「生理痛がつらくて仕事に集中できない」
「そもそも、生理痛がひどくなる原因って何?」
「生理痛を和らげる方法を知りたい」
このような悩みや疑問をかかえていませんか?
生理痛が悪化する原因のひとつに「冷え」があります。より寒くなるこれからの季節にむけて、生理痛が悪化しないか心配な方も多いのではないでしょうか。
今回は、生理痛が起こる原因やその対策について、薬剤師がご紹介します。
1 そもそも生理痛が起こる原因とは?
生理痛は、経血を体外に排出するために子宮が収縮して起こります。このときに「プロスタグランジン」という痛みのもとになる物質が増えるため、下腹部や腰に痛みを感じるのです。
2 生理痛が悪化する原因とは?
それでは、生理痛が悪化する原因にはどのようなものがあるのでしょうか? ここでは、生理痛がひどくなる原因を3つご紹介します。
2-1 からだの冷え
からだが冷えると血流が悪くなり、痛みのもとになるプロスタグランジンが骨盤内にとどまるため、痛みを強く感じます。また、冷房などでからだが冷えることによっても痛みを感じやすくなります。
そもそも、生理中の体温は生理前よりも下がるうえ、プロスタグランジンの働きで血管が収縮します。そのため、血行不良でからだは冷えやすい状態に。カーディガンやひざ掛け、使い捨てカイロなどを活用して、おなか周りを冷やさないように注意しましょう。
2-2 ストレス
仕事や人間関係でストレスなどを感じると、自律神経が乱れて血行が悪くなり、生理痛を強めてしまいます。生理中はなるべくリラックスして過ごすように心がけましょう。
2-3 病気が隠れている可能性
生理痛自体は病気ではなく、多くの女性に起こるものです。しかし、日常生活に支障をきたすようなひどい生理痛が続く場合は「月経困難症」という病気の可能性があります。その原因には、子宮内膜症や子宮筋腫といった婦人科系の疾患が隠れていることもあります。
3 本格的に寒くなる前に知っておこう! 生理痛の対処方法
前述のとおり、冷えは生理痛を強める原因のひとつです。それでは、これからさらに寒くなる季節にむけて、どのような対策をしたらいいのでしょうか? ここでは、冷えに負けない生理痛の対処方法を3つご紹介します。
3-1 からだを普段から温める
からだを冷やさないためにも、普段から「脱ぎ着しやすいカーディガンを持ち歩く」「温かい飲み物を飲む」「カイロを使う」といった工夫で下腹部や腰を温めることが大切です。からだが温まることで血流がよくなり、生理痛を和らげてくれます。
3-2 お風呂でおなかや腰を温める
入浴するときはシャワーだけで済ませず、ぬるめのお湯につかりましょう。おなかや腰が温まることで血行がよくなり、痛みの緩和が期待できます。また、湯船でリラックスすることでイライラを緩和でき、自律神経の乱れも整います。
3-3 ストレッチをする
軽いストレッチをすることで骨盤内の血流がよくなり、痛みの緩和が期待できます。骨盤や股関節の周りの筋肉を動かすことを意識しながら行いましょう。ただし、生理痛がひどいときには無理をせず、からだを休めてくださいね。
4 生理痛対策には漢方薬もおすすめ!
生理痛対策には、入浴やストレッチなどでからだを温めることが大切ですが、それに加えて、漢方薬を取り入れてみることもおすすめです。
ホルモンバランスの乱れやストレス、冷え、過労、血流不足などが生理痛を引き起こす原因と考えられます。
生理痛を改善するには、「冷えや疲労によるホルモンバランスの乱れを改善する」「自律神経を整えて、ストレスによる腹部の張りや痛みを改善する」「血流をよくして子宮や卵巣の機能を回復する」などの作用をもつ漢方薬が用いられます。
漢方薬で心とからだのバランスを整えることで、月経痛だけでなく、月経不順や腹痛、頭痛など、さまざまな不調を同時に改善することも可能です。
ここでは、生理痛に用いられる漢方薬を2種類紹介します。
<生理痛に悩む方におすすめの漢方薬>
・桃核承気湯(とうかくじょうきとう):滞った血の流れを整え、熱を取り去ることで、生理痛、イライラなどの精神症状を和らげます。比較的体力があり、のぼせて便秘しがちな方におすすめです。(※1)
・当帰芍薬散 (とうきしゃくやくさん):血を補い血行を促進し、利水を図ることで冷えや生理痛を緩和します。体力があまりなく、貧血症状や冷え性に悩む方におすすめです。(※2)
漢方は、動植物や鉱物などをもとにした生薬を組み合わせて生成します。自然の恵みを利用する漢方は化学合成をした西洋薬とは違い、副作用リスクも低いのが特徴です。
また、人それぞれの症状や体質に合わせて漢方薬を選ぶことで、根本から体質改善ができます。
しかし、からだに適した漢方薬を使う場合は、医師や薬剤師など、漢方に精通した専門家による診断と処方が大切です。からだに合っていないと、効き目が十分に出ないだけでなく、思わぬ副作用に見舞われる場合もあります。
いま、自宅で実践できる漢方として注目を集めているのが「あんしん漢方」というオンラインサービスです。診断、処方、漢方薬の購入から配送まで、すべて自宅にいながら完結できるのもメリットのひとつ。初回のお試しプランもあるので、気軽に体験も可能です。
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5 ひどい生理痛を和らげ、寒い季節を乗り越えよう
生理痛を悪化させる主な原因は、からだの冷えです。また、仕事や環境の変化によるストレスも、自律神経のバランスを崩すため、生理痛の悪化につながります。生理痛があまりにもひどい場合は我慢せず鎮痛剤を使用し、それでもひどいようであれば受診がおすすめです。
生理痛対策には、とにかくからだを温めることが大切です。忙しくても、なるべく湯船につかったり、おなか周りを温めたりする工夫をしましょう。加えて、根本から体質改善を目指せる漢方薬の活用もおすすめです。これからさらに寒くなる季節に備え、生理痛対策を万全にしましょう!
参考文献
(※1)くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ桃核承気湯エキス顆粒(医療用)」
https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=8894
(※2)くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ当帰芍薬散エキス顆粒(医療用)」
https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=8228
<この記事を書いた人>
薬剤師 稲嶺 千春
北陸大学薬学科卒業後、製薬企業や調剤薬局に勤務。
様々な経験をする中で、対症療法ではなく、漢方による根本治療の大切さを実感する。漢方薬の力をより多くの方に広めるために、漢方のプロがAIを活用して自分に適した漢方薬を選び、お手頃価格で自宅に郵送してくれる「あんしん漢方」で情報発信をしている。