麹や納豆、チーズにヨーグルト、日本酒のように、生活のなかにたくさん存在する発酵食品。それらの発酵食品がダイエットに役立つだけではなく、健康効果も期待できることをご存知でしょうか。 この記事では、発酵食品の6つの効果とレシピ、そして発酵食品が苦手な人におすすめの健康法を紹介します。
1. 発酵食品の6つの効果
発酵食品の6つの効果を紹介します。
1-1. 栄養を吸収しやすい
発酵食品は、麹カビや細菌、酵母などの微生物によって原料の栄養素が分解されているため、消化吸収しやすい食品です。おなかの調子が悪いときでも、比較的胃腸への負担が少なく栄養素を吸収できるでしょう。 さらに、乳酸菌や納豆菌、麹菌、酵母菌といった善玉菌が含まれているため、発酵食品を食べることで腸内環境が整い、ますます栄養が吸収しやすくなる効果も期待できます。
1-2. 免疫力アップ
発酵食品を食べることで、免疫力のアップが期待できます。人間の腸には免疫細胞の約70%が集中しているため、腸内環境が改善するにつれ免疫力が高まります。前述の通り、発酵食品は腸内環境を整える働きがあるため、免疫力のアップが期待できるのです。 とくに、味噌や甘酒、キムチなどの発酵食品は、その効果が高いといわれています。
1-3. 旨み&栄養価アップ
発酵によりタンパク質が分解されると旨み成分であるグルタミン酸ができるため、旨み成分がアップします。煮た大豆に比べ味噌や納豆に特有の味と香りがあるのは、これが理由です。 発酵過程で微生物が大量の栄養素を生産するため、栄養価が高まるのも発酵食品の効果のひとつ。たとえば、納豆には茹でた大豆の100倍前後のビタミンKが含まれるといわれています。ビタミンKは、丈夫な骨を作るために必要な栄養素ですよ。
1-4. 生活習慣病の予防
発酵食品のなかには、生活習慣病の予防効果が期待できるものもあります。たとえば、味噌やしょうゆ、納豆といった大豆製品は悪玉コレステロールを除去したり、高血圧を予防したりします。酒粕には血圧の上昇を抑える働きがあるため、血圧が気になる人は試してくださいね。ただし、味噌やしょうゆには塩分が多く含まれるので、塩分摂取量には注意が必要です。
1-5. 長期保存しやすい
発酵食品には微生物が豊富に含まれるため、食品を腐らせる腐敗菌は増殖しにくく長期保存に向いています。さらに、発酵によって発生する乳酸や酢酸、アルコール自体も殺菌効果を持っているため、食品の風味も損なわれにくいでしょう。
1-6. ダイエット効果
前述の通り、発酵食品は腸内環境を改善するため、便秘によるぽっこり下腹悩みを解消できるでしょう。さらに、乳酸菌には代謝を活性化する働きがあるため、乳酸菌が含まれるチーズやヨーグルトなどの発酵食品を食べることにより、脂肪燃焼を促進できます。 発酵食品には糖質の分解を助ける酵素が含まれているため、炭水化物を一緒に食べた際の吸収がゆるやかになります。これにより血糖値が安定することで空腹感や食欲のコントロールにつながり、食べ過ぎを控える効果も期待できるでしょう。
2. 続けやすい!発酵食品のおすすめレシピ
発酵食品を継続的に食べることで、健康や美容に役立つ効果が期待できます。発酵食品を使ったおすすめのレシピを2つ紹介します。
2-1. 肉味噌丼
<材料 2人分>
・豚ひき肉:100g
・にんにく:1/2かけ
・しょうが:10g
・レタス:2枚
・ねぎ:7~8cm
・味噌:大さじ1.5(A)
・酒:小さじ2(A)
・砂糖:小さじ1(A)
・ごま油:小さじ1(A)
・豆板醤:小さじ0.5(A)
<作り方>
(1) にんにく、しょうが、ねぎをみじん切りにする。レタスは5mm幅に切る。
(2) 耐熱容器に、豚ひき肉、にんにく、しょうが、ねぎ、(A)を入れて混ぜ、ラップをして電子レンジ(600W)で3分加熱する。
(3) 加熱が終わったら取り出して再度混ぜ、再びラップをして2分加熱して混ぜる。
(4) 丼にご飯を盛り、レタスを敷いてから(3)を盛り付ける。 ご飯を食物繊維の多い雑穀米や玄米にすると、便通改善の効果が期待できますよ。
2-2. 豆腐の麹漬け
<材料 2人分>
・木綿豆腐:1丁
・ししとう:4本
・かぶ:2個
・塩麹:60g
<作り方>
(1) 豆腐をペーパータオルで包み、電子レンジ(600W)で5分加熱して水を切る。
(2) ししとうに穴を数か所開け、かぶをくし形に切る。
(3) 保存用のビニール袋に(1)、(2)と塩麹を入れて馴染ませ、冷蔵庫で1日以上寝かせる。
(4) 食べる際に魚焼きグリルで豆腐に焦げ目がつくまで焼く。 塩麹に含まれる酵素によって、代謝を高める効果が期待できるレシピです。
3. 発酵食品が苦手な人へのおすすめは?
健康効果や美容効果が期待できる発酵食品ですが、独特の風味が苦手な人もいるでしょう。そういった人におすすめの健康法を3つ紹介します。
3-1. 味変レシピを試す
発酵食品が苦手な場合でも、レシピによっては食べられる場合があります。たとえば、納豆のねばねばが苦手な場合、加熱したり大根おろしを加えたりすることで食感が変わります。通常のキムチは苦手でも、キムチ鍋やキムチチャーハンであれば食べられるという人もいるでしょう。このような味変レシピも試してくださいね。
3-2. 適度な運動
「味変しても加工食品を食べるのは厳しい」「健康や美容には気を遣いたい」という人には、適度な運動がおすすめ。運動によってからだを動かすことで、生活習慣病の予防効果が期待できます。便秘がちな人も、腹筋を鍛えて便秘が解消すれば腸内環境が整いますよ。 運動によって効率的にダイエットをしたい人は、1日30分以上の有酸素運動がおすすめ。ウォーキングやスイミングは脂肪燃焼効果が高いため、ダイエットをしたい人向けの運動です。
3-3. 漢方薬の服用
「発酵食品は苦手」「継続的に運動したくても、ついサボってしまう」という人には、飲むだけで効果が期待できる漢方薬の服用がおすすめです。体質の根本的な改善を目指す漢方薬は、免疫力アップ、腸内環境の整備、生活習慣病の予防、ダイエットなどの効果が期待できますよ。
免疫力をアップさせたい人は元気と栄養を補う「十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)」、便秘が気になる人は自然な便通を促す「潤腸湯(じゅんちょうとう)」、ダイエットをしたい人は脂肪の燃焼を促す「防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)」の服用がおすすめです。
漢方薬の服用は、からだとの相性が重要。病院や薬局で、医師・薬剤師に相談するのは面倒だと感じる人は「あんしん漢方」サービスの利用を検討してください。スマホひとつで、漢方の専門家に最適な漢方薬を提案してもらえて便利ですよ。
4. 発酵食品パワーで健康に過ごそう!
発酵食品はさまざまな料理に使えるだけではなく長期保存ができるため、家庭でも食べやすい食品です。味噌汁や納豆、ヨーグルトのように日々の献立に取り入れやすいものも多いので、ぜひ積極的に食べてくださいね。
<この記事の監修者>
あんしん漢方薬剤師
山形 ゆかり
薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ入り、牛角・吉野家他薬膳レストランなど15社以上のメニュー開発にも携わる。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。
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