旅行にいくなら、荷物をコンパクトにしたいところ。
とはいえ、急な体調不良にも備えたいですよね。
そこで、「あんしん漢方」薬剤師の山形ゆかりさんに、旅先に持っていきたい便利な薬を教えていただきました。
1. 旅行先に持っていく薬の選び方
旅行先に薬を持っていくときは、以下の観点で選びましょう。
1-1. 乗り物酔いに対応できる
旅行先では、乗り物に乗ることも多いので、乗り物酔いに対応できる薬を持っていきましょう。
自家用車だけではなく、レンタカーや飛行機、フェリーのように普段乗らない乗り物に乗ると、乗り物酔いのリスクが高まります。
また、普段から乗り物酔いがひどい方は、乗るときに対策をしましょう。
満腹や空腹の状態だと酔いやすくなるので、キャンディやチョコを食べるのがおすすめです。
ミント味のガムで口の中をさっぱりさせるのも効果的ですよ。
乗り物に乗る際は、可能な限り揺れが少ない場所を選びましょう。
進行方向を見るようにしたり、遠くの景色を眺めたりするのも、乗り物酔いには効果的だといわれています。
1-2. 眠くなる成分を含まない
旅行先に持っていく薬は、眠くなる成分を含まないものを選びましょう。
とくに、運転をする方が眠くなる成分が入っている薬を飲むと運転ができません。
薬を購入する際には薬剤師に相談してくださいね。
とくに注意が必要なのが、抗アレルギー薬です。
抗アレルギー薬のなかでも「抗ヒスタミン薬」と呼ばれるものは、副作用で眠くなりやすいといわれています。
アレルギー体質で薬を持ち歩く方は、注意してくださいね。
2. 旅行先で薬を飲む場合の注意点は?
旅行先で実際に薬を飲むとき、覚えておきたい注意点は以下の2つです。
2-1. 用法・用量を守る
薬を服用する際は、必ず用法・用量を守るようにしましょう。
「効かないから少し多めに飲もう」とたくさん飲んでしまうと、薬の作用が強くなりすぎたり、副作用が出たりして、からだに悪影響を及ぼす可能性があります。
決められた服用タイミングや量を守って服用しましょう。
それでも症状が改善せず続く場合は、医療機関を受診してください。
また、同じ薬でも大人と子どもで用量が異なる場合が多いので、とくに注意が必要です。
薬の添付文書を読んだり、購入時に薬剤師や登録販売者に相談したりして、しっかり確認してくださいね。
2-2. 家族の分が混ざらないようにする
家族全員が薬を服用する際は、必ず自分の分を飲むように注意しましょう。
前述の通り、大人と子どもでは服用すべき用量が異なります。
とくに、子どもが大人用の薬を飲まないように注意してくださいね。
また、同じ症状を持つ大人同士でも体質やアレルギーの有無によって必要な薬は異なります。
必ず、自分用の薬を飲むようにしましょう。
3. 旅行先に持っていくと便利な薬は?
最後に、旅行先に持っていくと便利な薬を紹介します。
3-1. おすすめの西洋薬
西洋薬は、一般的にひとつの症状に強い効果を発揮するため、症状に対してすぐに対処したい場合におすすめです。
たとえば、急な頭痛には「アセトアミノフェン」が含まれるセデスやバファリンを服用すると、症状が治まる場合が多いでしょう。
他にも、乗り物酔いがひどい方は、乗り物に乗る前に「スコポラミン臭化水素酸塩水和物」や「クロルフェニラミンマレイン酸塩」が含まれるアネロンやセンパアの服用がおすすめです。
ただし、いずれも腹痛や眠気といった副作用が出る恐れがあるので注意してくださいね。
3-2. おすすめの漢方薬
漢方薬は、2つ以上の生薬が配合されていることが多く、ひとつの薬でさまざまな症状に対応したい場合にとくにおすすめです。
また、西洋薬に比べて副作用が少ないといわれています。
<旅行におすすめの漢方薬>
・小青竜湯(しょうせいりゅうとう):水のような鼻水や、アレルギー性の鼻炎に悩んでいる方におすすめの漢方薬です。鼻水やくしゃみなどの症状を改善します。眠くなる成分は含まれていません。(※1)
・黄連解毒湯(おうれんげどくとう):イライラや神経症などに効きますが、アルコールなどの刺激物による胃の不調、頭痛の緩和などにも役立ちます。(※2)
このような漢方薬を持参すれば、旅先での不調にも対応できるでしょう。
また、自分の不調に合わせて普段から漢方薬を服用することで、旅行によって環境が変わっても体調不良を起こしづらいからだ作りも期待できます。
一方、漢方薬は副作用が少ないといわれているものの、副作用がないわけではありません。
自身の症状や体質に合わないものを服用すると、思わぬ副作用に悩まされることがあります。
そこでおすすめなのが、「あんしん漢方」のサービス。
薬剤師が専門のAIを用いて最適な漢方薬を提案してくれるので、誰でも自身の体質に合わせた漢方薬を服用できますよ。
4. しっかり準備をして楽しい旅行を!
旅行中に体調を崩すと、せっかくの計画が楽しめなくなってしまいますよね。
そうならないよう、突然の体調不良に備えて事前に薬を用意しましょう。
そうすれば、万が一具合が悪くなっても楽しい旅行ができますよ。
参考URL
(※1)くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ小青竜湯エキス顆粒(医療用)」
https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=8384
(※2)くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ黄連解毒湯エキス顆粒(医療用)」
https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=7938
<この記事を書いた人>
あんしん漢方薬剤師
山形 ゆかり
薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。病院薬剤師を経て食養生の大切さに気付く。
牛角・吉野家他薬膳レストラン等15社以上のメニューも開発。健康・美容情報を発信するMedical Health -メディヘル-youtubeチャンネルで簡単薬膳レシピ動画を公開中。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」で薬剤師を務める。