インフルエンザや風邪が流行していたり、花粉の飛散が始まったりするとマスクを付ける機会も増えますよね。マスクを付けると、ニキビができやすくなります。
この記事では、マスクを付けてもニキビを防げるテクニックを薬剤師が紹介します。しっかりニキビ対策をして、マスク生活を楽しんでください。
1. マスクでニキビが増える原因
マスクでニキビが増える主な原因は以下の2つです。
1-1. バリア機能の低下
マスクと肌の摩擦によって肌のバリア機能が低下すると肌のターンオーバーが乱れ、毛穴詰まりを起こしてニキビができやすくなります。
肌表皮の一番外側には、約0.02mmの角質層があります。バリア機能とは、角質層が外部刺激から肌を守り、肌の水分を保持する働きのこと。バリア機能はマスクの摩擦だけではなく洗顔の際にゴシゴシと擦ることでも低下するため、ニキビができやすい体質の人は注意が必要です。
1-2. アクネ菌の増殖
マスク内が高温多湿の環境になると、ニキビの原因となるアクネ菌が増殖しやすくなります。アクネ菌は普段は肌を守っていますが、高温多湿の環境で肌の皮脂が増えると、皮脂を餌にしてニキビの原因となる常在菌です。
肌にいいとされる湿度は60~65%ですが、マスク内はそれよりも高い湿度になりがちなのでアクネ菌が増殖してニキビができやすくなります。マスクを頻繁に取り替えたり、マスクの内部にガーゼやティッシュを挟んだりして対策しましょう。
2. マスクニキビへの対策【スキンケア編】
マスクニキビを防ぐための対策を、スキンケアの観点から2つ紹介します。
2-1. 洗顔はやさしめ
前述の通り、肌を強く擦るとバリア機能が低下してニキビができる原因になります。洗顔の際は洗顔料をたっぷり泡立て、泡で優しく皮脂を落とすことを意識してください。
すすぎの際は、お湯の温度に注意が必要です。熱いお湯ですすぐと肌に必要な皮脂が溶け、乾燥の原因になります。36~38度のぬるま湯で、肌をこすらずにすすいでくださいね。
2-2. 油分と水分のバランスを意識
ニキビができやすい人のなかには、皮脂が気になるからといって乳液やクリームを省略する人がいるようです。しかし、保湿に必要な油分が不足すると肌が乾燥を防ぐために皮脂を過剰に分泌し、ニキビができやすくなります。
洗顔後はすぐにスキンケア用品を使って保湿してください。水分と油分の両方を肌に補うことが大切ですよ。
3. マスクニキビへの対策【インナーケア編】
マスクニキビを防ぐための対策を、インナーケアの観点から3つ紹介します。
3-1. 摂りたい栄養素
ニキビ対策のためには、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンCを意識的に摂ってください。
ビタミンB2は皮脂の分泌量をコントロールする性質を持ちます。レバーやウナギ、納豆やほうれん草に多く含まれていて、ニキビに悩んでいる人におすすめの栄養素ですよ。
ビタミンB6はタンパク質の代謝を促して肌のターンオーバーを整える栄養素。魚類やバナナに多く含まれていますよ。
ビタミンCは毛穴の皮脂を酸化させ炎症の原因となる活性酸素を除去し、コラーゲンの産出を促します。緑茶やブロッコリー、パプリカやイチゴに多く含まれています。
このような栄養素を積極的に摂ってください。また、皮脂の過剰な分泌を抑えるためには、甘いものや脂っこいものの摂取は控えてくださいね。
3-2. 便秘は禁物
便秘によってたまった腸内の有毒物質は、血液によって皮膚に到達します。それらが汗や皮脂と一緒に体外に排出される際、皮脂や古い角質と結合すると毛穴が塞がりニキビや肌荒れの原因になります。便秘でニキビができることがあるので、便秘気味の人は便秘を解消しましょう。
便秘を解消するためには、果物や野菜に含まれる水溶性食物繊維や、根菜やきのこに多く含まれる不溶性食物繊維を、バランスよく摂ることが大切です。腹筋を鍛えたり腸の周りをマッサージしたりすること、水分を摂ることも便秘解消には効果的ですよ。
3-3. 漢方薬で体内を整える
ニキビに悩む人は、体質改善を目指す漢方薬の服用でインナーケアをするのもおすすめ。ニキビができにくいからだづくりを助けてくれますよ。
ニキビ対策には、肌のターンオーバーの正常化に働きかける「桂枝茯苓丸加薏苡仁(けいしぶくりょうがんかよくいにん)」、炎症を鎮める「荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)」、肌に栄養分とうるおいをあたえる「当帰飲子(とうきいんし)」の服用がおすすめです。
「自分の体質や症状に合う漢方薬がわからない」という場合は「あんしん漢方」サービスを利用してください。薬剤師が個人に最適な漢方薬を提案するので、誰でも安心して服用できますよ。
4. ニキビケアはからだの内外から行おう!
マスクを付ける機会が増えると、ニキビができるリスクも高まります。ニキビができたら放置せず、からだの内側と外側から同時に対策をしましょう。普段からニキビ対策を意識した生活をすることで、ニキビが作られるのを予防することもできますよ。
<この記事の監修者>
あんしん漢方薬剤師
山形 ゆかり
薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ入り、牛角・吉野家他薬膳レストランなど15社以上のメニュー開発にも携わる。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。
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