「季節の変わり目は肌がかゆくなる」
「目の周りが赤い気がする」
このように、毎年季節性敏感肌に悩まされる方が多いですよね。
季節性敏感肌について、薬剤師が解説します。
1. 季節性敏感肌とは
季節性敏感肌とは、季節の変わり目に起きる敏感肌です。
それぞれの原因や症状について解説します。
1-1. 季節性敏感肌の症状
季節性敏感肌の症状は季節によって異なり、代表的な症状は以下の通りです。
・春の季節性敏感肌:肌の乾燥や赤み、かゆみを伴う皮膚症状。バリア機能の低下
・夏の季節性敏感肌:乾燥や毛穴の目立ち。ニキビといった肌トラブル
・秋の季節性敏感肌:肌の弾力の低下。乾燥やザラつき
・冬の季節性敏感肌:肌の乾燥やザラつき。バリア機能の低下
このように、季節性敏感肌は時期によって症状が異なるため、症状に応じた対策が必要になります。
1-2. 季節性敏感肌の原因
季節ごとに異なる、季節性敏感肌の主な原因は以下の通りです。
・春の原因:寒暖差によって皮膚のバリア機能が低下し、花粉が付着するため
・夏の原因:紫外線により肌内部が乾燥するため
・秋の原因:夏に受けた肌ダメージが表面化するため
・冬の原因:温度が低くなることによる血行不良。皮脂の分泌量が低下するため
季節や肌の状態に応じた肌のケアが必要になるでしょう。
蓄積したダメージを放置しておくと、さらに肌のコンディションが悪くなるので注意が必要です。
2. 季節性敏感肌の対策は?
季節性敏感肌に効果的な対策を3つ紹介します。
2-1. 肌のバリア機能を整える
寒暖差や紫外線によって低下したバリア機能を整えることで、乾燥やニキビなどの肌トラブルを抑制することができます。
肌のバリア機能を整えるためには、肌に刺激を与えないようにし、しっかり保湿をしましょう。
どの季節でも、乾燥に悩まされる方は多いので、普段から保湿をしておくことで肌トラブルを軽減できます。
洗顔の際は強くこするのではなく、洗顔料をしっかり泡立てて優しく洗ってください。
また、洗顔後はすぐに基礎化粧品で保湿することが重要ですよ。
2-2. 紫外線対策
紫外線は肌のバリア機能を低下させるだけではなく、シミやソバカスの原因にもなります。
日傘を使ったり、日焼け止めを塗ったりして紫外線対策を行いましょう。
屋内にいても紫外線は窓を通過して入ってくるため、家の中で過ごすときも日焼け止めを塗るのがおすすめです。
また、暑い時期は汗によって日焼け止めが落ちてしまうため、2~3時間を目安に塗り直しましょう。
2-3. 生活習慣の見直し
年間を通じて健やかな肌を維持するためには、生活習慣を見直すことも重要です。
たとえば、食事面では脂質や糖質の摂りすぎに注意して、からだを作るもととなるタンパク質や、肌の健康を保つために必要なビタミン、ミネラルを意識的に摂りましょう。
また、睡眠中に分泌される成長ホルモンは、日中に肌が受けたダメージを修復し、肌の再生を促す効果があります。
成長ホルモンの分泌量が最も増えるのは睡眠直後ですので、ベッドに入るとすぐに熟睡状態に入れるように睡眠環境を整えましょう。
寝る前にスマホやPCを見ることを避けたり、食事は就寝時間の2~3時間前にすませたりするのがおすすめですよ。
さらに、季節に応じた対策も重要です。
たとえば、春の季節性敏感肌は花粉の付着が原因となることが多いため、外から帰ったら玄関に入る前に花粉を落とし、帰宅後はうがいと手洗いだけではなく洗顔も行いましょう。
冬の季節性敏感肌は血行不良が原因となることが多いので、入浴によって血行を促すことも効果的です。
3. 漢方薬による敏感肌対策もおすすめ!
季節性敏感肌の対策には、漢方薬の服用によって体質改善を目指すこともおすすめです。
具体的には、「水分の循環をよくして肌にうるおいを与える」「血行をよくして肌に栄養をいきわたらせる」「皮膚の乾燥で生じるかゆみや炎症を改善する」といった働きをもつ生薬を含む漢方薬を選び、からだの内側から健やかな肌づくりにアプローチしましょう。
<季節性敏感肌対策におすすめの漢方薬>
・当帰飲子(とうきいんし):血流をよくして肌に栄養とうるおいを与えることで、皮膚の乾燥を防ぎかゆみを抑えます。(※1)
・桂枝茯苓丸加よく苡仁(けいしぶくりょうがんかよくいにん):肌荒れやニキビをくり返しやすい方に向いています。血の巡りをよくして、肌に栄養をいきわたらせるとともに、水分代謝を整え、ニキビやしみ、肌荒れなどを改善します。(※2)
ただし、漢方薬を服用する際には、自分の体質や肌荒れの原因に合ったものを服用しないと、効果が出ないだけではなく思わぬ副作用に悩まされることもあるでしょう。
自分に合う漢方薬がわからない場合には、薬剤師がAIを用いて最適な漢方薬を提案してくれる「あんしん漢方」のサービス利用がおすすめです。
専門的な知識がない方でも、安心して漢方薬を服用できますよ。
4. 季節に応じたスキンケアをしよう!
季節の変わり目は、肌トラブルが起きやすい時期です。
ただし、自分の肌トラブルに応じた対策をすれば、美肌を維持できるでしょう。
入念なスキンケアや漢方薬の服用など、自分に合う方法を見つけてくださいね。
参考URL
(※1)くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ当帰飲子エキス顆粒(医療用)」
https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=8938
(※2)くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ桂枝茯苓丸加よく苡仁エキス顆粒(医療用)」
https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=9254
<この記事を書いた人>
あんしん漢方薬剤師
山形 ゆかり
薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ入り、牛角・吉野家他薬膳レストラン等15社以上のメニュー開発にも携わる。
「健康は食から」をモットーに健康・美容情報を発信するMedical Health -メディヘルス-Youtubeチャンネルで簡単薬膳レシピ動画を公開するなど精力的に活動している。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。
●あんしん漢方(オンラインAI漢方)