著名人たちの不倫がひとたび発覚すれば、世論やメディアからいっせいにぶったたかれ、一気に仕事すら失ってしまう……。
不倫とはなんて恐ろしい行為なのだろう。
代償があまりにも大きすぎるのではないかと私なんかは考えてしまいます。
みんなそんなに不倫が嫌いで、不倫が許せないのか。
だとしたら、この日本社会においては不倫という不貞行為を行なっているひとたちはごく少数なはず。と、思いきや……。
蓋を開けてみると不倫カップルの多いこと多いこと……。
あちらで不倫、こちらで不倫。そうみんな表では「反・不倫」を装いつつも本当は不倫が大好きなのである。
フリンピック大賛成なのであります。
そこで今回は私が目撃した職場内でのビックリ不倫エピソードをご紹介していきたいと思います。
迷い込んだらそこは大奥事件
以前、私が働いていた編集部と運営しているメディアが、まるごと別の会社に売却されたときのこと。
不本意ながらまったく知らない会社で働くことになってしまいました。
新しい会社の人数はだいたい全部で15名程度。女性は10名くらいいました。
働き始めてしばらくすると、女性社員から社長の誕生日パーティーが開催されるとの連絡を受けました。
正直面倒くさかったのですが、「思っていたよりアットホームな会社なんだな」くらいに思っていました。
すると「社長のパーティーを開催するので社員から7000円ずつ徴収します」とのこと。
社員が社長の誕生日にカンパなんて聞いたことありません。
「っていうか、社長、てめえが払うんだよ!」と怒っていたのですが、どうもその会社は必要以上に社員が社長を持ち上げる。
社長も率先してその神輿に乗る。
みたいな妙な構造があることに気がつきました。
私といっしょに売られてきた、元の会社からの同僚も同じように違和感を抱いたようで、行動的な彼は社内をこっそり調査することにしました。
すると驚きの事実が……。
なんと、女性社員全員が社長の不倫相手だったことが発覚!
言われてみると確かに女性同士の関係性も妙に緊張感があるというか、なんかギクシャクしている雰囲気もありました。
私は知らないあいだに知らないやつの大奥に放り込まれてしまったのかと思い、なんだか情けない気持ちになりました。
オタクっぽい子やロリ系ファッションなど、幼い雰囲気の女性が多かったように思います。
それもそのときの社長の性癖なのかもしれません。もちろんすぐに転職しました。
リアル凸事件
上記の事件からさらに数年前のこと、私が出版社で制作の仕事を担当していたときの話です。
私が孤軍奮闘していた部署の仕事が増えてきたので、新たにひとを雇おうという話になりました。
私しかいない部署なので、もちろん私が面接を行うことになります。
個人的に就職活動や入社面接では嫌な思い出しかないので「バックボーンや年齢、性別は関係なく、公平に、実力を見て判断しよう」と決めて、即戦力になりそうな年上の男性Aを採用しました。
その後輩は仕事の飲み込みも早いし、実力もあったので、「いいひとが入ってよかったなー」くらいに思っていました。
そして我々コンビは数々の書籍の制作をこなし、大きな仕事が終わったあとには2人で飲みにいくなどもありました。
そんなある日、会社に謎の年配女性が訪れてきて、「Bってどいつだー!?」「Bってどいつだー!?」と叫び出したのです。
すると私の部署の後輩がすっとんで行ってその年配女性を静止。
どこかへ消えていきました。
私は軽く映画を超えている目の前のシーンに呆然としていたのですが、他の社員たちを見ると「あ、きた」みたいなリアクションだったので、事情を尋ねてみると、その年配女性は私の後輩の配偶者。
しかし最近、後輩は会社内の他部署の女性と恋に落ちて別居中だったようなのです。
そしてその事態に業を煮やした配偶者が会社に突撃……という次第でした。
何よりもびっくりしたのは、みんなが知っている事実を自分だけしらなかったことなのですが、それには理由がありました。
なんと後輩は、その他部署の女性に対して私が好意を抱いていることを疑っていたようなのです。
さらに後輩は一方的に嫉妬心に駆られ、私が帰宅したあと私のPCを盗み見るという愚行にも及んでいたということです。
結局、別の理由をくっつけられて後輩もその新しい彼女もクビになってどこかへ消えてしまったのですが、私にだけ残ったもやもや……。
そして私の人を見抜く力の無さだけが露呈された出来事でした。
さいごに
以上、私が目の前で見てきたとんでもない職場内不倫でしたが、みなさんの職場でも嘘みたいな不倫が現在も継続して行われているだろうと思います。
別に誰を好きになろうが、誰に恋をしようが自由。
しかし、恋愛というものはものすごい魔力を持っていて、ひとたびそれがスタートすると、職場、友だち、親戚すら巻き込む大事件にも発展します。
「不倫」それはコントロールを失って暴走した人間の心そのものなのかもしれませんね。
(吉田ヨシヲ/ライター)