「30歳を過ぎてから、自分の体臭が変わったような気がする」
「以前よりも脇のニオイが強くなった気がする」
「加齢臭がする歳じゃないのに家族に体臭を指摘された」
このようなお悩みをかかえていませんか?
今まで気にならなかった体臭に突然気づくと、「なんとかしなければ」と不安になってしまいますよね。
そこで今回は、年齢を重ねることで気になる体臭や、その対処法について、薬剤師がご紹介します。
1. 女性の体臭が変化する原因とは?
年齢を重ねることによって、女性の体臭が変化する原因には何があるのでしょうか? ここでは、体臭が変化する原因を2つ紹介します。
1-1. 若い女性に特有の「ラクトン」の減少
10~20代の女性には、特有の桃のような甘い香りがあることをご存知でしょうか?
その若さの象徴ともいえる甘い香りの正体は、「ラクトン」と呼ばれる物質。しかしこれは、30代以降になると激減してしまいます(※1)。
30代になってから体臭の変化を感じている方は、このラクトンが減少しはじめているのかもしれません。
1-2. 女性ホルモンの減少
女性ホルモンには、体臭の原因となる皮脂の分泌を抑えてくれる働きがあります。そのため、加齢によって女性ホルモンが減ると、体臭がきつくなることがあるのです。
また、女性ホルモンの減少によって抗酸化力が低下すると、体臭や加齢臭の元となる活性酸素が発生しやすくなります。
2. 若々しい香りを保ちたい! 体臭セルフケア3選
体臭は他人に与える印象を大きく左右するため、できればいつまでも若々しい香りでいたいですよね。
しかし、残念ながら若い女性特有の香り成分である「ラクトン」は、30代を過ぎると減少してしまいます。
きつい体臭を防ぐためには、まずは不快なニオイの発生を抑えることが大切です。ここでは、不快な体臭を防ぐためのセルフケア方法を3つ紹介します。
2-1. 抗酸化作用のある食材を摂取する
活性酸素によるからだの酸化を抑えるためには、抗酸化力のあるビタミンCやビタミンE、ポリフェノールなどを含む食品の摂取がおすすめです。
これらの成分は緑黄色野菜や果物、お茶などに多く含まれます。日頃から積極的に摂取するといいでしょう。
2-2. 汗をかく習慣をつける
暑い日が続くからといって、一日中エアコンの効きすぎた部屋で過ごしていないでしょうか?
汗をかく習慣がないと、汗腺の機能が弱くなるため、ミネラル分の多いベタベタの汗が出るようになります。
質の悪い汗は体臭の原因になるため、運動や半身浴などによって日頃から汗をかく練習をしましょう。
2-3. ラクトンが配合されたデオドラント製品を使う
若い女性に特有の成分である「ラクトン」が配合されたボディソープや制汗剤などを使うことも、若々しい香りを保つのに役立ちます。
ただし、からだの内側からのケアを怠っていては体臭を防ぎきれないので、食事や運動といった生活習慣の工夫をしたうえで活用することをおすすめします。
3. 体臭対策には漢方薬もおすすめ!
加齢による不快な体臭を防ぐためには、抗酸化作用のある食材を摂取したり、汗をかく習慣をつけたりすることに加えて、専門家の指導のもとで漢方薬を活用するのもひとつの方法です。
体臭が気になる原因には、若い女性に特有の香り成分であるラクトンが減ることや、女性ホルモンの減少、汗や皮脂の過剰な分泌などが挙げられます。
そのため、体臭が気になる場合には次のような作用をもつ漢方薬を選びます。
・ニオイの原因となる老廃物を排出する
・女性ホルモンのバランスを整える
・水分バランスを調整して過剰な汗を抑える
・自律神経を整えてストレスや緊張による発汗をやわらげる
漢方薬は体臭の根本改善に働きかけるので、今ある体臭の緩和だけでなく、体臭が生じにくいからだを目指すこともできるでしょう。
ここでは、体臭対策に用いられる漢方薬を2種類紹介します。
<体臭対策におすすめの漢方薬>
・防已黄耆湯(ぼういおうぎとう):からだの水分バランスを整えることで、体臭の原因となる過剰な汗を抑えます。汗をかきやすく、色白で疲れやすい方におすすめです。(※2)
・加味逍遙散(かみしょうようさん):からだのエネルギーのめぐりを整え、体内にたまった余分な熱を冷ます働きがあり、女性ホルモンの変動に伴ってあらわれる更年期の症状や精神不安の改善に用いられます。(※3)
漢方薬を選ぶ際に重要なポイントは、自分の状態や体質に合ったものを選んでいるかどうかです。症状や体質に合っていないと効果を感じられないだけでなく、場合によっては副作用が生じてしまう可能性も。
ただ、どの漢方薬が自分に合っているのかを見極めるのは、なかなか難しいですよね。最近では、AI(人工知能)を活用した「あんしん漢方」のようなオンライン相談サービスも登場してきました。
AIを活用し、漢方のプロが自分に適した漢方を見極めて、お手頃価格で自宅に郵送してくれる「オンライン個別相談」が可能です。ぜひ活用してください。
4. 体臭は年齢によって変化するもの
「最近、体臭がきつくなった気がする」とお悩みの方は、年齢を重ねることで体臭が変化しているのかもしれません。
いつまでも若々しい甘い香りが続くといいのですが、体臭はどうしても加齢によって変化するものです。
汗のニオイや加齢臭などの不快な体臭を防ぐためには、食生活や運動習慣の改善などが大切です。それに加えて、体臭の根本的な原因にアプローチできる漢方薬を活用するのもいいでしょう。
体臭の変化にお悩みの方は、今回紹介した対処法をぜひ試してくださいね。
参考文献
(※1)若い頃の甘い香りの正体は「ラクトン」|RHOTO
https://jp.rohto.com/deoco/lactone/
(※2)くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ防已黄耆湯エキス顆粒(医療用)」
https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=7951
(※3)くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ加味逍遙散エキス顆粒(医療用)」
https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=8230
<この記事を書いた人>
あんしん漢方薬剤師
稲嶺 千春(いなみね ちはる)
北陸大学薬学科卒業後、製薬企業や調剤薬局に勤務。
様々な経験をする中で、対症療法ではなく、漢方による根本治療の大切さを実感する。漢方薬の力をより多くの方に広めるために、漢方のプロがAIを活用して自分に適した漢方薬を選び、お手頃価格で自宅に郵送してくれる「あんしん漢方」で情報発信をしている。
●あんしん漢方(オンラインAI漢方)