冬から春にかけての移行シーズンには、何かと肌や健康にトラブルが起こりがち。
春先の今の時期、「花粉症じゃないから花粉による肌あれとは無縁」と思っている人もいるかもしれません。
実はそうとも限らないようですよ。今回は、花粉肌あれの原因と対策をご紹介します。
春先に肌あれを感じることがある人は半数以上! もしかしたら花粉が原因?
ユーグレナが2024年1月に全国の20代から60代の男女1,000名を対象に行った「冬から春への移行シーズンに起こりがちな肌あれ」に関する調査の結果、「毎年、冬から春への移行シーズンに肌あれを感じることがある」の問いに対して「はい」と答えた252人と「どちらかと言えばはい」と答えた294人を合わせて、半数以上の546人が肌あれを感じていることがわかりました。
原因はどんなことにあるのでしょうか。
皮膚科医の日比野佐和子先生によれば、冬から春にかけては乾燥によるものや寒暖差によるもの、そして花粉による肌あれが原因として考えられるのだそうです。
花粉症でない人も花粉肌あれになる可能性が!
花粉による肌あれと聞いて、「自分は花粉症じゃないから大丈夫」と思った人もいるかもしれません。それは誤解。
日比野先生によると、花粉肌あれのメカニズムから考えると、花粉アレルギーでなくとも肌あれは起こりうるのだそうです。
「花粉が肌に付着すると、表皮を構成する細胞の9割以上を占める角化細胞に影響を与えます。花粉の影響で角化細胞の最も外側にある角質層内で細胞同士の間を満たしている細胞間脂質が減少し、肌内部の水分が蒸発するのを防ぐバリア機能が低下。バリア機能が低下すると、細胞の並びが乱れ、角質層の隙間から水分が蒸発してしまうことで、肌の水分と油分のバランスが崩れ、肌あれを引き起こします」
花粉症ではない人も、花粉肌あれが疑われるなら、対策しましょう。
花粉肌あれ対策の基本
花粉肌あれの基本は、花粉を肌に触れさせないことと、触れたと思ったらすぐに洗い流すことだといいます。この花粉が飛散している時期、外出すれば花粉が肌に付着する可能性が高いため、対策は必須といえそう。
・花粉を付着させない習慣
外出時には、マスクやメガネを活用して肌を覆うとよいそうです。
「マスクは最適なサイズを選んでください。大きすぎると肌とマスクに隙間ができ、角質層や肌内部の水分が蒸発して乾燥が進みやすくなります。だからといって小さすぎるとワイヤー部分が肌を締めつけることで摩擦がおこり、肌を傷つける原因になります」
【自分の顔に合うマスクサイズの測り方】
1.親指と人差し指でL字を作り、親指の先を耳の付け根の一番高い部分に、人差し指の先を鼻の付け根(両目の内側の部分)から1cm下の部分に当てる。
2.この状態の親指と人差し指の先を結んだ直線距離を表と照らし合わせる。
3.その数値によりマスクの適切なサイズを判断できる。
肌免疫機能をアップするスキンケア
スキンケアはどんなことを意識して行えばいいのでしょうか。
ポイントは、「肌本来が持つ免疫力を向上させ、バリア機能を強化させること」にあるそうです。
具体的な対策として日比野先生は次のことを挙げています。
・スキンケアは、素肌と同じpHが4.5~6.0程度の弱酸性弱酸性のものを使用する。
「特に、いちばん初めに使うブースター(導入美容液)は、オメガ6(リノール酸やアラキドン酸)、オメガ7(パルミトレイン酸)といった人肌のpHと近いオイルを使うと、角質層がやわらかくほぐれて、その後の化粧水・乳液・クリームといったスキンケアが角質層にたっぷりと吸収されやすくなります。
サジー果実は1日の温度の差が40度以上にもなる過酷な土地で育つ実で、その実から採れる人肌に近いオイルには高い抗酸化作用もあり、この時期に取り入れたい成分です」
・肌の免疫バランスを整えてくれる成分の入ったスキンケアを選ぶ。
「肌の免疫バランスを向上させるといわれる成分として、ユーグレナなどの藻類(藻)があります。藻類は肌の免疫力を高め、肌トラブルの予防や保湿力の向上に寄与する可能性があることがわかっています」
深くやすらぐ香りのスキンケアもおすすめ
「免疫機能には自律神経も深く関与しているので、香りなどでリラックスできるスキンケアも一役買ってくれそうです。
オレンジベルガモットやゼラニウムなどの深くやすらぐ香りのもので、天然精油を使用したものがよりおすすめです」
筆者がリサーチした結果、導入美容液として使えそうな商品としてバイオナチュラル・スキンケアブランドNEcCOの「NEcCO ブースターセラム」があります。
「NEcCO ブースターセラム」5,401円(税込)
この製品はユーグレナの「免疫や老化細胞に関する研究」から着想を得ており、4種のユーグレナと発酵美肌成分が配合されています。オイル層とローション層に分かれており、オイルはサジー果実から抽出したもの。肌にすっとなじみ、ほぐしてくれます。
また100%天然精油のオレンジベルガモット&ゼラニウムシダーウッドの香りが、コンディションを整えてくれるのもぴったりといえそうです。
この時期に取り入れたい栄養素
食事も大切。肌免疫を整えるためにも、しっかりと必要な栄養素を摂取しましょう。
・ビタミンA・C・E(ビタミンエース)…緑黄色野菜、果物、アーモンドなど
・ポリフェノール…チョコレート、コーヒーなど
・オメガ3脂肪酸のDHA・EPA…サバやサンマなどの青魚など
・乳酸菌…ヨーグルト、味噌、漬物、キムチなど
・食物繊維…ヨーグルトにラズベリー、いちご、キウイ、ユーグレナパウダーなどをトッピング
まとめ
花粉肌あれが気になるなら、ぜひこれらの対策を行い、強い肌づくりを行いましょう。
【プロフィール】
皮膚科医 日比野 佐和子(ひびの さわこ)先生
医療法人社団康梓会 Y'sサイエンスクリニック広尾統括院長、大阪大学大学院医学系研究科未来医療学寄附講座特任准教授、医学博士。内科医、皮膚科医、眼科医、アンチエイジングドクター(日本抗加齢医学会専門医)。同志社大学アンチエイジングリサーチセンター講師、森ノ宮医療大学保健医療学部准教授、(財)ルイ・パストゥール医学研究センター基礎研究部アンチエイジング医科学研究室室長などを歴任。中医学、ホルモン療法、プラセンタ療法、植物療法(フィトテラピー)、アフェレーシス療法(血液浄化療法)などを専門とする。アンチエイジングの第一人者として国際的に活躍するほか、テレビや雑誌などにも数多く出演。