最近、なんだか便秘がち…。そんなときも、ちょっと食べるものを変えればスッキリすることってありますよね。そこで、ぜひトライしたいのが大麦。しかも美味しく食べられるのは嬉しいポイントです。今回は、日本スープ協会主催のスープセミナーで紹介された便秘の人におすすめの大麦レシピをご紹介します。
■食物繊維不足かも!上手に補うには?
日本人は、食物繊維が不足しているという噂!本当なの? スープセミナーに登壇していた大ヒット本『その調理、9割の栄養捨ててます!』の著者である東京慈恵会医科大学附属病院 栄養部課長の濱裕宣先生は、日本人の近年の栄養データから、1日の食物繊維摂取量は3-4gほど不足していると指摘。
食物繊維は、野菜などをとろうとろうと心がけていても、なかなか摂取できていないものなんですね。
そこで濱先生は、不足しがちな食物繊維を簡単に摂る方法を教えてくれました。それは、ごはんに麦を混ぜるだけの方法!
白米1合に対して、もち麦50gを入れて炊飯します。お茶碗1杯食べれば食物繊維が2.3gも摂れるので、1日2杯食べれば合計4.6gになり、ちょうどよく補えます。
■大麦は便秘の人におすすめ!
そして便秘で苦しむ女性にも、大麦はおすすめの食材だと濱先生。大麦に含まれるβ-グルカンは、ビフィズス菌などの有益な腸内細菌の栄養となり、善玉菌の増殖や活性化をすることによって腸内フローラを改善するのだそう。
腸内フローラを改善することにより、がんや糖尿病などの様々な疾患の治療や美容効果などが期待されています。正常な腸機能の維持や排便促進効果も期待できるとか。
ただし、大麦を食べれば短期間で改善するものではなく、継続摂取が重要だと述べました。
継続的にごはんと一緒に炊いて、腸機能を健康にしましょう。
■大麦を美味しく食べよう!「ゆで大麦」の作り方と活用法
ごはんに混ぜる以外にも、大麦を美味しく食べる方法はあるんです。濱先生直伝の「ゆで大麦」の作り方と活用法をご紹介します。
- 鍋にたっぷりめの水を沸騰させ、大麦を加える。大麦はゆでると約3倍に増える。
- 時折、かきまぜながら15-20分間ゆでる。
- 大麦の中心部が透明になったらゆであがり。2、3粒食べてみて好みの食感になったらザルに開ける。
- 流水を注ぎ、手でかき混ぜるようにして洗い、大麦表面のぬめりをとる。
- 水分をしっかりと切ったら、小分けにしてラップに包んだり、ジッパー付きナイロン袋に入れて保管する
ゆで大麦はこう活用できる!
こうして作ったゆで大麦は、次のようにいろんな活用方法があるので、ぜひ試してみましょう。
- 冷凍のままスープや味噌汁に
- 自然解凍・流水解凍して、サラダや和え物に
- ご飯に混ぜて麦ご飯に
- ハンバーグやミートローフに
- 肉味噌の肉の代替品に
■ゆで麦にスープをかけて美味しく!「にんにくチキンチャウダー」レシピ
活用法のなかでも、ゆで麦にスープをかけて美味しくいただくレシピを一つご紹介します。これはスープセミナーに登壇していたスープ作家の有賀薫さんのレシピです。
「にんにくチキンチャウダー」
【材料】(1人分)
- ハウス食品「北海道クリーミースープの素」 大さじ3
- 鶏もも肉 1枚(350g)
- キャベツの葉 3枚
- にんにく 3~4片(1/2株)
- オリーブオイル 大さじ1
- 塩、胡椒 少々
- ゆで麦 80g
- バター 10g
- (好みで)レモン
【作り方】
- にんにくは皮をむいてばらしておく、キャベツは手で食べやすい大きさにちぎる。鶏もも肉は6つぐらいに大きめにカットして塩をふる。
- 厚手の鍋にオリーブオイルを熱し、鶏もも肉を 皮目を下にしてこんがり焼く。焼き目がついたら裏返し、水1カップとにんにく、キャベツを加えてふたをして10分蒸し煮する。ふたをあけ、にんにくをヘラなどでつぶす。
- 水3/4カップと牛乳を1/2カップ加え、スープの素大さじ3を加える。ゆで麦にバターを混ぜたものにかけてできあがり。胡椒をふる。好みでレモンの串切りを添えても。
便秘がちな人は、ぜひ一度、大麦を試してみてはいかがでしょうか。ポイントは、美味しく食べて継続することですよ!
【プロフィール】
濱 裕宣(はま ひろのぶ)先生
東京慈恵会医科大学附属病院 栄養部課長
健康と栄養バランスを大事に、日常生活の中で活かせる食事ノウハウの普及を目指し、患者の立場に立った食生活向上指導にあたっている。
大ヒットのレシピ本『その調理、9割の栄養捨ててます!』(世界文化社)や、『慈恵大学病院のおいしい大麦レシピ』(出版文化社)など多数の栄養・健康のレシピ本にかかわる。『世界一受けたい授業』(日本テレビ)、『ヒルナンデス』(日本テレビ)などテレビ出演や講演でも活躍。
有賀 薫(ありが かおる)さん
スープ作家。家族の朝食をきっかけに10年間作り続けたスープをもとに、雑誌、ウェブ、テレビなどでレシピや暮らしのアイデアを発信。『朝10分でできる スープ弁当』(マガジンハウス)で、2020年料理レシピ本大賞入賞。