頭皮にフケがあると「周りの人から不潔だって思われる?」と不安になりますよね。ですが、フケの原因は不潔とは限りません。原因や予防、フケを出さない対策をチェックしましょう。
1. 頭皮にフケが出る原因は?
頭皮にフケが出る原因や、フケの種類を解説します。
1-1. フケとは?
フケは、古くなった頭皮の角質が剥がれ落ちたものです。
通常、皮膚のターンオーバーによって剥がれたフケは小さく、洗髪で取り除かれるため目立ちません。
ただし、フケが増えると頭皮が刺激され、かゆみの原因になることもあります。
1-2. フケが急に増える原因は?
頭皮のターンオーバーが乱れると角質が大量に剥がれ落ち、フケが目立つようになります。
頭皮は、からだのなかでも皮脂の分泌が盛んな部位です。
頭皮には「マラセチア菌」という常在菌がいて、雑菌や細菌の侵入を防ぎ、頭皮の健康を守っています。
このマラセチア菌が大量の汗や過剰な洗浄といった理由で増えると、頭皮のターンオーバーが乱れ、フケが大量発生する原因となるのです。
1-3. フケの種類は?
フケは「脂性フケ」と「乾性フケ」の2種類に分けられます。
脂性フケは、皮脂がほこりや汚れを吸着したベタベタするフケです。なんらかの原因で皮脂が過剰になると、マラセチア菌も増殖します。
これによりターンオーバーが乱れ、大量の脂性フケが発生する原因となります。湿度の高い時期や、皮脂の分泌量が多い成長期に発生しやすいフケです。
乾性フケは、カサカサしたフケです。過度の洗髪や乾燥によって頭皮の免疫力が落ちると、未熟な角質層まで剥がれてフケになります。
空気が乾燥する季節や、乾燥肌の方に多いパラパラと落ちる細かいフケです。
2. フケを予防する方法は?
フケを予防するおすすめの方法は、以下の2つです。
2-1. 正しい洗髪
正しい洗髪習慣によって、フケの発生が予防できるでしょう。
洗髪・頭皮ケアは以下の手順で行ってください。
(1) 手ぐしもしくはブラシで髪のもつれをほぐす。
(2) ぬるま湯で頭皮をマッサージしながら汚れを落とす。
(3) 適量のシャンプーをよく泡立てながら髪を洗い、しっかり洗い流す。
(4) リンスやコンディショナーで髪の表面を保護し、洗い流す。
(5) 洗髪後はドライヤーでよく乾かす。ドライヤーは15cm程度離す。
このような手順で、しっかり汚れを落としましょう。
自然乾燥をすると細菌が増殖しやすくなるため、ドライヤーを使うことが大切です。
2-2. 生活習慣の見直し
脂性フケも乾燥フケも、寝不足や偏った食生活が原因でなることがあります。
皮膚の新陳代謝を整えるために、十分な睡眠をとりましょう。頭皮の細胞を修復する成長ホルモンは、午後10時~午前2時に活発に分泌されるため、この時間にぐっすり眠ることが大切です。
また、健康な頭皮環境を保つためには、栄養バランスのとれた食事が大切です。とくに、脂性肌の方は皮脂の分泌量を増やす脂質、糖質、ナッツ類は控えましょう。
3. 予防してもフケが出る場合の対策は?
予防してもフケが出る場合、以下の3つの対策を試してみましょう。
3-1. セルフケア
正しい洗髪方法でもフケが出る方は、薬用シャンプーの利用がおすすめです。
フケの原因となるマラセチア菌の増殖を抑える「ミコナゾール硝酸塩」が含まれるシャンプーを使ってみましょう。
また、洗浄力が強いシャンプーを使うと、頭皮の皮脂が過剰に洗い流され、ターンオーバーが乱れる原因になります。
低刺激性のシャンプーを使い、頭皮環境を整えましょう。
3-2. 医療機関の受診
薬用シャンプーを使用したり、生活習慣を改善したりしてもフケがなくならない場合、脂漏性皮膚炎やアトピー性皮膚炎などの疾患が原因の可能性もあります。
セルフケアでフケがなくならない場合、あるいは頭皮に炎症が起きている場合は皮膚科を受診しましょう。
3-3. 漢方薬の服用
頭皮のトラブルは、漢方薬の服用によって改善する場合もあります。
漢方薬で根本からの体質改善を目指すことで、現在の悩みであるフケだけではなく、薄毛や抜け毛といった頭皮のトラブルにもアプローチできるでしょう。
頭皮のフケ対策には「頭皮の過剰な皮脂分泌を調節する」「血流をよくして頭皮に栄養を届ける」「頭皮のかゆみや炎症を抑える」といった漢方薬がおすすめです。
<頭皮のフケ対策におすすめの漢方薬>
・温清飲 (うんせいいん):皮膚がカサカサして、乾性の傾向が見られる方におすすめです。肌に栄養を与えて炎症を鎮めます。(※1)
・清上防風湯(せいじょうぼうふうとう):のぼせがあり、顔が赤っぽい方におすすめです。からだにたまった熱を冷まし、かゆみや炎症を抑えます。(※2)
ただし、漢方薬を服用する際には、フケの原因や自分の体質に合わせて選ばないと、効果が出ずに副作用に悩んでしまう可能性もあります。
自分で漢方薬を選ぶ自信がないという方は、「あんしん漢方」のサービス利用がおすすめ。薬剤師が最新のAIを用いて最適な漢方薬を提案してくれるので、安心して服用できますよ。
4. フケには正しいケアを行おう!
周りから不潔だと誤解されかねないフケは、気になる方が多いですよね。頭皮のフケに悩む方は、洗髪方法や栄養バランスなどを見直してみましょう。
参考URL
(※1)くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ温清飲エキス顆粒(医療用)」
https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=9176
(※2)くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ清上防風湯エキス顆粒(医療用)」
https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=9182
<この記事を書いた人>
あんしん漢方薬剤師
山形 ゆかり
薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ入り、牛角・吉野家他薬膳レストラン等15社以上のメニュー開発にも携わる。
「健康は食から」をモットーに健康・美容情報を発信するMedical Health -メディヘルス-Youtubeチャンネルで簡単薬膳レシピ動画を公開するなど精力的に活動している。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。
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