暑くて寝苦しい毎日が続く中、どのような工夫をしていますか? エアコンをつけたり、寝具を工夫したりして、どうにかやり過ごしているという人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、夏の夜にエアコンを上手に活用する方法や、食事からの快眠術を、専門家2名から教わります。
■夏の夜にエアコンをうまく活用できている人は少ない!?
夏の夜、ぐっすり快適に眠るために、多くの人たちはどんな対策をしているのでしょうか。2つの調査から見ていきましょう。
株式会社ユーグレナが2023年7月に、日本全国の20~60代の男女1000名を対象に実施した「寝づらい夏の夜に工夫していること」に関する調査の結果、多い順に「エアコンをつけたまま寝る」(537人)、「扇風機を使用する」(406人)、「窓を開けたまま寝る」(232人)となっていました。温度調整をする対策が上位に上っています。
また三菱電機 霧ヶ峰PR事務局は、2023年6月16日~18日の期間、小学生以下の子どもがいる夫婦で東京・大阪在住の600名を対象に、「夏の就寝時に関する調査」を実施。その結果、「夏場、エアコンをつけていても寝苦しさを感じる」と回答した人は50.3%と半数にも上り、エアコンを「一晩中つけている」人も42.4%います。
多くの人はエアコンをつけて寝ているようですが、うまく活用できていない人が多いこともうかがえます。
■快眠のためのエアコン活用術
夏の夜は、エアコンを上手に活用したいですよね。睡眠環境プランナーの三橋美穂さんのアドバイスをご紹介します。
1.エアコンは一晩中つけっぱなしがおすすめ
三橋さんによると、快適に眠るためには布団の中の「快眠温度」(約33℃)・「快眠湿度」(約50%)が最適だとか。布団の中の温度と湿度をコントロールするには、エアコンの使い方や寝具を工夫すると良いといいます。そして快眠のためには、エアコンは一晩中つけっぱなしがおすすめだといいます。
2.エアコンの電気代が気になるなら設定温度を28℃+通気性の高い敷きパッド使用
また三橋さんによると、エアコンの電気代が気になるなら、設定温度を28℃にして一晩中つけ、通気性が高い敷きパッドを活用するのがおすすめだそうです。背中がマットレスに密着していると背中が蒸れ、不快感で目が覚めてしまうので、蒸れを防ぐことが大切だそうですよ。
- 参考
三菱電機は、一晩中エアコンをつけているときの「積算消費電力量」に関して、三橋さんと共同で「一晩中つけっぱなしの場合」と「入り切りを繰り返した場合」の積算消費電力量の比較実験を実施。同じ設定温度だと「入り切りを繰り返した場合」のほうが積算消費電力量は若干低くなりますが、切った後に1.5℃~2.5℃の室温上昇を確認しました。三橋さん「入り切りを繰り返した場合」では睡眠中に室温が上昇することにより目が覚め、睡眠の質が低下する可能性があるとのことです。
3.パートナーと体感温度が違う場合は工夫を!
同じ部屋でパートナーと寝ていると、エアコンが寒く感じたり、反対に暑くて設定温度を下げたいと感じたりすることはありませんか? パートナーと体感温度が違う場合は、次のような工夫がおすすめだと三橋さんは話します。
- パートナーよりも寒がりなら:パジャマを厚手のものにする/掛け寝具を厚手にして、保温性を高くする
- パートナーよりも暑がりなら:冷感寝具を使用/エアコンの風向を暑がりの人に向ける
■食事からの快眠術
続いては、一般社団法人睡眠栄養指導士協会 代表理事の河野 記代子さんからのアドバイス。食事からも快眠を目指しましょう。
睡眠ホルモンの「メラトニン」は、快眠に欠かせません。その前駆体のホルモン「セロトニン」の8~9割は腸で作られているといわれることから、腸内環境のケアも睡眠の質向上のためには意識すべきと河野さん。
「セロトニンはトリプトファンというアミノ酸を材料に作られますが、トリプトファンを豊富に摂取しつつ、腸内環境を整えることで、メラトニンを安定的に生成できるようになります。睡眠ホルモンであるメラトニンを安定的に作るには、トリプトファンを含む食品を積極的に摂取することがおすすめです」(河野さん)
- トリプトファンを豊富に含む食品の例
乳製品:牛乳、ヨーグルト、チーズなど/肉類:鶏肉、豚肉など/魚介類:サーモン、マグロ、えびなど
豆類:大豆、納豆、豆腐など/ナッツ類:アーモンド、カシューナッツ、ピーナッツなど/穀物:玄米、オートミール、大麦など
「そのほか、ビタミンB6、ビタミンC、ビタミンD、亜鉛、マグネシウムなどのほか、たんぱく質や腸内環境を整える食物繊維や乳酸菌も必須です。ただし各栄養素は相互補完しながら働くので、微量栄養素をまんべんなく摂取するという意識が必要です。微量栄養をバランスよく摂取するためには、マルチビタミンサプリメントやトリプトファンのほか、微量栄養素、オメガオイルに至るまで59種類の豊富な栄養素を含むユーグレナの飲料やパウダー、ないしはサプリメントの活用がおすすめです」(河野さん)
- おすすめはユーグレナの「パラミロン」
【参考】石垣島ユーグレナ粉末
「特に、ユーグレナに含まれる『パラミロン』という食物繊維はストレス緩和や睡眠の質向上に直接有効であることがわかっていますし、乳酸菌入りのものを選ぶと、腸内環境づくりにもより役立ちます。トリプトファンは1日に500mg摂取することが推奨されているので、おやつなども活用して積極的に。トリプトファンが100gあたり、201mgも摂れるアーモンドにユーグレナをまぶしたものや、ヨーグルトに甘いユーグレナパウダーをかけるのも手軽です」(河野さん)
「からだにユーグレナ 睡眠・ストレスWサポート 機能性表示食品」
ユーグレナから発売されている睡眠の質・ストレスをサポートする機能性表示食品のサプリメントも要チェック。睡眠の質(眠りの深さ、すっきりとした目覚め)を改善する機能などが報告されている「ユーグレナグラシリス由来パラミロン(β-1,3-グルカンとして)」を含んでおり、睡眠のお供に利用してみるのも良さそうです。
夏の寝苦しい夜には、ぜひこれらの快眠術を意識しながら、ぐっすり快適に眠って、暑い日々でも楽しく元気に過ごしましょう!
【有識者プロフィール】
河野 記代子さん
一般社団法人 睡眠栄養指導士協会 代表理事
1979年3月生まれ。専門学校を卒業後、渡豪し3年を過ごしたのちエステティックサロン開業。その後も東京都内に鍼灸院、整体院をオープン。38歳の時に関節炎がひどくなり、ミドルエイジからも健康に生活するためのコンディションづくりへの意識がますます高まり、睡眠栄養指導士の資格を取得。睡眠の質向上には脳と腸への深い理解が必須と実感し、睡眠、脳、腸、遺伝子に関して学べる資格習得スクールを開校。睡眠栄養指導士協会にて講師として従事し、2022年10月より睡眠栄養指導士協会 代表理事に就任。
三橋 美穂さん
睡眠環境プランナー
寝具メーカーの研究開発部長を経て独立。これまでに1万人以上の眠りの悩みを解決してきており、とくに枕は、頭を触っただけでどんな枕が合うかわかるほど精通。講演・研修や執 筆活動のほか、寝具や快眠グッズのプロデュース、ホテルの客室コーディネートなども手がけ る。著書に「眠りのさじ加減 65歳からのやさしい睡眠法」(青志社)ほか、日本語版を 監修した『おやすみ、ロジャー魔法のぐっすり絵本』(飛鳥新社)は100万部を突破。
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