「最近、口臭が気になる」
「至近距離で人と話すと緊張する!」
このような口臭の原因は、「ドライマウス」かもしれません。
ドライマウスの原因や、自分でできる対策を紹介します。
1. ドライマウスとは
ドライマウスとは、口の中が乾燥している状態です。
唾液の分泌量が減っているため、ネバネバや口臭を感じることもあります。
ドライマウスの原因や症状を確認しましょう。
1-1. ドライマウスの原因
ドライマウス(口腔乾燥症)の主な原因は以下の通りです。
・服用している薬の副作用
・ストレスや緊張で交感神経が刺激されることによる唾液の分泌量の低下
・自己免疫疾患
・病気や年齢による唾液量の減少
・口呼吸で唾液が蒸発することによる口腔内の乾燥
ドライマウスは女性に多く、男女比は1対15だといわれています。
更年期に多い症状ですが、最近では20~30代の若年層にも増えているようです。
1-2. ドライマウスの症状
ドライマウスによって口の中が乾燥すると、以下のような症状があらわれます。
・口の中がネバネバする
・パンやクッキーなどの乾いたものが食べづらい
・唾液の減少によるプラーク(歯垢)がつきやすく、虫歯になりやすい
・舌のひび割れや痛み
・口内炎や口角炎ができやすい
・口臭の悪化
・摂食障害
・味覚障害
・発音障害
口の中が乾燥していると感じる状態が3か月以上続くと、ドライマウスの可能性が高いと考えられます。
気になる方は、歯科を受診して唾液の分泌量を検査しましょう。
2. 自分でできるドライマウスの対策
仕事や家事が忙しく、なかなか歯科の受診が難しい場合もありますよね。
その場合は、自分でできる対策をすることでドライマウスの症状が治まることがあります。
主な対策を4つ紹介します。
2-1. 食事内容の改善
ドライマウスの症状が気になる場合、食事内容を改善してみましょう。
唾液の分泌を促す食材を食べることで、分泌量が増えることがあります。
レモンや梅干しといったすっぱいものの他、するめや生野菜、ナッツといった噛み応えのある食べ物がおすすめです。
その他にも、昆布に含まれるアルギン酸や納豆に含まれるポリグルタミン酸も、唾液の分泌を促進する効果があります。
2-2. 口呼吸をやめ、鼻呼吸を意識
ドライマウスの改善には、口呼吸をやめることも大切です。
口呼吸をすると常に口の中を空気が通るため、水分が蒸発して乾燥します。
鼻呼吸をすれば口の中の乾燥を防げるので、意識してみましょう。
2-3. 生活習慣の見直し
生活習慣の見直しをすることで、ドライマウスが改善することもあります。
アルコールを飲むと全身が脱水状態になるので、自然と口の中も乾きドライマウスになります。
喫煙は交感神経に影響を与え、唾液の分泌量を低下させるでしょう。
このような飲酒や喫煙習慣によってドライマウスになる場合があります。
ドライマウスの症状が気になる方は、どちらも量を減らしてみましょう。
2-4. 唾液腺のマッサージ
自分で唾液腺のマッサージを行うことで、唾液の分泌量が増えてドライマウスが改善することがあります。
以下の手順で行いましょう。
(1) すっぱい食べ物を想像したときに唾液が出る部分(耳下腺)のあたりの頬に人差し指を当て、指全体で優しく押す
(2) 下あごから舌の付け根を押し上げるように、両手の親指で押す
上記のマッサージを5~10回繰り返しましょう。
唾液腺が刺激され、唾液の分泌量が増えますよ。
3. ドライマウスには漢方薬もおすすめ
自分でできる対策をしてもドライマウスが気になるという方は、漢方薬を試してみませんか?
漢方薬は体質の根本的な改善を目指すため、ドライマウスになりにくいからだづくりにアプローチできるでしょう。
実際に、歯科で漢方薬が処方されることもあります。
ドライマウス対策には「唾液分泌を促進する」「水分の循環をよくして口の中に潤いを与える」「胃腸機能の働きを高める」などの漢方薬の服用がおすすめです。
<ドライマウス対策におすすめの漢方薬>
・五苓散(ごれいさん):体内の水分代謝を整えて、のどに潤いを与えることで、ドライマウスを改善します。(※1)
・白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう):胃にこもった熱をとることで喉の渇きを和らげ、潤いを与えて口の渇きに働きかけます。(※2)
・麦門冬湯(ばくもんどうとう):喉や気管の呼吸粘膜を潤し、唾液の分泌を促します。(※3)
このような漢方薬の服用によって、ドライマウスへのセルフケアができるでしょう。
ただし、漢方薬を服用する際には、自分の体質に合うものを服用しないと思わぬ副作用が出ることがあります。
そこで、おすすめなのが「あんしん漢方」のサービス。
薬剤師が最適な漢方薬を提案してくれるので、知識がない方でも安心して服用できますよ。
4. ドライマウスは早めに対策しよう!
ドライマウスを放置すると、口臭だけではなく味覚障害や虫歯といった病気の原因になることがあります。
毎日の食事をこれからも楽しむためにも、ドライマウスには早めの対策をしてくださいね。
参考URL
(※1)くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ五苓散エキス顆粒(医療用)」
https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=7941
(※2)くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ白虎加人参湯エキス顆粒(医療用)」
https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=8390
(※3)くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ麦門冬湯エキス顆粒(医療用)」
https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=8238
<この記事の監修者>
あんしん漢方薬剤師
山形 ゆかり
薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。病院薬剤師を経て食養生の大切さに気付く。
牛角・吉野家他薬膳レストラン等15社以上のメニューも開発。健康・美容情報を発信するMedical Health -メディヘル-youtubeチャンネルで簡単薬膳レシピ動画を公開中。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」で薬剤師を務める。
●あんしん漢方(オンラインAI漢方)