「気づけば何日も便秘が続いている」
「下腹の張りが気になって好きな服を着られない」
「日常に取り入れやすい便秘の解消方法を知りたい」
このような悩みをかかえていませんか? 実は、秋は便秘になりやすい季節なのです。
せっかくの食欲の秋なのに、お腹の張りや苦しさに悩むのはつらいですよね。また、下腹がポッコリ出ていると着る服も選んでしまいます。
そこで今回は、秋に便秘になりやすい理由や、便秘の解消におすすめのレシピについて薬剤師がご紹介します。
1 秋は、なぜ便秘になりやすいの?
秋に便秘になりやすい原因は、主に以下の2つです。
1-1 急に寒くなる
夏から秋にかけては、気温が急に下がります。寒さによってからだが冷えると、腸の働きが悪くなり、便が出にくくなるのです。
外出時には羽織れるものを用意したり、温かい飲み物を飲んだりすることでからだを冷やさないようにしましょう。
1-2 乾燥しやすくなる
秋は、湿度が下がって乾燥しやすい季節です。それに伴い、からだの中や大腸が乾燥し、水分不足になることで便秘を引き起こしやすくなります。
水分不足による便秘を防ぐためにも、1日に1.5~2Lほどの水分をこまめに摂りましょう。
2 秋こそおなかスッキリ! 便秘を解消するレシピ
秋の便秘に対処するためには、乾燥や冷え対策に加えて、食物繊維を意識した食事をしっかり摂ることが重要です。
以下では、食物繊維が豊富な食材を使った、秋におすすめの便秘解消レシピを3つご紹介します。
2-1 さつまいもとりんごのシナモンサラダ
さつまいもには、便の量を増やして腸の動きをよくする「不溶性食物繊維」と、便をやわらかくする「水溶性食物繊維」が含まれています。そして、りんごにも水溶性食物繊維が豊富に含まれています。
不溶性食物繊維だけを摂取すると、便の量が増えて腸を詰まらせる可能性があるので、水溶性食物繊維もバランスよく摂りましょう。
<材料>(1人分)
・さつまいも 1/4本
・りんご 1/8個
・シナモン 少々
・砂糖、塩コショウ お好みで
<作り方>
(1) さつまいもは食べやすいようにサイコロ状にカットし、水にさらす。耐熱ボウルに移し、600Wの電子レンジで2〜3分加熱する。
(2) りんごも、さつまいもと同じ大きさにカットする。
(3) (1)と(2)を合わせて皿に盛り、シナモンを振る。お好みで砂糖や塩コショウで味を整える。
さつまいもやりんごは皮ごと食べるのがポイントです。栄養成分は皮に多く含まれているので、無駄なく食べて食物繊維をしっかり摂取しましょう。
2-2 電子レンジできのこたっぷり生姜スープ
食物繊維を豊富に含む、きのこと生姜を使ったスープ。お好みでネギや溶き卵を入れても美味しいですよ。
<材料>(1人分)
・お好きなきのこ(しめじ、えのきなど) 合わせて60gほど
・生姜 1かけ
・水 150ml
・鶏ガラスープの素 小さじ1
<作り方>
(1) きのこは石づきを取り、食べやすい大きさにカットする。生姜はすりおろす。
(2) 耐熱容器にすべての材料を入れ、600Wの電子レンジで4〜5分加熱する。
しょうがの辛味成分であるジンゲロールは血行をよくして代謝を促進させるので、ダイエットにも役立ちますよ。
2-3 長芋と桜エビのさっと塩煮
長芋には水溶性食物繊維が含まれており、便をやわらかくする働きがあります。
また、桜エビに含まれる「キチン」は動物性の食物繊維です。殻ごと食べる桜エビには、
この「キチン」が豊富に含まれています。
<材料>(1人分)
・長芋 80gほど
・桜エビ お好みの量
・サラダ油 少々
・だし汁
・塩 少々
<作り方>
(1) 長芋は皮をむき、1cm幅にカットする。
(2) 熱したフライパンにサラダ油をしき、長芋と桜エビを炒める。
(3) 油が全体に回ったら、だし汁と塩を加え、数分さっと煮込む。
食物繊維は野菜やきのこなどに多く含まれているイメージですが、エビなどの動物性の食物繊維も合わせると、便秘解消のレシピの幅が広がりますね。
3 便秘解消には漢方薬もおすすめ!
水分補給や食事の工夫などをしても便秘が解消されないときには、ダイエット外来の治療でも使われている漢方薬を服用する方法もあります。
便秘に効果が認められている漢方薬はいくつもあります。
漢方薬は、便を出すことを目的とする便秘薬とは異なり、腸の働きを改善したり、便と一緒に老廃物を出したりすることで、アプローチします。
同時に、体質改善で太りにくく痩せやすい体質を目指すこともできるでしょう。
便秘解消に使われる漢方薬としては「体内の脂質と一緒に便を排出する作用」や「水分を巡らせてからだの中の水分を調整する作用」「腸を潤して便通をよくする作用」をもつ生薬を含むものなどが選ばれます。
ここでは、便秘解消に用いられる漢方薬を2種類紹介します。
<便秘にお悩みの方におすすめの漢方薬>
・麻子仁丸(ましにんがん):腸を潤し、便をやわらかくすることで便秘を解消します。体力があまりなく、コロコロした便が出る方や、便秘、のぼせ、ふきでもの、お腹の張りなどの症状がある方におすすめです(※1)。
・防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん):便や汗などで、不要物を体外へ排出しからだを軽くします。比較的体力があり、肥満症や便秘、むくみなどに悩む方におすすめです(※2)。
漢方薬を選ぶ際に重要なポイントは、自分の状態や体質に合ったものを選んでいるかどうかです。症状や体質に合っていないと効果を感じられないだけでなく、場合によってはからだへのダメージを与えることもあります。
しかし、どの漢方薬が合っているのかを自分で見極めるのはなかなか難しいですよね。最近では、AI(人工知能)を活用した「あんしん漢方」のようなオンライン相談サービスも登場してきました。
AIを活用し、漢方のプロが自分に適した漢方を見極めて、お手頃価格で自宅に郵送してくれる「オンライン個別相談」が可能です。ぜひ活用してみてください。
4 秋の便秘を解消して、ぺたんこおなかで過ごそう!
便秘が続くと、お腹の張りや苦しさ、肌荒れなど、悩ましいことが多いですよね。食欲の秋なのに、お腹が張って食事を楽しめないのはとてもつらいことです。
この記事で紹介したとおり、秋の便秘解消には冷えや乾燥対策、食物繊維の摂取などが大切です。また、専門家に相談して漢方薬を取り入れるのも良い選択肢です。
便秘解消の習慣を日々の生活に取り入れ、ぺたんこおなかで快適に過ごしましょう!
参考文献
(※1)くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ麻子仁丸エキス顆粒(医療用)」
https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=9157
(※2)くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ防風通聖散エキス顆粒(医療用)」
https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=8883
<この記事を書いた人>
薬剤師 稲嶺 千春
北陸大学薬学科卒業後、製薬企業や調剤薬局に勤務。
様々な経験をする中で、対症療法ではなく、漢方による根本治療の大切さを実感する。漢方薬の力をより多くの方に広めるために、漢方のプロがAIを活用して自分に適した漢方薬を選び、お手頃価格で自宅に郵送してくれる「あんしん漢方」で情報発信をしている。