
私はずっと「結婚はしない。自分の人生は自分で決める」と主張してきました。
母も「結婚が幸せとは限らないわよ。あなたは独身で生きるのがカッコいい」と言ってくれていたので、周囲に堂々と“生涯独身宣言”をしていたのです。
友人が「親に結婚を急かされて困る」とこぼすたび、「うちは自由を認めてくれるからラッキーだな」と思っていました。
運命の出会いで、一瞬にして覆った決意
ところが数か月前、まさかの“運命の人”と出会ってしまったんです。
最初は自分でも半信半疑でしたが、一緒に過ごすうちに「この人となら結婚したい」と自然に思えるように。
気がつけば自分から「結婚しよう」と口にしていました。
あれだけ「結婚なんて絶対しない」と言い張っていたのに、こんなにもあっさり覆してしまう自分に驚くばかりでした。
母の“本当の願い”を知った日
いざ母に報告すると、彼女は満面の笑みで「本当はあなたに結婚してほしかったのよ。これで安心だわ」と大歓喜。
長年「結婚なんてしなくていい」と言い続けていたのに、実は違う思いを抱いていたなんて……。
私はショックと戸惑いを覚えました。
嘘をつかれていたような気がして、母を信頼していただけに不信感が拭えなくなってしまったんです。
母の嘘は愛情? それともただの“隠し事”?
母が私を縛らないためにあえて言わなかったのかもしれないし、心の奥ではずっと「娘の幸せを見たい」と願っていたのかもしれません。
でも、もしそれが本音だったのなら、もっと早く教えてくれれば良かったのに……という思いもあります。
幸せなはずの結婚話なのに、母の本心を知ってモヤモヤが募り、疎遠を考えるほど悩んでいる自分がいます。
もちろん母を責める気持ちもあるけれど、優しさゆえの“隠し事”だとしたら、私が一方的に怒るのも違うのかもしれません。
結婚とは人生の大きな節目。
なのに、母との関係まで見直すことになるなんて予想外でした。
彼との新生活が始まる一方、長年の“独身主義”を応援してくれた母が見せた裏の顔に、私はどう向き合えばいいのでしょうか。