「最近、口周りや顎にヒゲが生えている」
「昔から産毛が濃いけど、誰かに相談するのは恥ずかしい」
こういった悩みを、人知れず抱えている女性もいますよね。
女性も、体質や生活習慣によって濃いヒゲが生えることがあります。
女性にヒゲが生える原因や、簡単なセルフケアのメリットやデメリットを紹介します。
1. 女性にヒゲが生える原因
女性にヒゲが生える原因は、主に以下の2つです。
1-1. ホルモンバランスの乱れ
女性は、女性ホルモンだけではなく、副腎や卵巣から男性ホルモン「テストステロン」も分泌しています。
テストステロンの分泌量が増えたり女性ホルモンの分泌量が減ったりすることでホルモンバランスが崩れると、女性もヒゲが濃くなるケースがあるのです。
ホルモンバランスは、ストレスや食生活の乱れ、睡眠不足や喫煙、加齢といった要素で崩れます。
ヒゲが濃くなったと感じた場合は、上記に当てはまるものがないか、自分の生活習慣を見直してみましょう。
1-2. 遺伝や体質
遺伝や体質といった要因で毛深い方は、ヒゲが濃いこともあるでしょう。
親や家族が毛深い人は、自分自身も毛深い体質になる傾向があるといわれています。
ただし、生まれつき毛深い方も、生理になって女性ホルモンの分泌量が増えると、体毛が薄くなるといわれています。
自分のヒゲが生まれつきの遺伝や体質なのか、前述のようなホルモンバランスの乱れが原因なのかは、生理中の体毛の濃さで判別しましょう。
2. セルフケアでできるヒゲ対策と注意点
女性のヒゲは男性のヒゲほど濃くないことがほとんどなので、セルフケアによって対策ができます。
簡単にできるセルフケアでのヒゲ対策と、それぞれの注意点を紹介します。
2-1. カミソリや毛抜き
カミソリや毛抜きを使うと、気になったときにすぐヒゲのケアができます。
ただし、カミソリを使用すると肌が荒れる可能性があるため、石鹸やローションで肌を保護してから使用しましょう。
また、カミソリは使用後に刃を水洗いしてからよく乾燥させましょう。
刃が鈍った場合はすぐに交換しないと、肌を傷める原因になるので注意してください。
毛抜きは、カミソリでは処理できない細かな部分のヒゲの処理に適しています。
ただし、頻繁に使用すると、肌の角質の下に毛が埋まる「埋没毛」の原因になる場合があるので注意しましょう。
毛を抜いた後で放置すると、毛穴から汚れや細菌が侵入し、肌トラブルの原因となる可能性もあります。
毛を抜く前に温タオルで肌を温め、毛を抜いた後は保冷剤や冷たいタオルで肌を引き締めましょう。
2-2. 家庭用脱毛器
家庭用脱毛器は、毛抜きよりも埋没毛が発生しづらいといわれています。
また、カミソリや毛抜きとは異なり、次のヒゲや産毛が生えるまで時間がかかるため、セルフケアの頻度を落とし、肌負担を軽減させることができるでしょう。
自宅で行えるため、脱毛サロンや皮膚科に通うよりも手軽に行えるのがメリットです。
ただし、フラッシュ式やレーザー式、熱線式の家庭用脱毛器は、使い方を誤るとやけどや失明の恐れがあります。
また、ローラー式の家庭用脱毛器は、埋没毛や色素沈着のリスクが高いといわれています。
使用の際には、説明書をよく読んで、正しい方法で使用しましょう。
肌トラブルを起こしやすい方は、使用の前に皮膚科医に相談するのがおすすめです。
3. セルフケアによるヒゲ対策のメリット・デメリット
脱毛サロンや皮膚科に通う場合と比べて、セルフケアでヒゲ対策をすればお金も時間もかかりません。
一 方、セルフケアならではのデメリットを把握しておいた方がいいでしょう。
セルフケアで行うヒゲ対策の、メリットとデメリットを紹介します。
3-1. メリット1:手軽に行える
セルフケアによるヒゲ対策は、手軽に行えることが大きなメリットです。
仕事やプライベート、家事で忙しいと、なかなか脱毛サロンや皮膚科に定期的に通うのは難しいですよね。
しかし、セルフケアなら自分のタイミングで、好きなときにヒゲ対策ができます。
「急にお出かけの予定が入ったけど、脱毛サロンに行く時間がない」や「急な残業が入ることが多くて、なかなか予約ができない」という方にもおすすめです。
3-2. メリット2:化粧ノリがよくなる
顔周りの産毛があると、化粧をしたときにくすんだ印象になってしまいます。
そのため、定期的にセルフケアをする方が、化粧ノリがよくなるでしょう。
「最近、化粧のノリがいまいち」という方は、自宅で手軽にできるセルフケアをすることで改善するかもしれません。
また、化粧ノリがよくなるだけではなく、化粧落としも楽になります。
クレンジングの際に肌を擦ることで傷めるリスクを回避できるでしょう。
3-3. メリット3:スキンケアになる
カミソリによるセルフケアをすると、古い角質の除去ができるため、ニキビ予防の効果も期待できます。
さらに、化粧水の肌への浸透率も高まるため、普段使っている化粧水や乳液の満足度も高まるかもしれません。
3-4. デメリット1:肌を傷める恐れがある
セルフケアによるヒゲ対策は、肌を傷めるリスクがあるため注意が必要です。
カミソリや毛抜き、家庭用脱毛器を使用した際は、保湿や冷却といったアフターケアをしましょう。
こうしたケアで肌のキメやバリア機能を整えることで、埋没毛や毛穴が目立つことを防げます。
ただし、アフターケアをしても完全に肌トラブルを防げるわけではありません。
カミソリの刃の交換をしっかり行ったり、肌の調子が悪いときはセルフケアをやめたりするなど、肌を傷めないように対策しましょう。
とくに、生理前は女性ホルモンの影響で肌トラブルが起きやすくなるので、無理なセルフケアは控えましょう。
セルフケアの後でアフターケアをしても肌の痛みが数日続く、肌が赤くなって元に戻らないなどの異常がある場合は、皮膚科医に相談してくださいね。
3-5. デメリット2:毛が濃く見える
人間の体毛は毛先が細く、根元にいくにつれて太くなっています。
そのため、カミソリでセルフケアをすると、剃った後が毛根に近づき、毛が太く見えてしまいます。
そのまま毛が伸びると、剃る前よりも毛が濃くなったように見えることもあるでしょう。
4. 女性のヒゲのセルフケアには漢方薬もおすすめ
カミソリや毛抜き、家庭用脱毛器によるセルフケアは、あくまで一時的なものです。
ヒゲが気になるのであれば、体質改善を目指せる漢方薬の服用がおすすめ。
女性のヒゲ対策には「女性ホルモンのバランスを整える」ほかに、ホルモンバランスの乱れの原因となる睡眠不足やストレスに対して、「いらだちや興奮を鎮めて睡眠の質を向上させる」「血流をよくして自律神経を整える」といった漢方薬を服用しましょう。
<女性のヒゲ対策におすすめの漢方薬>
・加味逍遙散(かみしょうようさん):血流をよくして、自律神経を整えます。のぼせやイライラといった精神症状も改善します。(※1)
・柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう):からだの熱を冷まして、自律神経を安定させます。不眠や動悸、イライラを改善します。(※2)
・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん):血流をよくして、肌に栄養を届けます。女性ホルモンの乱れによる婦人科系疾患にも用いられます。(※3)
このような漢方薬を服用することで、自律神経の乱れやストレス、睡眠不足が原因によるヒゲの悩みが解消するでしょう。
ただし、漢方薬を服用する際には、自分自身の体質に合うものを服用しないと、思わぬ副作用に悩まされることがあります。
そこで、自分に合う漢方薬を見つけるために「あんしん漢方」のサービスがおすすめ。
薬剤師がAIを用いて最適な漢方薬を提案してくれるため、誰でも安心して服用できますよ。
5. 気になるヒゲはからだの内側からも対策を!
ヒゲが生えるとセルフケアが面倒で、鏡を見るたびに気になる方も多いですよね。
そういったヒゲには、手軽にできるカミソリや毛抜きなどのセルフケアだけではなく、からだの内側からの対策も重要です。
生活習慣の見直しや漢方薬の服用で、ヒゲが生えづらいからだを目指しましょう。
参考URL
(※1)くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ加味逍遙散エキス顆粒(医療用)」
https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=8230
(※2)くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ柴胡加竜骨牡蛎湯エキス顆粒(医療用)」
https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=7943
(※3)くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ当帰芍薬散エキス顆粒(医療用)」
https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=8228
<この記事の監修者>
あんしん漢方薬剤師
山形 ゆかり
薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。病院薬剤師を経て食養生の大切さに気付く。
牛角・吉野家他薬膳レストランなど15社以上のメニューも開発。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」で薬剤師を務める。