一眼レフを使わずに旅先で美しい写真を撮るコツ、いよいよ最終回です。前回は、街角の店先風景を素敵な写真に仕上げるコツをお伝えしました。今回は、カメラの簡単な機能を使ってポストカードのような洒落た写真を撮るポイントをお伝えしましょう。
■Theme6 モノクロ機能を効果的に使う
最近は多くのカメラに付いているモノクロ機能。風景や人物写真をモノクロで撮るだけで、なんだかクリエイティブな写真に見えてしまうお手軽な機能です。それでは、おしゃれなモノクロ写真をより効果的に撮るコツをご紹介しましょう。~コントラストに注意~
御存じの通り、モノクロ写真は全てが白黒の濃淡で表されます。したがって、全体にあまりコントラストの無い被写体はよほどの技術がなければその良さをうまく表現することができません。また、被写体が細かすぎてもモノクロにしたときによく見えなくなってしまいます。カラーでこそ良さがわかる海辺や空、森など自然の風景や細かい部分が多い料理、夜の暗い風景や夜景などはのっぺりとしてしまい、被写体には向かないと言えるでしょう。モノクロ写真の被写体としては、日中の街中の風景がピッタリです。特にヨーロッパの街角やカフェの様子などは、モノクロで簡単にその良さが際立つ被写体です。
(イタリア ナポリにて)
~パートカラー機能を使ってみる~
パートカラーという機能をご存知の方もいるかもしれません。これは、モノクロをベースとしながらも、ある一色だけをカラーで際立たせることができる機能です。筆者愛用のFUJIFILM X20には付いていますし、最近のカメラにはこの機能があるものも多くなってきました。また、機能がカメラに付いていなくとも今はスマホのアプリでパートカラーエフェクトを後から付けることができます。(イタリア ヴェネツィアにて)
ワンポイントでカラーを際立たせるだけで、ドラマチックで印象的な写真に仕上がり、オシャレ度も格段に上がります。上の写真はヴェネツィアの街角で見つけた老夫婦を撮ったもの。手を取り合って歩く老夫婦の姿が微笑ましく、お揃いの赤い上着がとても微笑ましかったのでそれを強調するために赤のパートカラー機能を使ってみました。
◇パートカラーエフェクト付アプリ
http://app-liv.jp/560051224/
■Theme7 ジオラマ風写真を撮る
まるでミニチュアのジオラマのような写真をポスターなどで見たことがあるでしょう。一見難しいように見えて、カメラのミニチュアライズ機能を使えば実は簡単にジオラマ風写真が撮れてしまいます。~高度のある場所からの撮影~
ミニチュアライズ機能を生かすには、ある程度高さのある場所から見下ろすように撮影するのが効果的です。高層ビルから眺める街、人の行き交う様子、家々の並ぶ様子など全体像を写すように撮れば、まるでミニチュアのジオラマ風の写真が出来上がります。(オーストリア ウィーンにて)
~ジオラマ風に見えるカラクリ~
最近は、このミニチュアライズ機能がついているカメラも多く出ていますが、もしなくとも、あとで効果をつけることができます。ジオラマ風に見えるカラクリは写真全体の上下をぼかすこと。上記のように上から全体を撮った写真をスマホのアプリなどで上下ぼかせばジオラマ風の写真に早変わり。(香港 中環にて 民主化デモの様子をビルの上から眺めた一枚)
◇ミニチャライズエフェクト付アプリ
http://app-liv.jp/383611721/
さて、全5回に渡ってお伝えしてきた、「一眼レフを使わない人のための、旅で活きる写真の撮り方」。必ずしも一眼レフなど本格的なカメラでなくとも、ちょっとした工夫で見違えるような美しい写真を撮ることができます。ホワイトバランスや焦点距離、シャッタースピードなど詳しいに越したことはありません。けれど、どんな機能を駆使しょうともカメラのスペックがどんなものであろうとも、要はでき上がった一枚が、自分が好きだと思えるものであれば良いのです。
(ギリシャ ザキントス島にて)
旅の感動を自分だけの胸にしまっておくのも良いですが、やっぱり素敵な写真となって様々な人と共有できればもっと楽しいはず。カメラを構えて、さあ次の旅に出かけましょう!
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“元添乗員の国外逃亡旅行記” http://mamfuj.hatenablog.com/