夏バテを予防するためには、日々の食べ物に気をつけることが大切です。
夏バテを予防する食べ物や、食欲がないときでもおすすめの食事方法を紹介します。
今年の夏こそ夏バテせずに乗り切るために参考にしてください。
1. 夏バテの原因
夏バテの主な原因は、以下の3つです。
1-1. 夏バテの原因1:自律神経の乱れ
夏になると、屋外の気温は高いのに室内はエアコンによって気温が低く、寒暖差が激しくなります。
このような寒暖差によって自律神経のバランスが崩れることが、夏バテの原因のひとつだといわれています。
1-2. 夏バテの原因2:睡眠不足
熱帯夜で寝苦しく、睡眠不足になってしまうのも夏バテを引き起こす原因のひとつです。
また、日中に暑くて運動不足になると寝つきが悪くなり、睡眠の質が落ちて睡眠不足になる方もいます。
1-3. 夏バテの原因3:食欲不振・消化不良
自律神経が乱れると胃腸の働きが弱まり、食欲不振を引き起こすことがあります。
アイスクリームやジュースなどの冷たいものを多く摂ることで、消化不良を引き起こすケースもあるでしょう。
このような原因で食欲不振や消化不良を起こすと、からだに必要なタンパク質やビタミンが不足し、夏バテの原因となります。
発汗によってナトリウムやカリウムといったミネラルが体外に排出されることも、からだのだるさや疲労感に拍車をかけ、夏バテを加速させる要因となります。
2. 夏バテを予防するおすすめの栄養素
夏バテせずに夏を乗り切りたい方は、以下の栄養素を摂るのがおすすめです。
栄養素を豊富に含む食材と一緒に確認しましょう。
2-1. タンパク質
タンパク質は、筋肉や臓器といった人間のからだを構成するために重要な栄養素です。
タンパク質が不足すると体内の環境が維持できなくなり、免疫機能や体力の低下を招くでしょう。
牛肉をはじめとする肉類や卵、大豆製品はタンパク質を豊富に含む食材です。
普段の食事から意識的に摂り、夏バテによるだるさを予防しましょう。
2-2. ビタミンC
疲労の原因のひとつとして知られるのが活性酸素。
ビタミンCは、活性酸素を抑える抗酸化作用を持つ栄養素です。
さらに、ストレスを和らげたり、ミネラルのひとつである鉄の吸収を助けたりする働きもあります。
キウイやパプリカ、レモンに多く含まれているので、献立に組み入れてくださいね。
2-3. ビタミンB
ビタミンB1は体内の糖質をエネルギーに変換し、ビタミンB2は体内の脂質をエネルギーに変換する栄養素です。
どちらも疲労回復の効果があり、夏バテの予防には欠かせない栄養素です。
ビタミンB1は豚肉やうなぎ、ビタミンB2はレバーやうなぎ、納豆に多く含まれていますよ。
2-4. カリウム
カリウムは発汗によって失われやすい栄養素です。
カリウムが失われると血圧の調節がうまくできなくなったり、脱水状態になって血液量が減ったりするでしょう。
血液量が減ると必要な栄養素が体内に行きわたらなくなり、だるさの原因となってしまいます。
カリウムは、おくらやきゅうり、トマトといった夏野菜に多く含まれる栄養素です。
からだの余分な熱を冷ます効果ももつ夏野菜を、日々の食事にとり入れましょう。
2-5. クエン酸
クエン酸はエネルギーを産出する際に重要な役割を果たす栄養素です。
疲労回復効果もあり、糖質と一緒に摂取することで疲労がたまりにくくなる効果も期待できます。
ビタミンCも豊富なレモンや、梅干し、夏みかんに多く含まれます。
疲れがたまっていると感じたら、積極的に摂りましょう。
3. 食欲がないときにおすすめの食事法
夏バテ気味で、既に食欲がない方もいるでしょう。
その場合でも、食事を抜いてしまうと、さらに夏バテが悪化する恐れがあります。
食欲がないときに覚えておきたい、おすすめの食事法を紹介します。
3-1. 香辛料を使う
香辛料や香味野菜を使うことで、食欲が増進するといわれています。
さらに、消化や吸収の促進、疲労回復、血行の改善といった健康効果も期待できます。
食欲がないときは、香辛料や香味野菜が多く含まれる食事を摂りましょう。
食前にハーブティーを飲んだり、カレーを食べたり、ショウガやネギが含まれる食事を摂ったりするのがおすすめです。
また、酸味には味覚や嗅覚から脳の摂食中枢を刺激し、食欲を増進させる効果があるといわれています。
料理にレモンやかぼすを絞るだけでも効果的ですよ。
3-2. 冷たい食べ物を避ける
暑い夏に食欲がないと、そうめんやアイスクリームといった冷たいものを食べてしまいがち。
しかし、冷たい食べ物はからだの内部環境を維持する自律神経のバランスを乱す恐れがあります。
その結果、消化機能が低下したり、だるさを感じたりして、夏バテを悪化させる可能性があるでしょう。
夏バテを予防するためには、常温もしくは温かい食べ物がおすすめです。
食欲がない場合でも、夏野菜を使ったスープなら食べやすいでしょう。
3-3. 出汁を使う
出汁はミネラルが豊富なので、発汗によって失われたナトリウムやカリウムを補給する効果が期待できます。
また、出汁に含まれるグルタミン酸は適度な食欲を刺激し、食欲不振を改善するでしょう。
とくに、カツオ出汁は疲労を回復する効果があるのでおすすめですよ。
4. 食事以外の夏バテ対策
食事以外でも夏バテ対策は可能です。
普段からできる夏バテ対策を紹介します。
4-1. 生活リズムを一定に保つ
夏バテを防ぐためには生活リズムを一定に保ち、自律神経のバランスを崩さないようにしましょう。
朝の光を浴びることで体内時計がリセットされて、夜に眠れるようになるため睡眠不足の解消が期待できます。
早朝の涼しい時間帯にウォーキングやジョギングといった運動をして、体内時計をリセットしましょう。
また、朝の光を浴びると、体内で幸せホルモンと呼ばれるセロトニンが生成されます。
セロトニンは夜になると睡眠を促すメラトニンというホルモンに変換されるため、朝の光を浴びることでぐっすり眠れるようになるでしょう。
4-2. 湯船に浸かる
入浴をシャワーだけですませると、体温が上がりきらず眠りが浅くなるといわれています。
就寝の1~2時間ほど前に38度前後のぬるめのお湯に浸かり、深部体温を上げましょう。
そうすることで寝る時間には深部体温が下がり、眠りにつきやすくなります。
また、湯船に浸かることで副交感神経が優位になるため、リラックス効果も期待できます。
免疫機能の強化が期待できるため、夏風邪にかかりにくくなりますよ。
4-3. 漢方薬の服用もおすすめ
食生活の改善や自律神経のバランスを整えることで、夏バテを予防することが可能です。
ただし、夏はビアガーデンに行って飲みすぎてしまったり、朝も暑くてウォーキングをするのが億劫だったりと、なかなか日々の夏バテ対策が難しいこともありますよね。
そういったときは、飲むだけでからだの調子を整えて夏バテ対策ができる漢方薬がおすすめです。
夏バテ対策には「睡眠の質を上げ、心身の疲労を軽減する」「体内の水分バランスを整える」「胃腸の機能を回復する」「自律神経のバランスを整える」といった漢方薬を服用しましょう。
<夏バテ対策におすすめの漢方薬>
・清暑益気湯(せいしょえっきとう):食欲不振や暑さによる倦怠感がある方におすすめ。からだにこもった熱を冷まして潤いを与えるとともに、胃腸を元気にすることで、夏バテや熱中症の諸症状を改善します。(※1)
・補中益気湯(ほちゅうえっきとう):疲れやすく胃腸が弱い方におすすめ。胃腸の働きを高めることで気力を補い、倦怠感や疲労に働きかけます。(※2)
・柴胡加竜骨牡蛎湯 (さいこかりゅうこつぼれいとう):ストレスを感じることが多く、イライラしがちな方におすすめ。からだにこもった熱をさまして精神を安定させることでイライラや不眠に働きかけます。(※3)
食事や生活リズムの改善がすぐには難しい方は、このような漢方薬の服用による夏バテ対策もおすすめです。
ただし、漢方薬を服用する際には、自身の体質や夏バテの原因に合うものを服用しないと、思わぬ副作用に悩まされる可能性もあります。
そこで、おすすめなのが「あんしん漢方」のサービスです。
薬剤師が最新のAIを用いて最適な漢方薬を提案してくれるので、知識がない方でも安心して服用できますよ。
スマホで注文して自宅で受け取れるため、夏バテでだるくて外出したくないという方にもおすすめです。
5. 夏バテは食生活の改善で対策しよう!
夏バテを防ぐためには、普段の食事や生活習慣の改善が大切です。
本格的に暑くなる前から夏バテ対策を始めて、今年の夏を乗り切りましょう!
参考URL
(※1)くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ清暑益気湯エキス顆粒(医療用)」
https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=9152
(※2)くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ補中益気湯エキス顆粒(医療用)」
https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=8542
(※3)くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ柴胡加竜骨牡蛎湯エキス顆粒(医療用)」
https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=7943
<この記事の監修者>
あんしん漢方薬剤師
山形 ゆかり
薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。病院薬剤師を経て食養生の大切さに気付く。
牛角・吉野家他薬膳レストラン等15社以上のメニューも開発。健康・美容情報を発信するMedical Health -メディヘル-youtubeチャンネルで簡単薬膳レシピ動画を公開中。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」で薬剤師を務める。
●あんしん漢方(オンラインAI漢方)