「炎天下のなかでふらつきを感じることがあった」
「気温が30度を超える日が続き、毎日だるさを感じている」
「野外フェスに行く予定があるが、熱中症にならないか心配」
このような悩みをかかえていませんか?
熱中症は、重篤化すると死につながる可能性のある危険な状態です。「もしかして熱中症かも?」と思ったときには、どのように対処したらよいのでしょうか。
そこで今回は、熱中症の初期症状や、熱中症が疑わしいときの対処法について、薬剤師が紹介します。
1. そもそも熱中症とは?
熱中症とは体温調節がうまくできなくなり、体温が異常に上昇することで起きる不調のことです。
本来、人間は体温が高くなっても汗をかいて熱を放出できますが、気温や湿度が高すぎるとうまく体温を下げられません。
また、大量に汗をかくことによって水分や塩分が失われ、脱水状態になったり体内の塩分濃度が低下したりします。
その結果、めまいやだるさ、頭痛などのさまざまな症状を起こすのです。
2. 熱中症の初期症状
めまいや立ちくらみ、大量の発汗、吐き気などの症状が出たら、熱中症の初期段階である可能性があります。
大量に汗をかいて脱水状態になると、手足のつりや嘔吐、だるさといった2段階目の症状が見られます。
痙攣(けいれん)や意識障害などが見られた場合は3段階目に発展している可能性が高いため、すぐに救急車を呼ぶ必要があります。
3. 「熱中症かも」と思ったときにできる対策
めまいやふらつきといった熱中症の初期症状に気づいたら、どのような対策をすべきなのでしょうか?
ここでは、熱中症の疑いがあるときにできる対処法を3つ紹介します。
3-1. すぐに涼しい場所に移動する
熱中症の疑いがある場合は、クーラーが効いている屋内や、風通しのよい日陰にすぐ移動しましょう。衣服のきつい部分を緩めて、安静に休むことが大切です。
3-2. スポーツドリンクや経口補水液を摂る
熱中症の応急処置には、水分と一緒に電解質を補えるスポーツドリンクや経口補水液の摂取がおすすめです。
経口補水液とは、一般的なスポーツドリンクよりも電解質が多く含まれる飲みものです。
すぐに用意できない場合は、水を十分に飲んで水分補給をしましょう。
3-3. 冷たいものでからだを冷やす
上昇した体温を下げるため、濡れタオルや冷たいペットボトルなどでからだを冷やしましょう。太い血管が集中している脇の下や首、太もものつけ根に冷たいものを当てると、効率的に冷やせます。
からだの露出した部分に水をかけて、うちわや扇風機であおぐことでも体温を下げられますよ。
4. 熱中症予防には漢方薬もおすすめ!
「熱中症が疑わしい場合の対処法はわかったけど、そもそも熱中症を防ぐ方法はないの?」とお悩みの方もいるでしょう。
熱中症予防には、のどが渇く前からのこまめな水分補給や、不要不急の外出は避けて暑さから身を守ることなどが大切です。
それらに加えて、熱中症になりにくい体質を目指せる漢方薬の活用もひとつの方法です。
熱中症の原因には、暑さで体温調節ができなくなることや、汗をかきすぎて脱水状態になることなどが挙げられます。
熱中症の予防には、次のような作用をもつ漢方薬を選びます。
・からだの熱を冷ましてのどの渇きやほてりを鎮める
・体内の水分代謝を改善する
・暑さで弱った胃腸を元気にして体力を回復させる
・からだのエネルギーや栄養を補って元気を出させる
からだの内側からケアできる漢方薬なら、毎日飲むだけで熱中症になりにくいからだを目指せるでしょう。
以下では、熱中症予防におすすめの漢方薬を2種類紹介します。
<熱中症予防におすすめの漢方薬>
・清暑益気湯(せいしょえっきとう):暑さで弱った胃腸を元気にして、体力を回復させます。暑さによる食欲不振、下痢、全身倦怠などがある場合におすすめです。(※1)
・白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう):胃の熱を冷まして、熱感や口渇が強い方のからだのほてりや、のどの渇きを抑える漢方薬です。(※2)
漢方薬を選ぶ際に重要なポイントは、自分の症状や体質に合ったものを選んでいるかどうかです。症状や体質に合っていないと効果を感じられないだけでなく、場合によっては副作用を招く可能性も。
しかし、どの漢方薬が適しているのかを自分自身で見極めることは、なかなか難しいですよね。最近では、AI(人工知能)を活用した「あんしん漢方」のようなオンライン相談サービスも登場してきました。
AIを活用し、漢方のプロが自分に適した漢方を見極めて、お手頃価格で自宅に郵送してくれる「オンライン個別相談」が可能です。ぜひ活用してみてください。
5. 熱中症が疑われたらすばやく正しく対処しよう!
めまいやふらつきなど、熱中症が疑われる症状が出たら、すぐに涼しい場所に避難し、スポーツドリンクや経口補水液で水分と電解質を補給しましょう。
体温をすばやく下げるためには、脇の下や太もものつけ根に冷たいものを当てて冷やす方法もおすすめです。
「熱中症かも」と思ったら油断せず、初期段階で適切に対処しましょう。
参考文献
(※1)くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ清暑益気湯エキス顆粒(医療用)」
https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=9152
(※2)くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ白虎加人参湯エキス顆粒(医療用)」
https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=8390
<この記事を書いた人>
あんしん漢方薬剤師
稲嶺 千春(いなみね ちはる)
北陸大学薬学科卒業後、製薬企業や調剤薬局に勤務。
様々な経験をする中で、対症療法ではなく、漢方による根本治療の大切さを実感する。漢方薬の力をより多くの方に広めるために、漢方のプロがAIを活用して自分に適した漢方薬を選び、お手頃価格で自宅に郵送してくれる「あんしん漢方」で情報発信をしている。
●あんしん漢方(オンラインAI漢方)