地震や豪雨などの自然災害が相次いでいる中、いつなんどき、わが身に起きるかわかりません。大きな地震が起きた後は、倒壊などのリスクだけでなく、停電や断水なども起こり得えます。
今回は、自然災害の発生時に、家庭のエアコンはとめるべきか、停電があったらどうすればいいかなど、素朴な疑問をエアコンのプロのもと、ご紹介します。
■エアコンの耐久性はどうなの?災害対策は必要?
三菱電機の空調冷熱システム事業部 久田優美さんは、入社以来、エアコン製品に携わってきたエアコンのプロ。テレビやWebメディアでも情報発信をしています。そんな久田さんは、エアコンの耐久性と災害対策に関して次のようにアドバイスします。
「一般的に、各エアコンメーカーは様々な耐久試験を実施しているため、正しく据付施工されていれば、地震により室内機が落ちてきたり、よくある風雨ですぐに室外機が壊れたりすることはありません。しかし、災害によってトラブルが発生する可能性はゼロとは言い切れません。そのため、エアコンに関する『災害前の備え』の実施や『災害時の適切な対処方法』の理解を深めておくことが重要です」
そうと聞けば、早速、備えておきたいものですよね。今回は、災害時の適切な対処方法についてご紹介します。
■災害発生時の適切な対処方法
久田さんによると、「災害発生時は、身の安全を最優先し、室外機が倒れるなどのトラブルが発生しても、外に見に行ったり、起こしに行ったりしないようにしましょう。その他は次のポイントを覚えておきましょう」といいます。ぜひ確認しておきましょう。
強風や大雨のとき
エアコンを使用しているときに強風や大雨で外がすごいことに! こんなとき、エアコンを使い続けていてもいいのでしょうか?
その答えは「YES」です。
エアコンの室外機は、過酷な環境でも常に安定した能力を発揮できるかどうかの試験が行われているものなので、基本的にはいつも通り使用してもいいそうですよ。
停電したとき
エアコンをつけている最中に、急に停電に! いったいどうすればいいのでしょうか?
あわてて何か行動してしまいがちですが、久田さんによると、「特に何もせずにそのままにして復旧を待つ」ことが正解だといいます。おとなしく待っていましょう。
復旧した後は、エアコンと周囲の安全を確認して、リモコンで運転操作をします。もしエラーを知らせるランプが点灯して消えないといった場合は、業者に相談しましょう。
また、普段から入タイマーや切タイマーなどを使っている人は、そのタイマーがリセットされてしまうそうなので、再設定をしておきましょう。
もし地震などで自宅から離れた場所に避難することになれば、電気火災を避けるためにブレーカーを落とすといいそうですよ。
台風や地震の後に室外機に異変が起きていたとき
台風や地震、豪雨など自然災害によってエアコンの室外機に異変が起きることがあります。例えば、室外機の周辺やファンカバー、フィンという室外機の裏側についている薄い金属板にゴミなどが付着していたり、室外機が倒れていたり、浸水したりするなどです。
ゴミについてはキレイに掃除しましょう。ただし室外機の内部にゴミが溜まっている場合は無理に手を突っ込んでとることは絶対に避けましょう。業者に依頼したほうが二次被害を防げます。フィンなどに枯れ葉がはさまっている程度であれば自分でやさしく取り除けばOKだそうです。
室外機が倒れていたら、絶対に自分で起こしてはいけません。販売店に連絡して相談を。もちろん、倒れたままエアコンを運転するのは避けてください。
室外機が浸水してしまったらエアコンの使用をやめて、室内機のコンセントを抜くかブレーカーを落として業者に相談しましょう。漏電や火災につながる恐れがあります。
■まとめ
「備えあれば憂いなし」といわれるように、ぜひエアコンの災害対策を事前に覚えておき、いざというときに行動できるようにすれば、被害が少なくて済みます。災害が起きてもできるだけ早期に立て直すためにも、ぜひ参考にしてみてください。