「社会人になってから、心身ともに疲れきってしまった」
「慣れない仕事や人間関係で、家に帰って寝るだけの日々」
「家族や友人に顔が疲れていると言われる」
このような悩みをかかえていませんか?
毎日続く高い緊張感のなかで、ヘトヘトになっている方も多いかと思います。
今回は、社会人1年目に疲労がとれない原因や、疲れやストレスの対処法について、薬剤師がご紹介します。
1. 疲れがとれない原因とは?
ここでは、社会人1年目の方の疲れがとれにくい原因を紹介します。
1-1. 環境の変化
社会人になると、学生時代とはまったく異なる環境で日々を過ごしていくため、疲れやストレスを感じやすい傾向にあります。また、就職を機に引っ越した方は、住む場所の変化にも対応しなくてはなりません。
また、社会人としての知識やマナーを身につけたり、慣れない環境のなかで気を遣い続けたりすることで、疲れやストレスがたまりやすくなります。
1-2. 自分の時間が極端に減る
学生時代とは異なり、社会人になると自分の時間を確保しづらくなります。
「仕事がある日は夜遅くに帰り、夕食を食べたらもう寝る時間」という方も多いのではないでしょうか。
休日に好きなことをしようと思っても、疲れ切って1日中寝て過ごしてしまう方もいるでしょう。
1-3. 人間関係でのストレス
社会人1年目は、会社に行っても周りは知らない人だらけです。
気のおけない友人と過ごせた学生時代とは異なり、先輩や上司と接する機会の多い会社では、気疲れする方も多いでしょう。
2. 新社会人の疲れやストレスを解消する3つの方法
慣れない環境で感じる疲れやストレスだらけの生活から脱出するには、からだをいたわることが大切です。
ここでは、仕事に疲れている新社会人の方におすすめの食材や、栄養素、入浴時の工夫をご紹介します。
2-1. たんぱく質を積極的に摂る
たんぱく質の摂取量が減ると、筋肉が落ちて疲れやすくなってしまいます。
鶏むね肉でサラダチキンを作り置きしたり、忙しい朝はプロテインでたんぱく質を補ったりしてもよいでしょう。
仕事終わりは疲れ切って自炊する気力がなくなるかもしれませんが、毎日のコンビニ食や外食はなるべく控えましょう。栄養バランスが偏ると、余計に疲れやすくなります。
2-2. ビタミンB1を摂取する
ビタミンB1はチアミンとも呼ばれており、糖質をエネルギーに変える過程をサポートする栄養素です。疲労回復に役立つビタミンB1を含む食品には、豚肉や玄米、大豆、ナッツ、ほうれん草などが挙げられます。
まずは、普段食べるお米を玄米に変えてみたり、普段のおやつをナッツにしたりしてみましょう。
2-3. なるべく湯船に浸かる
入浴時はシャワーだけでなく、なるべく湯船に浸かるようにしましょう。ぬるめ(38~40℃)のお湯に10分浸かるだけでも副交感神経が優位になり、リラックス効果や疲労回復効果が期待できます。
3. 疲労回復には漢方薬もおすすめ!
慣れない社会人生活でたまった疲れを解消するには、食生活の工夫や入浴によるストレスの軽減に加えて、根本から体質改善が目指せる漢方薬の活用もおすすめです。
会社では常に緊張感を保って働く必要があり、慣れない人間関係にも疲れてしまいますよね。学生時代と比べて圧倒的に自分の時間が確保しにくくなることも、疲れがたまる原因のひとつです。
疲労回復に対しては、
・ホルモンバランスを整える
・気分の落ち込みを改善する
・血流をよくして自律神経の乱れを整える
・消化・吸収機能を改善してからだの内側から心を元気にする
といった働きがある漢方薬を選びます。
また、心とからだのバランスを整えることで、疲れやすさだけでなく、不眠や不安感といったさまざまな不調を同時に改善することも目指せます。
ここでは、疲労回復におすすめの漢方薬を2種類ご紹介します。
<疲労回復におすすめの漢方薬>
・補中益気湯(ほちゅうえっきとう):からだのエネルギーを補うことで、気力や体力を回復させます。疲労倦怠、食欲不振に用いられ、体力がなく、疲れやすく胃腸の働きが弱い方に適しています。(※1)
・十全大補湯(じゅうぜんたいほとう):気(エネルギー)、血(栄養)を補うことで、胃腸の働きを高めます。貧血を改善し、疲労回復、虚弱体質などに用いられ、手足の冷えがある方や食欲のない方に適しています。(※2)
漢方薬を選ぶ際に重要なポイントは、自分の状態や体質に合ったものを選んでいるかどうかです。症状や体質に合っていないと効果を感じられないだけでなく、場合によって副作用を招く可能性もあります。
とはいえ、どの漢方薬が自分に合っているのかを自分ひとりで見極めるのはなかなか難しいですよね。最近では、AI(人工知能)を活用した「あんしん漢方」のようなオンライン相談サービスも登場してきました。
AIを活用し、漢方のプロが自分に適した漢方を見極めて、お手頃価格で自宅に郵送してくれる「オンライン個別相談」が可能です。ぜひ活用してみてください。
4. 生活習慣の工夫で気力や体力を取り戻そう
大きな希望ややる気をもって入社したのに、慣れない環境や人間関係で疲れきってしまった方も多いのではないでしょうか。
「からだは資本」なので、できるだけ自分のからだをいたわってあげましょう。疲れにくいからだを手に入れたい方は、体質改善を目指せる漢方薬を活用することもひとつの方法ですよ。
それでも疲れがとれずにつらい場合は無理をせず、必要に応じて医療機関に相談して健康を維持してくださいね。
参考文献
(※1)くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ補中益気湯エキス顆粒(医療用)」
https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=8542
(※2)くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ十全大補湯エキス顆粒(医療用)」
https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=8540
<この記事を書いた人>
あんしん漢方薬剤師
稲嶺 千春(いなみね ちはる)
北陸大学薬学科卒業後、製薬企業や調剤薬局に勤務。
様々な経験をする中で、対症療法ではなく、漢方による根本治療の大切さを実感する。漢方薬の力をより多くの方に広めるために、漢方のプロがAIを活用して自分に適した漢方薬を選び、お手頃価格で自宅に郵送してくれる「あんしん漢方」で情報発信をしている。
●あんしん漢方(オンラインAI漢方)