あなたは自分の「骨」の健康を意識したことがありますか？ 骨は年齢を重ねるほど密度が下がりやすく、とくに女性は更年期の影響を受けることで骨がもろくなりやすいのです。
30代は、さまざまなステージを同時進行で走りぬける多忙な時期ですが、この時期こそ「骨活」を始める絶好のタイミング。この記事では、30代女性に必要な骨活の基礎知識から始め方まで、わかりやすくご紹介します。
1. 30代女性が「骨活」を始めるべき理由
骨がもろくなるのは、もっと歳を重ねてからというイメージがあるかもしれません。30代から骨活を始めるべき理由は、大きく2つあります。
1-1. 30代は骨密度の分岐点
骨密度は20～30歳頃にピークを迎え、その後加齢に伴い減少していきます。30代は、長い人生のなかでも最大骨量を維持している時期といえるでしょう。
しかし、そんな30代でも骨粗しょう症を発症したり、その予備軍になったりすることがあります。とくに、若いころに無理なダイエットを繰り返していたり、慢性的な運動不足だったりする場合は要注意。遺伝的な要因で、骨粗しょう症リスクが高くなることがあります。
1-2. 更年期が迫っている世代
女性は、更年期に突入するとエストロゲンなどの女性ホルモンが減少し、骨密度を維持しにくくなります。
とくに30代後半から40代にかけてはホルモンバランスが乱れやすく、骨の新陳代謝のサイクルが崩れやすい時期。この時期は骨密度が低下し始めるリスクが高まります。骨密度が低下すると骨折のリスクが上がり、骨粗しょう症を引き起こす可能性が高まるため、早い段階での予防が重要です。
2. 自分の骨密度を知る方法
自分の骨密度や骨の健康状態を知るには、医療機関で骨密度検査を受けるのが最も確実な方法です。代表的な検査としては、DXA（デキサ）法とも呼ばれる二重エネルギーX線吸収測定法があります。
これは主に腰椎や大腿骨など、骨折のリスクが高い部位の骨密度を調べる検査。短時間で結果が得られるうえに、からだへの負担が少ないのも特徴です。40歳になったら骨粗しょう症検診を受けることが推奨されていますが、不安な場合は一度整形外科や婦人科などで相談してみましょう。
3. 将来のために今すぐ始めたい骨活3つ
骨を強く健康にするためには、健康的な生活習慣を意識することが大事です。とくに大切な骨活のポイントを3つ紹介します。
3-1. 食事の見直し
骨活を意識した食事では「骨のゴールデン・トライアングル」と呼ばれる栄養素トリオを覚えておくと便利です。
まず、骨の材料になるカルシウムはとても大切です。牛乳、ヨーグルト、チーズなどの乳製品、小魚、小松菜などの緑黄色野菜から摂ることができます。次に、カルシウムの吸収を助けるビタミンD。鮭、いわし、きのこ類がおすすめです。
そして、カルシウムを骨にしっかり定着させるビタミンK2。納豆、チーズなどの発酵食品に含まれています。
これらに加えて、良質なたんぱく質も骨作りに重要です。お肉やお魚、卵、大豆製品などをバランスよく食べましょう。
30代女性における理想のカルシウム摂取量は1日650mg（※1）ですが、塩分や糖分、カフェインを摂り過ぎると骨からカルシウムが逃げてしまうので気をつけてください。
3-2. 運動習慣をつける
骨は、負荷がかかると強くなることをご存知でしょうか？ 軽い運動で骨に適度な衝撃が加わると、骨の中に存在する「Cas」というたんぱく質を活性化します。
Casは骨の老化や炎症に関わるたんぱく質の働きを抑え、骨の破壊を防ぐ役割を担っているたんぱく質です。ウォーキングのような運動によってCasを活性化させることで、骨密度を維持し、将来的な骨粗しょう症リスクを軽減できる可能性があります。1日10分以上のウォーキングで効果が期待できるとされています。ランチ後の散歩や、駅まで少し遠回りするだけでもOKです。
3-3. 内側からのサポート
骨粗しょう症予防には、漢方薬を活用するのもおすすめです。漢方薬は飲むだけで手軽なうえ、からだのバランスを根本から整えるので骨活以外にも疲労やストレスの軽減など嬉しい効果も期待できます。
骨粗しょう症予防には、骨の生成に関わる腎の働きを補う「八味地黄丸（はちみじおうがん）」や、西洋薬と組み合わせることで骨量の改善効果があったという報告がある「補中益気湯（ほちゅうえっきとう）」などが使われています。
ただし、漢方薬はそれぞれの体質と悩みに合っていないと効果が得られなかったり副作用が生じたりすることもあります。自分に合う漢方薬を簡単に見つけたい人は「あんしん漢方」というオンラインサービスがおすすめ。漢方薬に精通した薬剤師がAIを活用し、あなたにぴったりの漢方薬を選定してくれます。
4. 30代で強い骨の土台を作ろう
骨の健康は、アクティブな生活の土台です。30代は骨密度を高める土台作りに最適な時期。将来の骨粗しょう症や骨折リスクを減らし、元気でい続けるためにできることから意識してみましょう。
参考URL
（※1）厚生労働省 e-ヘルスネット
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-042.html
＜この記事の監修者＞
あんしん漢方薬剤師
山形 ゆかり
薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ入り、牛角・吉野家他薬膳レストランなど15社以上のメニュー開発にも携わる。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。
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