花粉症の症状を軽くするためには、早めの予防が肝心です。 花粉症に注意したい時期や注意したい人の特徴、対策を確認しましょう。
1. 花粉症について
花粉症のメカニズムや、注意したい時期を確認しましょう。
1-1. 花粉症を引き起こすメカニズム
花粉症とは、鼻や目に入った植物の花粉に対する免疫反応です。 アレルギーの原因である「アレルゲン」が鼻腔内の粘膜に付着すると、からだの中で抗体が作られて「マスト細胞」に結合します。
その後、再びアレルゲンが侵入しマスト細胞からアレルギー誘発物質が放出されることで、鼻水やくしゃみといったアレルギー反応が起きます。
1-2. 花粉症に注意したい時期
花粉の飛散量がピークとなる時期は、地域により異なります。 一般的にスギは2月下旬から3月下旬、ヒノキは3月中旬から4月中旬といわれていますが、その年の気温によっても前後するでしょう。
住んでいる地域の花粉飛散状況をチェックしてくださいね。
1-3. 花粉症にとくに注意したい人は?
遺伝的にアレルギー体質の方は、とくに花粉症への注意が必要です。 また、自律神経のバランスが崩れていると花粉症を発症しやすいといわれています。 春になり、食事が不規則になったり睡眠不足になったりしている方は注意しましょう。
毎年花粉症になる方は、マスクやメガネで早めの予防をすることが大切です。
2. 【薬剤師おすすめ】花粉症対策は?
おすすめの花粉症対策を2つ紹介します。
2-1. 免疫機能の強化
睡眠不足や栄養バランスの偏りによって花粉症が発症しやすくなるので、免疫機能を強化しましょう。 とくに、春は環境変化のストレスを受けやすい時期なので、睡眠の質を高めることが大切です。
寝る前にぬるめのお湯に入ったり、睡眠前はスマホやPCを見ないようにしたりして、睡眠環境を整えましょう。
2-2. 花粉を室内に持ち込まない
花粉症の症状を和らげるためには、花粉を室内に持ち込まないことが大切です。 外出時にはウール素材の服を避け、凹凸のない素材の服を着ましょう。 また、玄関に入る前に花粉を払い落とすこともおすすめですよ。
帰宅後はうがいや洗顔を行い、からだについた花粉を洗い流してください。 マスクやメガネを着用することで、花粉の顔への付着を防ぐこともできます。
3. 薬の服用で花粉症対策をしよう!
花粉症の対策ができる薬を3種類紹介します。
3-1. 抗ヒスタミン薬
花粉症の飲み薬のうち、最も有名なのは「抗ヒスタミン薬」です。 このうち、第1世代の抗ヒスタミン薬は、眠気や口渇といった副作用が出やすいものの、効き目が強いといわれています。 一方、第2世代の抗ヒスタミン薬は、第1世代の抗ヒスタミン薬と比べると効き目がゆるやかなものの、副作用は出づらいといわれています。
どちらの抗ヒスタミン薬も副作用が完全に出ないとは言いきれないため、服用の際は添付文書をよく確認し、薬剤師に相談してくださいね。
3-2. 舌下免疫療法
花粉症対策のひとつに「舌下免疫療法」があります。 アレルゲンを含む治療薬を舌の下に投与することで、花粉に対する免疫をつける治療法です。 現在は、スギ花粉症またはダニアレルギー性鼻炎と診断された患者が治療を受けることができます。
治療期間は数年かかりますが、正しく治療することでアレルギー症状を治したり、長期にわたって症状を抑えたりする効果が期待できます。 症状が抑えられない場合でも、症状の緩和やアレルギー治療薬の減薬が可能になるでしょう。
3-3. 漢方薬
漢方薬の服用による花粉症対策も可能です。 花粉症対策に用いられる漢方薬は、主に鼻水や鼻づまり、くしゃみなどの症状を抑えるものと、花粉症などのアレルギー体質を根本から改善するものとがあります。
また、眠くなる成分が入っていないため、日中も服用しやすいというメリットがあります。
<花粉症対策におすすめの漢方薬>
・葛根湯加川きゅう辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい):鼻詰まりがひどく、粘り気のある鼻水が出る方におすすめの漢方薬です。鼻粘膜の腫れをとることで、鼻水や鼻づまり、鼻の炎症を改善します。(※1)
・小青竜湯(しょうせいりゅうとう):水のような鼻水や、アレルギー性の鼻炎に悩んでいる方におすすめの漢方薬です。鼻粘膜にたまった余分な水分をとり去ることで、鼻水やくしゃみなどの症状を改善します。(※2)
このように、漢方薬の服用によって花粉症の諸症状の緩和が期待できます。 ただし、漢方薬を服用する際には、自分の症状や体質に合わせて選ばなければなりません。 ご自身で漢方薬を選ぶ自信がない方には、薬剤師がAIを用いて最適な漢方薬を提案してくれる「あんしん漢方」のサービス利用がおすすめです。
スマホだけで発注できて自宅に届くため、花粉の飛散量が多い時期にも安心して使えますよ。
4. 花粉症は早めの対策をしよう!
毎年花粉症に悩まされる方は、早めに対策することで症状を抑えることも可能です。 普段から自分の免疫力をアップさせたり、早めの薬の服用を検討したりして、自分に合う花粉症対策をしてくださいね。
参考URL
(※1)くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ葛根湯加川きゅう辛夷エキス顆粒(医療用)」
https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=7872
(※2)くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ小青竜湯エキス顆粒(医療用)」
https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=8384
<この記事を書いた人>
あんしん漢方薬剤師 山形 ゆかり 薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ入り、牛角・吉野家他薬膳レストラン等15社以上のメニュー開発にも携わる。
「健康は食から」をモットーに健康・美容情報を発信するMedical Health -メディヘルス-Youtubeチャンネルで簡単薬膳レシピ動画を公開するなど精力的に活動している。 症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。