皆さんこんにちは、Bun&Seiraです。
今回は久々の映画ネタ!『マイ・マザー』(2009)で華々しく監督・脚本家デビューを果たし、一躍映画界の話題をさらったのはわずか19歳の時というグザヴィエ・ドラン監督の最新作『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』の試写会に行ってきました。
美しき天才、グザヴィエ・ドラン
カナダのモントリオール(フランス語圏)出身の監督・脚本家・*俳優と、マルチに活躍する若干30歳のドランは、幼少期から子役としてもテレビや映画に出演。『Mommy/マミー』(2014)でカンヌ国際映画祭審査員賞を受賞した際には作品の独特な色彩、描写だけでなく、その甘いマスクにも注目が集まり、ルイ・ヴィトンの広告にも起用されるほどの色男!
そんな彼は私生活ではゲイを公表していますが、どれだけググっても浮いた話一つ出てこない謎めいた彼がますます気になってしまいますよね(笑)。
*デビュー作『マイ・マザー』をはじめ、『トム・アット・ザ・ファーム』(2013)など、自信の監督作品にも俳優として出演。
「ジョン・F・ドノヴァンの死と生」に映し出されたドラン監督の“人生観”
この映画は意外にもフランス語が母語の彼にとって初めてのハリウッド(英語)作品なんだそう!物語の着想となったのはドランが8歳だった当時『タイタニック』(1997)に出演していたレオナルド・ディカプリオが好きすぎて、ファンレターを送ったという夢のような実話。この頃からドランにはスターの素質があったのかも知れません。
ストーリーの前にキャストにも注目! 主人公ジョン・F・ドノヴァン(以下、ジョン)を演じるのは大ヒットTVシリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ」(2011-19)で主演を務めたイケメン俳優キット・ハリントン。子供時代のルパート少年を演じるのは2015年にアカデミー賞作品賞ほか4部門にノミネートされた映画『ルーム』(2015)にて天才子役と称されたジェイコブ・トレンブレイ。その母親を演じるのは『ブラック・スワン』(2011)でアカデミー賞主演女優賞を受賞したナタリー・ポートマン。ジョンの母親役にはスーザン・ノーラン、その他にもキャシー・ベイツ(個人的にとっても好きな女優さん!)、タンディ・ニュートン等、豪華な実力派が勢揃いなのも見ごたえのポイントです。
人気俳優のジョンが29歳の若さでこの世を去るという謎めいた悲劇の裏側にいた“たった一人の友人”ルパート少年。彼らは歳も違えば、住む世界も違うのに一俳優とファンの関係を越え、お互いの孤独を埋めるように特別な友人関係を手紙を通じて築いていきます。
しかしその関係は世間にとって“スキャンダル”として暴かれ、2人の人生をいとも簡単に狂わせていくのですが、この崩落具合が苦しいのなんの! ちょっとした純粋さが生んだ罪なき罪がドミノのように次から次に押し寄せてきて唖然……。
そして物語の影の主人公とも言える2人の母親の存在は、過去のドラン作品を見ている方なら馴染みあるかも知れませんが、凄く物哀しくて、麗しい母親像なんです! きっと彼は相当なマザコン、そう思わざるを得ないいわゆる日本の昭和の母ちゃんとは全く違う描かれ方をしているのも面白いです。
約5年の歳月をかけて緻密かつ情緒的に作られるストーリーは彼の作品の醍醐味とも言える、観た人に考えさせてこそ完成する物語。文字に起こせない感情(文章書いているのに元も子もないですが……笑)の波が絶え間なく押し寄せてくる映画なので、ドランファンも、初めて彼の名前を聞いた方も是非一度見てみてください! 一緒にドランシックになりましょう♪
『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』
3月13日(金)より新宿ピカデリー他全国ロードショー
公式サイト