
それは突然の質問でした
ある日、夕食後の片付けをしているとき、7歳の息子がふとこんなことを言いました。
「ねえママ、ママって今、幸せ?」
何気ない口調でした。でも私は、手に持っていた食器を思わず置いて、固まってしまいました。
「幸せ?」
普段、家事と育児に追われてバタバタの毎日。
自分の気持ちなんてゆっくり考える時間もなかったのに、息子のその一言が、心の奥にぐっと刺さったのです。
笑顔で答えたけれど、本当は…
「もちろん、幸せだよ」
私はそう返しました。母親として、そう言うしかありませんでした。
でも心の中では、少し戸惑っていました。
本当に私は幸せなのかな?
毎日がルーティンで、気づけば自分の時間はほとんどゼロ。
子どもたちのこと、夫のこと、家のことに追われ、自分のことは後回しにしてきた気がします。
息子が気づいた“ママの気持ち”
あのときの息子の表情は、少し真剣でした。
もしかしたら、私の疲れた顔や、ため息を見ていたのかもしれません。
子どもって、大人が思っている以上に敏感です。
口には出さなくても、ママの気持ちに気づいてしまう。
「ママ、無理してない?」
「ママ、本当はもっと笑いたいんじゃない?」
そんな声が、息子の小さな胸の中から聞こえてくるようでした。
今の自分に、少しだけ“ご褒美”を
あの日以来、私はちょっとだけ“自分のための時間”を取るようにしました。
お気に入りのカフェに行って読書をしたり、好きな香りの入浴剤を使ってゆっくりお風呂に入ったり。
母親だって、ひとりの人間です。
自分を大事にすることが、子どもに「幸せなママ」を見せる第一歩なんだと、今さら気づかされました。
「ママ、幸せ?」と聞かれたら
あの日の息子の言葉は、私にとっての“心の鏡”でした。
いつかまた聞かれたとき、心からこう言えるようにしたい。
「うん、ママは今、ちゃんと幸せだよ」って。
今、毎日に疲れているすべてのママたちへ。
あなたも、ちょっと立ち止まって、自分の心に聞いてみてください。
「ママ、幸せ?」