女性がダイエットをする場合、食事制限や適度な運動をするだけではなく、生理周期にも着目する方が効率的です。
毎日忙しいなかでも効率的に痩せたい女性のために、生理周期から痩せやすい時期を紹介します。
自分のホルモンバランスを考えながらダイエットに挑戦しましょう。
1. 生理中のダイエットが痩せない理由
生理中にダイエットをしても、努力の割に体重はあまり減りません。
生理中のダイエットでは、痩せられない2つの理由を紹介します。
1-1.プロゲステロンの影響
排卵日から生理中にかけて、女性のからだでは「プロゲステロン(黄体ホルモン)」と呼ばれるホルモンが分泌されています。
プロゲステロンは妊娠に向けたからだをつくるホルモンで、水分や栄養をためこむ性質があるため、プロゲステロンの分泌量が増えると、からだがむくみやすくなります。
そのため、生理中は運動をしてもむくみが解消されづらく、ダイエットの効果はあまり実感できません。
1-2.運動しづらい
生理中は激しい運動がしづらいため、ダイエットを行うのがむずかしい時期です。
出血によって貧血気味になるため、激しい運動によるけがのリスクがあるでしょう。
貧血がない場合でも、ナプキンを付けていて蒸れるため、汗をかきたくないと感じる方が多いのではないでしょうか。
前述のプロゲステロンの影響によって自律神経が乱れてイライラしやすいため、そもそも運動するモチベーションを保てない場合もあります。
このように、生理中は運動の継続が難しいケースが多いといわれています。
2. 生理中でも無理なくできるダイエット
生理中のダイエットは効果が実感しづらくても、せめて体形を維持したり、少しでも痩せたりしたいと考える方もいるでしょう。
そういった方のために、生理中でも無理なくできるダイエット方法を紹介します。
2-1.食事内容の見直し
生理中に厳しい食事制限をすると、ホルモンバランスが乱れて体調が悪くなる恐れがあります。
生理中は食事制限をせず食事内容を見直して、栄養バランスがとれているか確認する期間にしましょう。
とくに、ビタミンB1やビタミンB2を摂ることで、PMS症状の緩和や疲労回復、血行促進といった効果が期待できます。
鉄や亜鉛を摂ることで貧血を防ぎ、生理が終わった後に運動するための準備ができます。
このように、生理中は食事制限をするのではなく、生理が終わったときに効率よくダイエットをするための準備期間だと考えましょう。
2-2.軽いストレッチやマッサージ
生理中のダイエットには、軽いストレッチやマッサージもおすすめです。
からだを動かすことでからだ全体の血行が促進され、生理痛の緩和も期待できるでしょう。
マッサージによってリンパを流すことでむくみが解消し、見た目をスッキリさせることもできます。
貧血症状や重い生理痛がない場合、軽い筋トレをして基礎代謝の維持に努めることもおすすめです。
ただし、くれぐれも無理はせず、けがに注意して行ってください。
3. 生理周期とダイエットの関係性
生理中にダイエットを行っても、プロゲステロンの関係でなかなか痩せません。
では、女性はどのタイミングなら痩せやすいのでしょうか。
生理周期とダイエット成功率の高さを説明します。
自分の生理周期の確認方法も紹介するので、生理周期を把握できていない方は参考にしてください。
3-1.生理中
前述の通り、生理中はホルモンでむくんだり、運動がしづらかったりするので痩せにくい時期です。
無理な食事制限や運動をせず、生理が終わったあとで運動しやすいからだづくりをする期間だと割り切りましょう。
3-2.生理後~排卵日
生理が終わってから排卵日までは、「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と呼ばれるホルモンの分泌量が増える時期。
エストロゲンは脂肪の燃焼を促してくれるため、集中力がアップしやすい時期です。
食欲もコントロールしやすいため、ダイエットに適しているといえるでしょう。
エストロゲンの分泌量が多い時期に筋肉を刺激すると、効率的に引き締められるといわれています。
普段とは違う筋トレや、少し負荷の高いトレーニングにも挑戦してみてください。
3-3.排卵日~生理前
排卵日を迎えると、徐々にエストロゲンの分泌量が少なくなり、プロゲステロンの分泌量が増えてきます。
そのため、気持ちが不安定になったりむくみやすくなったりして、体重が落ちづらくなるでしょう。
生理前で食欲も増し、体重が増えやすい時期ともいわれています。
この時期に無理なダイエットを行うのは禁物です。
体重維持を目標にして、食欲をコントロールしましょう。
むくみやすい時期なので、塩分が多いものは控えるのがおすすめですよ。
3-4.生理周期の確認方法
一般的に生理周期は28日といわれることが多いですが、正常な生理周期は25~38日で、生理の期間も3~7日と、かなり個人差があります。
簡単に生理周期を知る方法は、毎月のカレンダーに生理が始まった日を記入すること。
生理が始まった日から次の生理が始まる日までの日数を数えることで、自分の生理周期が把握できるでしょう。
また、基礎体温を記録して生理周期を把握する方法もあります。
基礎体温は、朝に目が覚めて活動する前に測る体温のことです。
これを毎日測ると、排卵日の翌日から体温が上がっていることがわかるでしょう。
その日から10~14日以内に次の生理が来るので、基礎体温を測っていればナプキンの付け忘れも防止することができます。
基礎体温は生理周期の把握だけではなく、妊娠や病気に気付くきっかけにもなります。
体温が上がってから10~14日以内に生理が来ない場合、妊娠の可能性が高いでしょう。
また、生理が終わってから10~14日ほど経過しても体温が上がらない場合は、排卵されていない可能性があります。
その場合は婦人科を受診しましょう。
4. 女性が効率的に痩せる方法
女性のダイエットのしやすさは、生理周期と密接な関わりを持っています。
最後に、女性が効率的に痩せる方法をまとめて紹介します。
4-1.ダイエット時期
ダイエット時期は、生理が終わってから排卵日までの約14日間がおすすめ。
この期間はエストロゲンの働きによって筋肉も付きやすくなっています。
腹筋やスクワットをして大きな筋肉を高め、基礎代謝を高めましょう。
そうすることで、安静にしている場合の消費カロリーが増え、痩せやすいからだになります。
からだを動かしやすい時期なので、ジョギングやウォーキングといった有酸素運動もおすすめです。
有酸素運動を長時間行うと多くの脂肪が燃焼するので、体重を一気に落とせるでしょう。
4-2.生理周期ごとのダイエット内容
生理周期ごとにダイエットの内容を変えましょう。
生理前はむくみやすい時期なので、塩分を控えることが大切です。
食欲が増すこともあるので、カロリー計算をして食べ過ぎに注意しましょう。
運動をすることでPMSを緩和する効果が期待できるため、無理のない範囲で運動を継続するのがおすすめです。
生理中は、貧血になりやすい時期なので注意。
ほうれん草やレバーなど、鉄を多く含む食材を摂り、生理後に動きやすいからだづくりにつとめましょう。
無理に運動をするとけがをするリスクがあるので、軽いストレッチやマッサージによるむくみの解消がおすすめです。
生理後は、ダイエットをしやすい時期。
筋トレや有酸素運動を積極的に行い、一気に脂肪を燃焼させましょう。
ただし、厳しい食事制限をするとホルモンバランスが崩れて排卵日が狂ったり、次の生理のPMSが重くなったりする可能性があります。
過度な食事制限は禁物ですよ。
4-3.おすすめの食事内容
食事内容も生理周期に合わせることでダイエット効果が高まります。
生理前や生理中は、貧血やむくみを予防する食事内容にしましょう。
鉄を多めに摂り、塩分を控えることが大切です。
生理前~生理中に便秘になるという方は、食物繊維も摂ってください。
生理後は、筋肉が付きやすいようにタンパク質を中心とした食事にすることが大切。
肉や魚をしっかり食べて、からだを動かすエネルギーを蓄えましょう。
5. ダイエットには漢方薬の服用もおすすめ
女性のダイエットは、生理周期に着目することで効率的に行えます。
ただし、生理後の痩せやすい時期に仕事やプライベートが忙しいと、なかなかダイエットのための時間を捻出できないこともあるでしょう。
そのような場合は、服用するだけの漢方薬を継続して、痩せやすいからだづくりをするのもおすすめです。
ダイエットのためには「脂肪の代謝を促進する」「水分代謝を促す」漢方薬を服用しましょう。
<ダイエットにおすすめの漢方薬>
・防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん):おなか周りに脂肪がつきやすい方に向いています。脂肪の代謝を高めることでためこんだ余計な脂肪を燃焼し、肥満症を改善します。(※1)
・防已黄耆湯(ぼういおうぎとう):汗を多くかき、疲れやすく、水太りタイプの方に向いています。からだの余分な水分を排出することで、水太りを改善します。(※2)
このような漢方薬を継続的に飲むことで、生理周期に着目しているだけのときよりも、効率的に痩せられるでしょう。
ただし、漢方薬を飲む際は自分の体質に合うものを飲まないと、思わぬ副作用に悩まされることもあります。
そこでおすすめなのが、「あんしん漢方」のサービスです。
「あんしん漢方」では薬剤師が最新のAIを用いて最適な漢方薬を提案するため、誰でも安心して服用できますよ。
6. 効率的なダイエットを意識しましょう!
せっかく頑張ってダイエットをしても、あまり効果が出ないとモチベーションも下がってしまいますよね。
女性は自分の生理周期に着目しながらのダイエットがおすすめです。
生理周期を確認しながら効率的にダイエットをして、理想のからだを手に入れましょう!
参考URL
(※1)くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ防風通聖散エキス顆粒(医療用)」
https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=8883
(※2)くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ防已黄耆湯エキス顆粒(医療用)」
https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=7951
<この記事の監修者>
あんしん漢方薬剤師
山形 ゆかり
薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。病院薬剤師を経て食養生の大切さに気付く。
牛角・吉野家他薬膳レストランなど15社以上のメニューも開発。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」で薬剤師を務める。