女優のサルマ・ハエック(Salma Hayek, 48)は、ハリウッドが今も「かなり性差別主義的」だと考えている。
サルマは長年、映画業界で活動してきた。しかし自分や同業者が成功を収めてきたにもかかわらず、業界で男女平等を実現するにはまだまだ努力が必要だと確信している。
「ビッグスターのほとんどの契約には、主演女優の承認項目が含まれているわ」とサルマがカンヌ国際映画祭であったイベント「Women in Motion」で語ったと米Hollywood Reporter誌が伝えている。「誰とキスシーンをするかについて自分の意見が通るという事実が、とても性差別主義的だと思う。そして女性キャラクターが強いのは気に入らない」
カメラの前で演技することに加え、サルマはプロデューサー、監督としても活躍している。それでも軽蔑的なコメントを受けることもあり、過去にあった残念な逸話を披露した。あるスタジオ幹部から、アメリカで最大の女優になれる可能性を秘めているが、メキシコなまりのせいで観客の多くはメイドを連想すると言われたという。
「彼は、『あなたはスマートだし、才能もあるし、美しい。でも生まれた国を間違えた』と言ったの」とサルマが振り返った。「少なくとも、彼は正直だった。そこは感謝しているわ」
同トークイベントでは、2014年に制作されたスタジオ映画のうち、女性監督作品はたった4.6パーセントで、また今年のアカデミー賞で最優秀作品賞にノミネートされた映画の中には、女性を主人公としているものが1つもなかったという統計も明かされた。しかし『フリーダ』などで知られるサルマには、こうした問題の解決策があるようだ。
「女性にできる唯一のことは、私たちが経済的な一大勢力だと証明すること」とサルマが力説した。「それ以外に状況を変える方法はない。お金になると分かった瞬間、状況は変わる。お金を見せるのよ」
さらにサルマは自分の意見として、女性の観客は今も無視され続けていると指摘した。
「映画業界はトラブルに陥っている。私たちが映画に興味をなくし、業界がその理由を知ろうとしているからよ」と彼女は話している。「もし開かれたドアがあって、私たちが観たい映画を作り始めたら何が起きると思う? (スタジオの幹部は)女の子向けの映画やラブコメを考えるものだけど、私たちは彼らが考えているよりスマートなの」
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