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日本から3時間半で行けるアメリカンリゾートのグアムは、日本人観光客に人気のリゾート地です。
一方で、グアムは海外なので、治安がどうなのか気になるところ。
そこで、実際に2022年10月にグアムへ渡航した筆者が、グアムの治安や、観光客が気をつけるべき場所などを紹介します。
これからグアム旅行を考えているものの治安が気になる方は、ぜひ参考にしてくださいね!
目次
結論:グアムの治安はおおむねよい
▲グアムの有名な観光地「恋人岬」
結論、グアムの治安はおおむねよいと言えます。2022年12月26日時点で、外務省の海外安全ホームページにグアムの危険情報は出ていません。
また、グアムには米軍基地がありますが、現時点でテロや誘拐などの事件も確認されていません。
実際に2022年10月に3泊4日でグアムへ渡航した筆者は、自身に危険が及ぶ場面に遭遇しませんでした。主観ですが、海外旅行経験の多い筆者も、海外の中でグアムは治安がよいほうだと感じます。
一方で、治安はよいと言ってもグアムは海外です。「治安がよい=安全」ではありません。日本と同じような感覚でいると、スリや強盗、性犯罪などに巻き込まれる恐れがあります。
実際に筆者も、あくまで憶測ですが、グアム渡航中一度だけ車上荒らしに狙われていたかもしれない時がありました。
グアムは治安のよい場所ですが、旅行中は「日本とは違う場所」ということを頭に入れて、警戒心を解かないように旅行を楽しむことが重要です。
グアムで観光客が特に注意したい場所
グアムはおおむね治安のよい国ですが、中にはほかと比べて、観光客が特に気をつけるべき場所があります。
そこで、観光客を狙った犯罪が起きやすい場所を3つ紹介します。
ホテルロード
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グアムの人気繁華街・タモンのメインロードであるパレ・サン・ビトレス・ロード、通称「ホテルロード」は、昼間は比較的安全な場所です。
一方で、気をつけたいのは夜です。ホテルロードはショッピングセンターやレストランが建ち並んで賑わいがありますが、それでも過去グアムでは、特に夜間で強盗やスリなどの事件が発生しています。
筆者は、夕食のために夜のホテルロードを歩きましたが、特に危険は感じませんでした。それでも、常に周囲は警戒し、荷物も最低限のみにして持ち歩いています。
グアムに限った話ではありませんが、海外で夜間に外を歩く時は、警戒心を解かないようにしましょう。
ビーチ
▲観光客に人気の公共ビーチ「タモンビーチ」
グアムには、観光客で賑わうビーチが多くあります。一方で、ビーチで楽しむ日本人観光客は、置き引き犯にとっての的ともなります。
貴重品の入ったバッグから目を離して、ビーチを泳がないようにしましょう。
貴重品はホテルのセキュリティボックスに預けておき、ビーチには最悪盗まれても問題ない、最低限の荷物のみ持っていきます。
駐車場
レンタカーを借りる方は、駐車場にも注意しましょう。グアムでは、観光客を狙った車上荒らしが発生しています。
車上荒らし犯にとって、車のロックを開けるのはお手の物です。車から少し目を離した隙に中の荷物が盗まれる事案は、過去にグアムでも発生しています。
実際に筆者も、公園の近くで車を停めて出て行こうとすると、不自然に近くに停車した車がありました。
そのときは団体行動をしていて1人車内に残っていましたが、もし荷物を残して出ていれば、車上荒らしに遭っていたかもしれません。
駐車して出かける時は、なるべく車内に荷物を置かないように注意しましょう。
安全にグアム旅行を楽しむために日本で準備すること
安全にグアム旅行を楽しむには、日本での入念な準備も大切です。
そこで、グアム旅行前に日本で準備するものを4つ紹介します。
①パスポートのコピーをとる
グアム旅行前に、日本でパスポートのコピーをとっておきましょう。なぜなら、万が一パスポートの盗難や紛失に遭ったとき、コピーを所持しているほうがスムーズに手続きを進められるからです。
グアムでパスポートを紛失した時、在ハガッニャ日本国総領事館に行き「帰国のための渡航書」を申請することになりますが、パスポートの写しがあると重宝されます。
また、クラブやバーなどで、原本ではなくパスポートのコピーで身分証明が提示可能な場合もあります。
パスポートをなくすと相当面倒なことになるので、原本はホテルのセーフティボックスに預けておき、現地ではコピーを持参するのもおすすめですよ。
②海外旅行保険に加入する
グアム旅行前に、日本で必ず海外旅行保険に加入しておきましょう。万が一、グアムでケガや盗難に遭ったとしても、損害を補償してくれるのが海外旅行保険です。
契約する海外旅行保険の内容にもよりますが、たとえば病気やケガをした時に、治療費や入院費、救援者の交通費なども補償してくれます。
さらに、現地で所持品が強盗やスリに遭った時も、金銭の補償を受けられるのが、海外旅行保険の魅力です。
グアムの海外旅行保険はそれほどお金がかからず、3泊4日で2,000円程度で加入できます。
保険料を出し惜しみして、海外旅行保険に未加入で海外に渡航し、ケガや盗難で多額の損失を被った方も多くいます。万が一に備え、グアム旅行前に必ず海外旅行保険に加入しましょう。
③緊急連絡先のリストを作る
万が一トラブルに遭った時に備え、緊急連絡先のリストを作成しておきましょう。
たとえば、病気やケガで医療機関に行く必要がある場合、あらかじめ連絡先を知っているとスムーズに連絡できます。
また、強盗やスリなどに遭った時、海外旅行保険会社のお客様窓口を利用することになるので、前もってメモしておくと便利です。
緊急連絡先リストについては、スマホの盗難・紛失に備えて、紙でもメモしておくことをおすすめします。
なお、のちほど現地でトラブルに遭った時の緊急連絡先を紹介するので、あわせて参考にしてみてください。
④外務省の海外安全情報やグアム政府観光局の情報を確認する
グアムは比較的安全な場所なのであまり気にする必要はないのですが、念のため、渡航前に外務省の海外安全ホームページを確認しておきましょう。
海外安全情報では、次の4段階で危険レベルを伝えています。
レベル1 | 十分注意してください |
レベル2 | 不要不急の渡航は止めてください |
レベル3 | 渡航は止めてください(渡航中止勧告) |
レベル4 | 退避してください。渡航は止めてください(退避勧告) |
あまり考えられませんが、万が一上記のような危険情報が出ている時は、ご自身の判断のもとグアムへの渡航を控えるようにしてください。
またグアム政府観光局が、入国や観光などの最新情報を共有しています。外務省の海外安全情報と合わせて、渡航前にグアム政府観光局の最新情報を確認しましょう。
グアム旅行でトラブルに遭わないために気をつけること
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安全に旅行を楽しむためにも、グアム滞在中に特に注意しておきたい点を7つ紹介します。
①ホテルやレストランなどで荷物を置いたままにしない
日本と同じような感覚で、ホテルやレストランに荷物を置いたままにしないようにしましょう。
特にショッピングセンターのフードコートで、日本人の方が席取りのために荷物を置く方もいますが、グアムではスリの的になります。
食事の受け取りやトイレなどの用事で一時的にその場から離れる時は、必ず荷物を持って移動するようにしましょう。
②貴重品はホテルのセーフティボックスに預ける
貴重品はホテルのセーフティボックスに預け、現金はその日必要な分だけを持ち歩くようにしましょう。
間違っても、セーフティボックスに入れず、ホテルのテーブル上などに貴重品を置いたまま外出してはいけません。
また、その日使わない分の現金をセーフティボックスに入れておけば、最悪街中で強盗やスリなどに遭っても、金銭の被害は最小限で済みます。
このように、リスクを分散する考えが海外旅行では大切です。
③強盗に遭っても必ず抵抗しない
強盗に遭ってナイフを突きつけられるような場面では、必ず抵抗しないようにしましょう。
相手からの要求には、抵抗せずに飲むようにします。下手に抵抗して犯人を刺激すれば、相手から暴行を受ける恐れがあるためです。
実際にグアムでも、盗まれたバッグを取り戻そうと追いかけたところ、相手の男から殴る、蹴るなどの暴行を受け、打撲や裂傷などの傷害を負った事件も発生しています。
強盗に遭っても冷静でいるには、持ち歩く荷物や貴重品を最小限にしておくのがポイントです。
「今持っている荷物を盗まれてもまだ旅行できる」という状態であれば、万が一強盗の場面に出くわしても、冷静に対処できる可能性が高くなります。
④レンタカー内に荷物を残さない
グアムでは車上荒らしが多いので、日本のように駐車して、車内に荷物を置いたまま出かけてはいけません。
必ず貴重品は手に持って、車から出るようにしましょう。
重たい、荷物が多いなどの理由でどうしても車内に荷物を残したい時は、最悪盗まれてもよい物だけを残すようにします。
⑤ビーチで貴重品を置いたまま泳がない
ビーチで貴重品を置いたまま泳がないようにしましょう。ビーチで日本人観光客を狙った置き引きは頻発しており、目を離した瞬間に盗まれてしまいます。
ビーチに行くときは、ホテルのセーフティボックスに貴重品を預けて、必要最低限の現金(盗まれてもよい額)を持ち歩くようにしましょう。
また、2人以上でビーチに行く場合は、なるべく1人は荷物の見張り番をするのがおすすめです。
⑥夜間の外出はなるべく控える
▲22時前のホテルロード
グアムの昼間は比較的治安がよいものの、深夜の時間帯は観光地でも旅行客に危険が及ぶ恐れもあります。特に、少人数で夜間に出かけるのは、なるべく控えましょう。
実際に、昼間観光客で賑わうホテルロードでも、夜間では強盗やひったくりなどが発生しています。それだけ、夜の海外は危ないということです。
どうしても夜間に出かけたければ、車で移動することをおすすめします。歩くよりも、危険性は少なくなります。
夜はレンタカーやタクシー、グアムの配車アプリ「StrollGuam」を使うのがおすすめですよ。
⑦見知らぬ人からの誘いに乗らない
警戒心の少ない日本人は、詐欺師からの格好の的です。見知らぬ人からの誘いは、必ず断りましょう。
海外では見知らぬ人に自宅などに誘われ、睡眠剤入りのドリンクを飲まされて強盗に遭ったり、麻薬を服用させられたりする事例があります。
グアム旅行は楽しいのでどうしても警戒心は薄くなりがちですが、見知らぬ人から親しげに誘いを受けても、安易に信じないようにしましょう。
女性がグアム旅行で気をつけること
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女性がグアム旅行をする場合、特に気をつけてほしいのが夜道を歩くことです。
夜間は観光客をターゲットにした犯罪が発生しやすいですが、男性に比べて、女性はどうしても強盗やスリで狙われやすくなります。
夜間に女性だけで歩くのであれば、なるべく大人数で行動したり、移動は徒歩ではなくレンタカーやタクシーなどを使ったりしましょう。
また、女性の場合、突然見知らぬ人からナンパされることがあります。ナンパしてきた男は実は犯罪目的で、自宅に連れ込まれて性犯罪に遭ったり、レストランでぼったくられたりする恐れがあります。
グアムに限った話ではありませんが、自分の身を守るためにも、海外では見知らぬ人からの誘いは断るようにしましょう。
万が一グアムでトラブルに遭遇した時は?
どれだけ気をつけていても、グアム旅行中にトラブルに遭遇する可能性はあります。
そこで、グアム旅行中でトラブルに遭遇した時の対処法を紹介します。
まずは海外旅行保険会社に連絡する
旅行保険の契約内容にもよりますが、病気やケガ、強盗やスリなどのトラブルに遭遇した時は、まず海外旅行保険の緊急連絡先に連絡しましょう。
連絡後、海外旅行保険会社の指示を仰ぐことになります。
いつでも連絡できるように、グアム旅行前に保険会社の緊急連絡先をスマホでメモしたり、紙で印刷したりしておきましょう。
「マイクロネシア・アシスタンスインク」に連絡する
病気やケガ、盗難や事故などのトラブルに遭った時、共通して使える便利な緊急連絡先があります。それが「マイクロネシア・アシスタンスインク」です。
マイクロネシア・アシスタンスインクは、数社の日系旅行会社と保険会社の協力のもと、日本人旅行者向けのアシスタントサービスを提供しています。
24時間365日、日本語で対応しているので、日本人も連絡できるのが魅力です。マイクロネシア・アシスタンスインクは、次のようなトラブルに対応しています。
- ・事故や強盗、スリなどで警察に連絡したい
- ・病気やケガなどで病院に連絡したい
- ・帰国時のPCR検査のサポートを受けたい
- ・パスポートを紛失した など
このような各種トラブルや不明点などに日本語で対応しているので、何かトラブルやわからないことがあれば、まずはマイクロネシア・アシスタンスインクに連絡しましょう。
<マイクロネシア・アシスタンスインクの情報>
電話番号 | +1 (671) 649-8147 + (671) 649-0119 |
メール | info@maiguam.com |
住所 | Suite 208 Bldg. D East-West Business Center 718 North Marine Corps Drive, Upper Tumon, Guam 96913 |
パスポートの紛失・盗難は日本国総領事館へ
紛失や盗難などによってパスポートを失うと、そのままでは日本へ帰国できません。
そこで、在ハガッニャ日本国総領事館に行き「帰国のための渡航書」を申請することになります。「帰国のための渡航書」が発給されれば、パスポートがない方でも日本へ帰国できます。
「帰国のための渡航書」に必要な書類は、次のとおりです。
- ・渡航書発給申請書 1通※領事館に用意されている
- ・紛失一般旅券等届出書 1通※領事館に用意されている
- ・本人確認書類
- ・日本国籍を確認できる書類(戸籍謄⦅抄⦆本、運転免許証、パスポートの写しなど)
- ・航空券(搭乗日が確認できるもの)
- ・写真1枚(縦4.5cm×横3.5cm)※6か月以内に撮影したもの
- ・【紛失の場合】被害を確認できる資料(届出先や受理した警察官名など)
- ・【盗難の場合】警察発行の盗難証明書
「帰国のための渡航書」の発給には厳しい審査がありますが、申請が通れば、原則申請日の翌日に交付されます。パスポートを失った時は、すぐに日本国総領事館へ出向くようにしましょう。
<在ハガッニャ日本国総領事館の情報>
電話番号 | +1-671-646-1290 |
メール | infocgj@ag.mofa.go.jp |
住所 | Suite 604, ITC Building 590 South Marine Corps Drive Tamuning, Guam, 96913 |
開館時間 | 平日 8:30~12:30、13:30~17:15 (領事窓口は 16:30 まで) |
クレジットカードの紛失・盗難はサポートデスクに
グアムでクレジットカードの紛失・盗難に遭った時は、無効にしてもらうため、まずはクレジットカード会社のサポートデスクに連絡しましょう。
クレジットカード会社によって、グアム専用の紛失・盗難用の電話番号が用意されています。グアム渡航前に、スマホや紙で連絡先をメモしておきましょう。
サポートデスクへ連絡したあとは、警察署へ行き「紛失届」を提出することになります。
なお、クレジットカードには補償制度があり、届出をすれば不正利用分は支払い適用外になる可能性があるので安心してください。
まとめ:安全に注意して楽しい旅を♪
グアムの治安はおおむねよいので、安心して旅行を楽しめます。実際に2022年10月に渡航した筆者も、グアムは安全な場所だと感じました。
そのため、海外旅行が初めての方や、女子旅にはグアム旅行がおすすめです。
一方で、治安はよいと言っても、日本とは違います。日本人観光客を狙った置き引きやスリ、強盗などが発生しています。
「治安がよい=犯罪に遭わない」ではありません。グアム旅行中は警戒心を解かず、細心の注意を払って楽しむようにしてくださいね!