秋から冬になると、肌だけではなく髪の毛も乾燥しやすくなってしまいます。
乾燥した髪の毛はうねったり癖が出たりするので、毎朝憂鬱になることもありますよね。
冬の乾燥から髪の毛を守り健やかな髪の毛を維持する対策を、薬剤師が紹介していきます。
1. 秋から冬にかけて髪の毛が傷む原因は?
秋から冬にかけて髪の毛が乾燥する主な原因は、以下の3つです。
1-1. 空気が乾燥する
秋から冬にかけて気温が下がり、空気中に含まれる水分の量が減るため、髪の毛も乾燥してしまいます。
そこにエアコンやストーブといった暖房器具を使うと空気の温度は上がりますが、空気中の水分量は増えないので相対湿度が下がり、さらなる乾燥を引き起こしてしまうのです。
このように、空気の「相対湿度」が下がることに加えて、エアコンの温風が直接当たることでも髪の毛や肌は乾燥していきます。
1-2. シャワーやドライヤーの影響
寒い季節になるとシャワーを高い温度で使うことも増え、そのせいで頭皮や髪の毛に必要な皮脂までもが洗い流されてしまうので、乾燥することもあるようです。
さらに、ドライヤーを長時間同じ箇所に当て続けることも、髪の毛のキューティクルを傷めてしまい、乾燥を招く要因になります。
1-3. 血行不良
寒くなって気温が下がると頭皮を含む全身の血管が収縮し、十分な血液量が届かずに髪の毛も栄養不足になってしまいます。
このように血行不良によって髪の毛がダメージを受けてしまうこともあるようです。
2. 髪の毛にダメージを与えない方法は?
寒くなり乾燥してくる季節に、髪の毛にダメージを与えない方法を3つ紹介していきます。
2-1. 温度や湿度を調整する
暖房器具の温度や室内の湿度、あるいはシャワーやドライヤーの使い方を変えることで髪の毛へのダメージを抑えることができます。
たとえば、家の中ではエアコンの風が直接当たらないように風向きを工夫しましょう。
部屋に湿度計や加湿器を設置し、部屋の中の湿度を40~60%に保つことも効果的です。
他にも、熱いシャワーを避けてお湯の温度を38~40度にしたり、ドライヤーを長時間使わないように、事前にタオルドライをしたりするのもいいでしょう。
ドライヤーはショートヘアなら5分間、ロングヘアなら10分間が目安です。
2-2. ヘアケアアイテムを使う
ドライヤーの前にヘアオイルや洗い流さないトリートメントを適量使うことで、髪の毛の乾燥やダメージを抑えることもできます。
また、シャンプーは、乾燥で敏感になっている頭皮を傷つけないために、低刺激性のものを選ぶのもいいでしょう。
2-3. 頭皮の血行をよくする
血行不良で頭皮や髪の毛が乾燥している場合は、血行をよくする頭皮マッサージもおすすめです。
手の指の腹部分を使い、クルクルと撫でるように優しく頭全体をマッサージしてみましょう。
その他にも、40度くらいのぬるめのお湯にゆっくりつかったり、ウォーキングなどの軽めの運動をしたりすることで、全身の血行がよくなり髪の毛にも栄養が行きわたるようになります。
3. 髪の毛の乾燥対策には漢方薬もおすすめ!
髪の毛の乾燥に困っているときには、漢方薬の活用も選択肢のひとつです。
ヘアオイルやトリートメントにプラスして、血流をよくして頭皮や髪の毛を作る細胞に栄養を届ける漢方薬を服用することで、健やかな髪の毛になるでしょう。
漢方薬は、髪の毛や頭皮を根本から改善することで、抜け毛や薄毛などにもアプローチすることができます。
<髪の毛の乾燥対策におすすめの漢方薬はこちら>
・四物湯(しもつとう):皮膚が乾燥し色つやの悪い方に向いています。栄養を補い、貧血・冷え症・疲労などに働きかけます。乾燥した皮膚に栄養を与え、頭髪だけではなく、皮膚や爪の不調にも用いられます。(※1)
・十全大補湯(じゅうぜんたいほとう):貧血気味で疲れやすい方におすすめです。頭皮や髪の毛に栄養を届ける働きが期待できます。栄養状態を改善し、食欲不振や倦怠感、貧血などにも用いられます。(※2)
・人参養栄湯(にんじんようえいとう):体力がない方におすすめの漢方薬です。消化・吸収の機能をよくして髪の毛に必要な栄養を作り、血流をよくして栄養を届けます。(※3)
このように、漢方薬にはからだの末端である髪の毛にまで栄養を届け、頭皮の状態だけではなくからだの状態を改善する働きを持つものもあります。
ただし、症状だけではなく体質に合わせた漢方薬を選ばないと、効果があらわれずに副作用が出てしまうこともあるでしょう。
そのため、最近では薬剤師がAIを用いてその人に最適な漢方薬を提案してくれる「あんしん漢方」のサービスが人気です。
家にいながら自分に合った漢方薬を服用できるので、寒い季節でも快適に使えるでしょう。
4. ヘアケアで髪の毛を健やかにしよう!
秋から冬にかけては肌の乾燥に悩む方が多いですが、肌だけではなく頭皮や髪の毛も同じように乾燥します。
エアコンの風向きを見直す、ヘアケアアイテムを使う、漢方薬を服用するといった対策をしながら、髪の毛も健やかな状態を維持していきましょう。
参考URL
(※1)くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ四物湯エキス顆粒(医療用)」
https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=8921
(※2)くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ十全大補湯エキス顆粒(医療用)」
https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=8540
(※3)くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ人参養栄湯エキス顆粒(医療用)」
https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=9083
<この記事を書いた人>
あんしん漢方薬剤師
山形 ゆかり
薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ入り、牛角・吉野家他薬膳レストラン等15社以上のメニュー開発にも携わる。
「健康は食から」をモットーに健康・美容情報を発信するMedical Health -メディヘルス-Youtubeチャンネルで簡単薬膳レシピ動画を公開するなど精力的に活動している。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。
●あんしん漢方(オンラインAI漢方)