカさんの美しい映像が流れ、カフェで隣に座ったいわゆるフツーの女子大生らしき女の子たちも「絶対観る!」と鼻息荒くしていた話題作。
本作は、恋愛経験0の大して冴えない女子大生が俺様系セレブ男性と出会って始まる恋愛物語。この男性が付き合うにあたって、契約書を交わそうとしたり、トレイラーでも流れている通り、SMプレイを繰り広げちゃったりするわけですが(それでも白馬の王子様感がすごいのがすごいです)、程度は違えど、ものすごいお金持ちとか、変な人って案外身近にもいたりするものですからね。そんなこともあるでしょうよ、と慌てずに観ていきましょう。
R指定作品ですし、皆さんのご想像通り(ご期待通り?)セックスシーンもたくさんあるので、官能小説が映画化されただけのことはありますが、私の解釈では完全にラブストーリー。「本編の○%がセックスシーンらしいよ!」というところに騒ぐお話しではないかなと思います。
ファッション・アイコンとしても人気のリタ・オラが出てくることが話題のひとつではある本作ですが、映画全体がオシャレで洗練されていて…っていう前評判も、基本的にはそれは大富豪グレイの周囲くらいなので、そこに過度に期待するのもお勧めしません。さあ、「恋愛映画」として集中する準備はできてきましたか?
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