人生100年時代、できるだけ長生きしたいものですが、健康でキレイを保ったまま長生きし続けたいですよね。そう考えれば、若いうちからエイジングケアに気を遣っておくことは決して損ではありません。今回は医師が勧めるエイジングケアのためのフードをご紹介します。
■みんなが健康寿命を延ばすためにやっていること
大正製薬が、2024年6月に全国の35歳以上の男女1,000名を対象に「健康寿命を延ばすためにやっていること」に関するインターネット調査を実施したところ、「睡眠時間を確保する」が最も多く407名、次いで「運動をする」(394名)、「特に何もやっていない」(368名)、「食べすぎに気を付ける」(359名)、「趣味を持つ」(312名)となりました。
睡眠や運動、食事は特に重要であることは多くの人が認識しているようです。でも、食事について、何を食べるかは選択肢が多すぎて選べないと思っていませんか?
そこで今回は、医師の久住英二先生による、近年、新しい知見が次々に発表されている、エイジングケアに寄与する栄養や成分をご紹介。それらを取り入れることで、より効果的な健康寿命対策ができる可能性があるそうですよ。
■取り入れるべき美容ケア・エイジングケアのためのフードとは?
女性にとって、ただ健康に長生きできるだけでなく、美容も意識したいものですよね。そこで、久住先生のお話の中から、美容と健康に良い栄養素を含むフードをピックアップしました。
魚介類
一つ目は「タウリン」というアミノ酸の一種。タウリンといえば、「リポビタンD」などの栄養ドリンクがイメージされますよね。確かに、疲労回復などにも良いタウリンですが、実は2023年6月、米国でタウリンが細胞のアンチエイジングに寄与することが発見され、大きな話題になったといいます。タウリンを豊富に含む食事を与えたマウスは寿命が延び、健康状態も良好に保たれていたとか。これは、タウリンが細胞の機能を改善し、老化に伴う疾患を予防する可能性を示唆しています。
タウリンは、魚やイカ、タコ、エビ、牡蠣などの魚介類に豊富に含まれているので、お刺身やお寿司、鍋料理、シーフードカレーやシーフードグラタンなど、魚介類を含む料理を積極的に摂取するとよさそうです。
緑茶
続いては、緑茶に含まれる苦味成分であるカテキンの一種、エピガロカテキンガレート(EGCG)。実は美肌効果が期待できるのだそうです。体内のフリーラジカルを中和する強力な抗酸化作用を持ち、老化を遅らせる効果が期待されているのだそう。
また、紫外線や化学物質によるDNAの損傷を軽減することがわかっており、肌のコラーゲンを保護して、分解を抑制する効果も期待できるとか。そうと知れば、緑茶を積極的に飲みたくなりますね。
黒コショウ×カレー
カレーに使われるターメリック(ウコン)には、クルクミンという強力な抗酸化作用や抗炎症作用を持つポリフェノールが含まれている、エイジングケアに役立つ成分といえます。クルクミンは脂溶性であることから、油と一緒に摂ると吸収されやすいので、カレーはもちろん、料理に入れて工夫しながら摂取しましょう。
さらに、黒胡椒に含まれるピペリンという成分と合わせて摂取することで、吸収率が上がることから、ターメリック入りのカレーに黒胡椒をかけていただくのもおすすめです。
きのこ類
きのこ類はヘルシーで、ダイエットにもおすすめの食品ですが、椎茸やまいたけ、シャンピニオンなどのきのこ類には、エルゴチオネインという抗酸化作用を持つアミノ酸が含まれています。
細胞の酸化ストレスを軽減して、老化を遅らせる効果が期待されているそうなので、エイジングケアのためにも、積極的にきのこ類を摂取しましょう。
健康寿命を延ばすことはもちろんのこと、キレイに年齢を重ねていきたいものですよね。そのためには若いうちから、効果が実証されている栄養成分を積極的に取り入れることも重要です。ぜひ参考にしてみてください。
【医師プロフィール】
1999年新潟大学医学部卒業。内科医、とくに血液内科と旅行医学が専門。虎の門病院で初期研修ののち、白血病など血液のがんを治療する専門医を取得。血液の病気をはじめ、感染症やワクチン、海外での病気にも詳しい。
調査出典:大正製薬「健康寿命を延ばすためにやっていること」
https://www.taisho.co.jp/newsletter/20240716001604.html