「夜更かしすると太る」という話を聞いたことはないでしょうか。夜更かしをすることで太りやすくなる原因や、睡眠の質を高める方法を薬剤師が解説します。
1. 夜更かしすると太る原因とは?
夜更かしをすると太る2つの原因を紹介します。
1-1. 運動量が減る
夜更かしによって睡眠時間が短くなると、日中に眠くなります。 集中力や意欲の低下にもつながるでしょう。 その結果、運動量が減ってしまうため、基礎代謝も落ちて太りやすくなります。
1-2. 食欲増進ホルモンが増える
睡眠不足になると、食欲を増進させる「グレリン」というホルモンの分泌が増えます。 また、睡眠不足は食欲を抑制する「レプチン」というホルモンの分泌量を減少させます。 そのため、夜更かしによって睡眠不足になると食欲が増進し、体重が増えるでしょう。 さらに、食欲が増進して糖分を摂りすぎると、睡眠を促す「メラトニン」というホルモンの分泌も減ります。 これにより、さらに睡眠不足になって太る可能性があるので注意が必要です。
2. 睡眠環境を整える方法とは?
睡眠不足にならないためには、睡眠環境を整えることが重要です。 そのための方法を3つ紹介します。
2-1. 寝室の環境を整備する
睡眠の質を高めるためには、寝室の環境を整備しましょう。 寝る前にスマホを触らないようにするために、スマホを寝室に持ち込まないことも睡眠環境を整える方法のひとつです。 他にも、ぐっすり眠るためには寝室の空気を清潔に保つことも重要です。 こまめに掃除をしたり、空気清浄機を置いたりしてみましょう。
2-2. 食生活を見直す
食生活を見直すことでも、安眠効果が期待できます。 寝る直前の飲食は安眠を妨げるので、食事は睡眠の3時間前までにすませておきましょう。 前述の、睡眠を促すメラトニンは「トリプトファン」というアミノ酸から作られます。 そのため、日中にトリプトファンが多く含まれるバナナや豆腐、納豆、乳製品を食べるのがおすすめです。 トリプトファンの吸収を助けるビタミンB6は赤身の魚やささみに多く含まれるので、意識的に食べましょう。 バナナは、トリプトファンもビタミンB6も豊富に含んでいるため、これらを効率的に摂取できる食品です。
2-3. 深部体温を下げる
ぐっすり眠るためには、寝る前にからだの深部体温を下げましょう。 そのためには、一度入浴によって深部体温を上げることが重要です。 入浴によって体温が1度くらい上がり、その後血管が拡張して体温が下がります。 このように、体温が低下するタイミングで布団に入るとぐっすり眠れるでしょう。 深部体温を効果的に上げるためには、寝る1.5時間ほど前に39~40度のお湯に10~15分くらい入るのがおすすめです。 それにより、体温が上がるだけではなく、副交感神経が優位になりリラックスできて、寝つきがよくなるでしょう。
3. 睡眠の質を高めるためには漢方薬もおすすめ
睡眠の質を高めるためには、漢方薬の服用もおすすめです。 漢方薬で体質改善を目指すことによって、ぐっすり眠れるようになるでしょう。 安眠のために漢方薬を服用する場合「自律神経の乱れを整える」「血流をよくして中枢神経の機能を回復し安眠に導く」「栄養を全身に届けて、心とからだを元気にする」といった漢方薬を選びましょう。
<睡眠不足で悩む方におすすめの漢方薬>
・柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう):寝つきが悪い方におすすめ。からだの熱を冷ますことで、自然な眠りを促します。)「気」(エネルギー)のバランスを整え、興奮を抑制して心を落ち着かせます。(※1)
・加味帰脾湯(かみきひとう):疲れすぎて眠れない方におすすめ。血流を改善し、心身を元気にします。(※2)
このように、睡眠の質を高めることで、肥満を防ぐことが可能です。 一方、睡眠不足になる原因や、自分の体質に合う漢方薬を服用しないと、効果が出ずに副作用に悩んでしまう場合もあります。 そこで、薬剤師がAIを用いて最適な漢方薬を提案する「あんしん漢方」というサービスがおすすめです。 スマホがあればサービスを利用できるため、からだがだるくて外に出たくないときにも便利ですよ。
4.ぐっすり眠って肥満を解消しましょう!
夜更かしによって生活リズムが乱れると、からだのホルモンバランスが崩れたり運動が億劫になったりして、太りやすくなってしまいます。 ダイエットには睡眠も大切なので、ぐっすり眠って健康的にダイエットしましょう。
参考URL
(※1)くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ柴胡加竜骨牡蛎湯エキス顆粒(医療用)」
https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=7943
(※2)くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ加味帰脾湯エキス顆粒(医療用)」
https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=9150
<この記事を書いた人>
あんしん漢方薬剤師 山形 ゆかり 薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ入り、牛角・吉野家他薬膳レストラン等15社以上のメニュー開発にも携わる。 「健康は食から」をモットーに健康・美容情報を発信するMedical Health -メディヘルス-Youtubeチャンネルで簡単薬膳レシピ動画を公開するなど精力的に活動している。 症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。