ゴールデンウィークが明けた後、なんとなく仕事へのやる気が起きないと感じていませんか? なんだかおかしいと感じているなら、放置するのはよくありません。もしかしたら、5月病かもしれません。
そこで今回は、5月病の対策を精神科医が解説。人付き合いの方法から食事、睡眠までご紹介します。
■「新しい仕事や人間関係にストレス」が約8割
ユーグレナ社が2023年4月4日~5日、20代~60代の働く男女100人を対象に、会社での新しい仕事や人間関係に対するストレスの有無やその対処方法について調査したところ、「会社で新しい仕事や人間関係にストレスを感じた経験がある」と回答した人は約8割(79.1%)にも上りました。
また、50.3%と半数を超える人たちが、「新しい仕事にも人間関係にもストレスを感じたことがある」と回答しました。
「どのようにストレスを緩和・解消しようと努めたか?」という質問については、1位が「苦手な人と極力接点を持たないようにする」(210人)、2位が「好きなものをたくさん食べる」(197人)、3位が「仕事以外で楽しみな予定や関心事を作り、そのことを考えてがんばる」(191人)となりました。
■5月病予備軍のチェックリスト
多くの人と同じように、新しい仕事や人間関係にストレスを感じているなら、5月病予備軍のセルフチェックを行っておきましょう。
□完璧主義である
□この春、仕事や家庭において大きな人間関係の変化があった
□勤務時間が1日10時間以上の日がほとんどである
□リモートワークであまり日中外出しない
□1日中スマートフォンやPCなどを見ている
□愚痴を言う家族、同僚、パートナーがいない
□寝不足と感じる日が多い
□糖質や脂質に偏った食事など、栄養バランスの悪い食事をすることが多い
□お酒を頻繁に飲んでいる
□軽い運動もする習慣がない
このチェックリストを監修した精神科医で市川メンタルクリニック院長の芦澤裕子先生によれば、10項目のうち、2項目以上チェックがつく人は、環境の変化による精神的ストレスや肉体疲労を貯めてしまうリスクがあるとのこと。心当たりのある項目を改善するために、ライフスタイルを工夫するのを勧めます。
■苦手な人とのコミュニケーションはこう対策!
もしストレスの要因が「人」なら、この対策がおすすめだと芦澤先生は話します。
「ストレスの原因が明らかな場合、その人物から距離を取らせてもらうなどの物理的な対処が一番の対策です。難しい場合は、間に別の人が入ってコミュニケーションしてもらう、プライベートの時間に、気を許せる人に話を聞いてもらうというだけでも改善が見込めることは多いです」
最近では、リモートワークの機会が増えたことから、コミュニケーション不足で、一人で悩みを抱え込んでしまっていませんか?
そんなときには、「何でも話して」と言ってくれるような相手に相談したり、Web会議の時間に雑談ができるような環境づくりを心掛けるといいそうです。
■睡眠の質を上げる食生活
芦澤先生は、食事から5月病の傾向を対処するには、睡眠の質を高める食事を摂ることも大切だと話します。
「5月病と感じる場合は、何らかの理由で自律神経、脳神経が上手に機能できていないことなど、様々な要因が考えられます。自律神経も脳神経も、細胞ひとつひとつからできていて、身体の組織のひとつです。きちんと疲労が回復され、栄養や酸素がいきわたっている状態を作ってあげることが重要です。
そして、身体組織の疲労回復には、睡眠の量や質が深く関わっています」
睡眠の質の改善に必要な栄養素は、次のものだそう。ぜひ取り入れましょう。
・神経伝達物質を作る「タンパク質」
・セロトニンの合成に不可欠な「ビタミンB6」
・脳神経の正常な働きを助けてくれる「ビタミンB12」
・セロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミンなどの神経伝達物質の原料「トリプトファン」
・ドーパミンを作るのに必須といわれる「鉄」
・ストレスを和らげ、興奮した神経を落ち着かせる「GABA」
・体の末端部分の血行量を増やして深部体温を冷やす「グリシン」
特に睡眠の質の改善に役立つ栄養素を多く含むといわれるのが、ユーグレナという藻類の一種。最近ではスーパーフードの一つとして知られています。
「ユーグレナは59種類もの栄養素を含み、その中にはビタミンB6、ビタミンB12、トリプトファン、鉄、GABA、グリシンに加え、ユーグレナ特有のβグルカンである『パラミロン』も含まれています。
ユーグレナ粉末1,000mgおよびユーグレナ粉末の入っていないプラセボ粉末を12週間摂取した臨床試験において、主観的な睡眠への満足度有意な向上が見られたという検証結果もあります。一般販売されているドリンクやタブレット型のサプリメントなどで取り入れることができます」
ユーグレナ粉末をヨーグルトにかけたところ
■睡眠の質を上げる生活習慣
芦澤先生は、食事だけでなく、次のような睡眠の質を上げる生活習慣も意識するのを勧めます。
・運動習慣を持つ
運動すると、身体に乳酸などの疲労物質が作られ、身体が疲労回復しようとするために入眠しやすくなるそうです。中期的に体力がつくので仕事の集中力・意欲の維持にもつながり、仕事への自信喪失などに起因する5月病リスクも軽減できるかも!
・寝る前にぬるめの半身浴をする
身体の内部の温度(深部体温)が下がるときに、副交感神経が優位になり、入眠しやすくなるため寝る前の良きタイミングで入浴を。
春夏の暖かい季節は1時間前までに、湯船で38度~40度のぬるめの半身浴で、20分ほどゆったり浸かるといいそうです。
最近では、会社が従業員の健康のために睡眠施策を積極的に行っているため、自分の勤め先の会社で、何か取り組みがないか確認したり、提案してみたりするのもいいかもしれません。
先日は、キリンホールディングス、乃村工藝社、日本マイクロソフト、Panasonicを含む22社が参加する異業種連携によるミレニアル世代の働き方改革コミュニティ「MINDS(マインズ)」と、株式会社ブレインスリープ、株式会社ユーグレナが共同で、睡眠の質とビジネスパフォーマンスの相関関係の検証を実施することを発表。
ここでも睡眠の質を向上するといわれるユーグレナのサプリメントが活用されるそう。
大企業Z世代が働き方改革に向けて様々な検証をするMINDSのメンバー
ブレインスリープは、企業向けに健康経営サービス「睡眠偏差値for Biz」や「ブレインスリープ コイン」を提供するそう。
「スリープコイン」は 独自の睡眠ステージを判定するアルゴリズムとセンサーによって4つの深度の睡眠ステージ【目覚めた状態】【レム睡眠】【浅い睡眠】【深い睡眠】に分類し、その時間を可視化。どの時間に目覚めているのか、深い睡眠がどれくらいとれているのかなどわかります。毎日の睡眠スコアや質、睡眠習慣によってスリープコインが貯まり、お得なクーポンやサービスに変えることもできます。日々の睡眠を通じて新たな睡眠体験を提供し、睡眠を価値に変える新しいデバイス・アプリ。
5月病予備軍チェックリストに2項目以上あてはまったなら、ぜひ今回ご紹介した対策を試してみてくださいね。
芦澤裕子先生
精神科医・市川メンタルクリニック 院長
日本睡眠学会認定医、精神保健指定医、日本精神神経学会専門医、指導医。心療内科、精神科のクリニックにて精神障害、睡眠障害などの治療にあたる。「心やすらぐ、ぐっすり眠れる夢の絶景カレンダー」「GOOD SLEEP BOOK 365日ぐっすり快適な 眠りのむかえ方」(翔泳社)監修。
市川メンタルクリニック 千葉県市川市市川1-4-10 市川ビル11F
https://www.ichikawa-mental.jp/