本格的な暑さが過ぎても、まだまだ暑さの残る残暑の季節。
夏バテならぬ残暑バテで体調を崩してしまう方もいます。
残暑を乗り越えて、元気に秋に向かうための方法を薬剤師が解説します。
1. 残暑バテとは
残暑の季節は、まだ暑さが残っているかと思えば、肌寒くなる日も出てくるなど、気温差が激しい時期です。
このような季節に、疲れやだるさを感じるのが残暑バテだといわれています。
1-1. 残暑バテの原因
残暑の時期に疲れやだるさを感じる原因のひとつだといわれているのが、自律神経です。
血液の流れや発汗の量を調整して体温を一定に保つ役割を持っています。
ただし、残暑の季節は毎日の気温の変化や1日のなかでの気温の変化が激しく、この急激な変化にからだがついていけないことがあります。
これにより自律神経のバランスを崩してしまい、疲れやだるさを感じてしまいがちです。
2. 残暑を乗り切るおすすめの栄養素と食事のポイント
残暑疲れを感じている場合は、食事内容の改善がおすすめ。
残暑を乗り切るためにおすすめの栄養素や、食事のポイントを紹介します。
2-1. ビタミンB1、ビタミンB2
ビタミンB1は、糖質を分解してエネルギーに変換する働きがある栄養素で、「疲労回復のビタミン」と呼ばれています。
豚肉やごま、レバーやウナギに多く含まれていますよ。
また、ビタミンB2はビタミンB1の働きを助ける働きがあり、納豆や卵、ウナギやサバに多く含まれています。
2-2. ビタミンC
ビタミンCはストレスを和らげる作用があります。
また、からだの機能を維持するタンパク質を合成するために必要な栄養素です。
2-3. クエン酸
クエン酸は、疲労の原因となる乳酸を減少させる働きがあります。
また、体内のエネルギーを効率よく燃焼させ、疲労回復を早める効果を持っています。
レモンやキウイ、梅干しに多く含まれていますよ。
2-4. 食事のポイント
糖質を分解してエネルギーにする働きをするビタミンB1と、そのビタミンB1の働きをサポートするビタミンB2は、糖質を多く含む炭水化物と一緒に摂りましょう。
麺類や白米を食べるとき、ビタミンB1やビタミンB2を含む食材を副菜にするのがおすすめです。
また、野菜が不足するとストレスを緩和するビタミンCが不足してイライラし、疲れやすくなることも。
野菜を多めに摂るようにして、足りない場合はデザートにフルーツを食べましょう。
残暑による疲れで食欲がない場合は、香りが強い野菜を食べると食欲が増進するといわれています。
にんにくやねぎ、ニラをとりいれてみてくださいね。
3. 食事以外の残暑を乗り切る方法
食事内容の見直し以外にも、残暑を乗り切る方法があります。
その他の方法も3つ確認しましょう。
3-1. 半身浴
自律神経のバランスが乱れたことで疲れが出やすい残暑バテには、半身浴がおすすめです。
寝る前にからだを温めながらリラックスしましょう。
38度くらいのぬるめのお湯に、みぞおちから下くらいを目安に浸かってください。
汗が出てくるまで、30分ほど半身浴をするのがおすすめですよ。
入浴剤やアロマも、リラックス効果を高めるのに役立ちます。
柑橘類やラベンダーなど、自分の好きな香りを試してくださいね。
3-2. デジタルデトックス
仕事やプライベートで常にパソコンやスマホを使うことに疲れてしまう方も多いでしょう。
その場合は、寝る前の少しの時間でもデジタル機器から距離を置くデジタルデトックスがおすすめ。
寝る前にデジタル機器から離れることで、ブルーライトによって睡眠の質が低下することも防げますよ。
3-3. 漢方薬の服用
食事内容の見直しで疲れをとったり、半身浴で自律神経のバランスを整えたり、デジタルデトックスで睡眠の質を高めたりすることで、残暑バテは軽減できるでしょう。
ただ、家事や仕事が忙しいと、なかなか上記の行動を続けることは難しいですよね。
そんなときには、飲むだけで医薬品としての効果が期待できる漢方薬の服用もおすすめ。
からだの調子を根本から整えて、残暑バテしにくいからだ作りを目指しましょう。
<残暑バテにおすすめの漢方薬>
・補中益気湯(ほちゅうえっきとう):胃腸の調子を整えて倦怠感を改善し、食欲不振や疲れを改善します。(※1)
・六君子湯(りっくんしとう):エネルギーを補い、胃にたまった余分な水分を排出させて胃腸を温めます。食欲がなく、疲れやすい人におすすめです。(※2)
このような漢方薬を服用することで、残暑バテの緩和が期待できます。
ただし、漢方薬を服用する際には自分自身の体質に合うものを選ばないと、思わぬ副作用に悩まされることも。
そこで、「あんしん漢方」の利用がおすすめです。
薬剤師が最新のAIを用いて最適な漢方薬を提案してくれるので、誰でも安心して漢方薬を服用できますよ。
スマホで注文して自宅で受け取れるため、残暑バテで疲れて外出したくない方にもおすすめです。
4. 残暑バテを癒してから秋を迎えよう!
残暑バテを残したまま過ごしていると、温度が下がって寒くなったときに風邪やインフルエンザにかかるリスクも高まります。
残暑の疲れを癒して秋を迎えるためにも、早めの対応を心がけてくださいね。
参考URL
(※1)くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ補中益気湯エキス顆粒(医療用)」
https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=8542
(※2)くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ六君子湯エキス顆粒(医療用)」
https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=8543
<この記事の監修者>
あんしん漢方薬剤師
山形 ゆかり
薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ入り、牛角・吉野家他薬膳レストランなど15社以上のメニュー開発にも携わる。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。
●あんしん漢方(オンラインAI漢方)