GLAM Editorial

2024.12.19(Thu)

会食シーズン、悩ましい二日酔い! ドクターおすすめの”復活食”は?

12月から1月にかけては、クリスマスから忘年会、お正月のお祝いに新年会と、宴会や会食が続きます。

 

そんな席に欠かせないのがお酒。少したしなむ程度なら問題ないですが、ついつい、たくさん飲んでしまいがち。連日、会食が続くこともあり、二日酔いになると大変な思いをしますよね。

 

今回は、二日酔いの症状を少しでも軽減するためのポイントを医師監修のもと、ご紹介します。

 

二日酔い対策、みんながやっていることは?

二日酔いの症状といえば、頭痛や吐き気、倦怠感などの不快なもの。他にも人それぞれいろんな症状が出るものですが、つらいものがありますよね。

その二日酔い対策、多くの大人ははどんなことを行っているのでしょうか?

 

大正製薬が2024年11月に、二日酔い経験者489人を対象に行った「取り入れている二日酔い対策」に関する調査結果によると、多い順から「空腹で飲酒しない(事前に軽く食べるなど)」237人、「飲むペースをゆっくりにする」189人、「飲酒の前に真水をたくさん摂る/水を頻繁に飲む/チェイサーを用意する」171人、「睡眠をしっかり取る」と「ウコンやタウリン・しじみサプリなどを飲む」が同列で134人となりました。

 

 

上位の対策は一般的にいわれていることで、宴会でもよく実践している人を見かけますよね。果たして、実際に効く対策はどんなものなのでしょうか?

■二日酔いの原因って?

二日酔い対策を適切に行うには、まず二日酔いのメカニズムを知っておくべき。麻酔科医で栄養管理のエキスパートである、谷口英喜先生によると、二日酔いの主な原因はアルコールの分解過程で生じる有害物質「アセトアルデヒド」の蓄積、及びアルコールの利尿作用による体内の水・電解質の不足であるとし、これらの要因が複合的に重なることで、二日酔いの状態が引き起こされるといいます。

 

アルコールを摂取したときに、肝臓ではアルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)という酵素により、有害なアセトアルデヒドに分解されます。肝臓の働きを促進させることで、早くアセトアルデヒドなどを分解することが大切です。

■タウリンを二日酔いの前後に取り入れよう

アセトアルデヒドの分解を促進する栄養素として、「タウリン」というものがあります。

タウリンは、栄養ドリンクやサプリメントで有名なので、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

 

タウリンは、栄養ドリンクなどのほか、牡蠣やイカ、タコ、しじみなどの貝類、魚といった魚介類に多く含まれているアミノ酸の一種です。

実験や研究で肝臓の解毒作用を助けることがわかっており、特に胆汁酸の分泌を促進し、アルコールの分解をサポートする働きがあります。また、肌細胞の再生を促進することで、肝臓機能の回復も助けてくれます。

 

このことから、谷口先生は、“魚介類などのタウリンを含む食品を飲酒の前後に積極的に摂取することで、二日酔いの症状の軽減が期待できる”といいます。お酒のおつまみには、魚介類がおすすめだそうですよ。ぜひ意識しましょう。

■二日酔いから早く回復するためのメニュー

宴会シーズンの朝食や昼食には、二日酔いから早く回復するためにも、肝臓の働きをサポートする栄養素を含む食材を使ったメニューを取り入れましょう。例えば、こんなメニューがおすすめです。

●鮭の塩焼き・白ご飯・しじみ汁

よくある典型的な和定食ですが、実は二日酔い対策メニューなのです。
鮭に含まれるタウリンとタンパク質が代謝を促進し、オメガ3脂肪酸が炎症を抑えます。アルコール摂取による体内の炎症を軽減するビタミンDも含まれています。
白ご飯で炭水化物を摂取することで、低下していた血糖値が速やかに回復し、頭痛や疲労感などの症状を和らげてくれる可能性があるそう。
またしじみ汁は、しじみに含まれるタウリン・オルチニンが肝臓の解毒を助け、ミネラルが代謝を促します。

●トーストとアボカド

アボカドのビタミンEやビタミンB群、脂質と、トーストの炭水化物が役立ちます。
ビタミンEは抗酸化作用があり、肝臓の回復を助けます。ビタミンB群は代謝を促進、脂質は多くがオレイン酸と呼ばれる一価不飽和脂肪酸のため、ゆっくりと消化・吸収されることで、飲酒で消耗した身体に持続的にエネルギーを供給してくれるそうです。

●トマトジュース

トマトのリコピンの抗酸化作用が肝臓を保護。カリウムは、電解質のバランスを整えてくれます。食欲がないときにも飲みやすくておすすめです。

これらの他、飲酒をする際には脱水を防ぐために水分補給はしっかりと行いましょう。
宴会シーズンには、ぜひ二日酔い対策を行って、楽しい年末年始を過ごしたいですね。

 

【プロフィール】

谷口英喜先生

 

済生会横浜市東部病院、患者支援センター長、東京医療保健大学大学院医療保健学研究科客員教授 医学博士。

 

麻酔・集中治療、経口補水療法、体液管理、臨床栄養、周術期体液・栄養管理のエキスパート。日本麻酔学会指導医、日本集中治療医学会専門医、日本救急医学会専門医、TNT-Dメディカルアドバイザー。1991年、福島県立医科大学医学部卒業。学位論文は「経口補水療法を応用した術前体液管理に関する研究」。2024年5月に新刊『熱中症からいのちを守る』(評言社)が刊行。その他の著書『いのちを守る水分補給~熱中症・脱水症はこうして防ぐ』(評言社)など。

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