「膀胱炎って自力で治せるの?」
「放置すると大きな病気に発展するって本当?」
「排尿時に痛みがあるけど、病院に行かないとダメ?」
このような疑問やお悩みをかかえていませんか?
膀胱炎は、膀胱が炎症を起こすことで排尿痛や頻尿がみられる病気であり、再発しやすいという特徴があります。「病院に行こうかな」と思いつつも、忙しさや恥ずかしさで放置している方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、膀胱炎で病院に行く目安や、自分でできる対処法について薬剤師がご紹介します。
1 膀胱炎は自力で治せる?
軽度の膀胱炎であれば、自然に治る場合もあります。膀胱炎の原因は細菌感染なので、免疫力が正常である場合は、水分をしっかり摂るだけでも回復することがあります。
2 病院にかかる目安って?
自力で治せることもある膀胱炎。しかし、以下のような症状が出ている場合は、早めに病院へ行ったほうがいいでしょう。
・38℃以上の高熱
・背中や腰の痛み
・だるさ
・血尿
膀胱炎を放置すると、細菌が腎臓まで到達して「腎盂腎炎(じんうじんえん)」という病気に発展することがあります。腎盂腎炎になると、一般的に入院や点滴のための通院治療が必要になってしまいます。
3 もうかかりたくない! 膀胱炎の予防方法
仕事や家のことで忙しい方は、膀胱炎になってもなかなか病院に行けませんよね。ただ、膀胱炎は再発しやすい病気です。普段からの工夫で、膀胱炎になりにくいからだを目指しましょう。
3-1 トイレを我慢せず、水をたくさん飲む
膀胱炎を予防するためには、トイレを我慢せず、水をたくさん飲んで、尿と一緒に菌を排出することが大切です。普段から忙しくてなかなかトイレに行けない方も、なるべく意識的に行くようにしましょう。
3-2 デリケートゾーンを清潔に保つ
排尿・排便の後は、前から後ろに拭くようにしましょう。膀胱炎の主な原因は大腸菌なので、後ろから前に拭くと、菌が尿道に入りやすくなってしまいます。
また、女性はナプキンといった生理用品に菌がつきやすいので、生理中は3〜4時間ごとにナプキンを交換するといいでしょう。
3-3 生活習慣を整えて免疫力を上げる
偏った食生活を送っていたり、睡眠不足だったりすると、免疫力が低下して膀胱炎にかかりやすくなります。普段の生活習慣を見直し、しっかり栄養を摂って、なるべくからだを休めるようにしましょう。
4 膀胱炎のケアには漢方薬もおすすめ!
膀胱炎の改善には、水をたくさん飲む、トイレを我慢しないといった工夫で、膀胱内の菌を体外に排出することが大切です。
膀胱炎になってしまった場合、病院では抗菌薬による治療が一般的ですが、膀胱炎になりにくいからだを目指すためには、漢方薬の活用もおすすめです。
膀胱炎は、膀胱にたまった水分と熱による炎症やストレス、過労、冷えなどが原因で生じると考えられています。
膀胱炎の改善には、
・水分代謝をよくして尿の排出を促す
・膀胱の粘膜を保護する
・からだを温めて、膀胱の機能を正常化する
・炎症を抑える
・血流をよくして免疫力を上げる
といった作用を含む漢方薬を選びます。
漢方薬は膀胱炎の根本改善を目的としますので、「膀胱炎を繰り返す」と悩む方にはとくにおすすめです。また、日常から免疫力を高めておくことで、膀胱炎になりにくいからだも手に入れることができます。
以下では、膀胱炎におすすめの漢方薬を3種類ご紹介します。
<膀胱炎におすすめの漢方薬3種>
・五淋散(ごりんさん):膀胱にたまった熱を取り去ることで排尿痛に働きかけるとともに、水分代謝を促すことで排尿を促します。尿が出にくい症状や、ぽたぽたと尿がたれ続けるような症状がある方に用いられます。
・猪苓湯(ちょれいとう):排尿を促して菌を排出させ、膀胱の粘膜を保護します。通常、尿量減少、排尿困難、口渇を訴える方に用いられます。
・竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう):「気」(エネルギー)の停滞による熱が引き起こした痛みや尿のにごりを改善します。下腹部に熱感や痛みなどの炎症が強く出ている方に用いられます。
漢方薬を選ぶときには、一人ひとりの状態や体質に合っているかを見極めることが重要です。うまく合っていないと、効果を感じられないだけでなく、場合によっては副作用があらわれることもあります。
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5 症状が治まらない場合は早めの受診を
排尿痛や残尿感などがある方は、膀胱炎になっている可能性があります。何もせず放置していると、入院や通院が必要な腎盂腎炎に発展することも。
かえって治療期間が長引いたり、入院が必要な事態になったりしないように、症状が改善しない場合は早めに医療機関にかかってくださいね。
参考文献
(※1)くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ五淋散エキス顆粒(医療用)」
https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=9178
(※2)くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ猪苓湯エキス顆粒(医療用)」
https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=8386
(※3)くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「 ツムラ竜胆瀉肝湯エキス顆粒(医療用)」
https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=8924
<この記事を書いた人>
あんしん漢方薬剤師
稲嶺 千春(いなみね ちはる)
北陸大学薬学科卒業後、製薬企業や調剤薬局に勤務。
様々な経験をする中で、対症療法ではなく、漢方による根本治療の大切さを実感する。漢方薬の力をより多くの方に広めるために、漢方のプロがAIを活用して自分に適した漢方薬を選び、お手頃価格で自宅に郵送してくれる「あんしん漢方」で情報発信をしている。
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