「春だから新しいことを始めたいのに、気分が憂鬱」
「毎年気合を入れて乗り切ろうとしても、五月病になってガックリ」
このように、毎年五月病の症状に悩む人は少なくありません。一方、「五月病って、よく聞くけど正直詳しくはわからない」という人もいるのではないでしょうか。
今回の記事では五月病の原因や主な症状、そして五月病を放置するリスクを紹介します。五月病を防ぐための対策も併せて紹介するので、快適に春を過ごすための参考にしてください。
1. 五月病の原因と主な症状
五月病になる原因や、かかった場合の主な症状を紹介します。
1-1. 原因
五月病は、自律神経である交感神経と副交感神経のバランスが崩れることが原因でかかるといわれています。通常、交感神経はからだを活発に動かすときに働き、副交感神経はからだを休めるときに働く神経です。しかし、気温差や環境の変化、新しい人間関係によるストレスなどで自律神経のバランスが崩れると、五月病にかかる場合があります。
環境の変化に対応するのが苦手な人や、周りの人に気を遣いすぎる人、悩みを1人で抱えがちな人、完璧主義な人が五月病になりやすいといわれているので、注意が必要です。
1-2. 主な症状
五月病の主な症状は以下の通りです。
・無気力になる
・不安感が強い
・好きだった趣味に興味が持てない
・胃痛
・食欲不振
・めまい
・不眠
4~5月にこのような症状が出たら、五月病の可能性があります。無理をせず、のちほど紹介する五月病の対策を試してくださいね。
2. 「春先だけだから…」放置するリスク
「今の環境に慣れれば、五月病も自然に治るんじゃないの?」
「気温の差によるストレスなら、夏が近づけば五月病も治る?」
このように考えて、五月病を放置するのはおすすめしません。五月病は精神的な症状が多く、放置するとうつ病や適応障害などの疾患につながるリスクが高いです。自律神経のバランスが乱れているのを放置すると自律神経失調症になったり、女性の場合は更年期症状が重くなったりするリスクもあります。
「五月病かもしれない」と思った場合は、放置せずに適切な対応をとってくださいね。
3. 五月病を防ぐ対策は?
五月病を防ぐための対策を4つ紹介します。環境の変化が苦手だったり完璧主義だったりで五月病にかかりやすい特徴を持つ人や、毎年春先に憂鬱になりがちな人は試してください。
3-1. しっかり休養をとる
自律神経のバランスを取るためには、しっかり休養をとることが大切です。シャワーで済ませずに湯船に入ったり、睡眠環境を整えたりして休養をとってください。
適度な運動をすることも効果的。無理をしない範囲で、軽いウォーキングやジョギングをしましょう。気分転換ができますし、適度にからだを動かすと夜にぐっすり眠れるようになりますよ。個人差がありますが、1日7時間程度の睡眠時間を確保してください。
3-2. メンタル不調を防ぐ食事をする
メンタル不調を防ぐには、ビタミン、ミネラル、タンパク質、DHA、EPA、トリプトファンの摂取が重要です。
<おすすめの食材>
ビタミン:卵、大豆、肉、果物
ミネラル:鉄(レバー、納豆)、亜鉛(肉、卵、納豆)
タンパク質:肉類、魚類
DHA、EPA:魚類
トリプトファン:バナナ、大豆
このような食材をバランスよく摂ればメンタル不調を防ぐ効果が期待できます。自炊時はもちろん、外食の場合も成分を意識して選んでくださいね。
3-3. 周りの人に相談をする
ネガティブな気持ちに支配されそうなときは、周りの人に悩みを打ち明けたり相談したりすることも効果的。新しい視点を得られて、悩みも解消するかもしれません。仮に悩みが解消しなくても、親しい人と話すと不安やストレスを和らげるオキシトシン、心のバランスを整えるセロトニンというホルモンが分泌されます。1人で悩まず、周りの人に悩みを打ち明けてくださいね。
3-4. 漢方薬で心身のバランスを整える
「毎日の食事に気を遣うのは難しい」「どうしても周りに気持ちを話すのは苦手」という人は、漢方薬の服用によって心身のバランスを整えることもおすすめです。漢方薬は体質からの改善を目標とするので、ストレスや環境の変化があっても自律神経のバランスが崩れにくいからだ作りを目指せますよ。
精神不安や動悸を落ち着かせる「柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)」、イライラや不安感を抑えるだけではなく、胃の働きを整えて消化不良を改善する「半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)」などを服用しましょう。
ただし、漢方薬は自分の体質との相性が重要です。合わない漢方薬を服用すると、思わぬ副作用が出ることも。
そこで、おすすめなのが「あんしん漢方」サービスです。薬剤師が個人に合う漢方薬を提案してくれるので、誰でも安心して服用できますよ。
4. 五月病に早めに対処して楽しい春を!
「どうせこの時期だけの症状だから」と五月病を放置すると、うつ病や自律神経失調症などの疾患に悩まされる可能性があります。五月病にかかったかもしれないと自覚したら、早めに対処してくださいね。
<この記事の監修者>
あんしん漢方薬剤師
山形 ゆかり
薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ入り、牛角・吉野家他薬膳レストランなど15社以上のメニュー開発にも携わる。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。
●あんしん漢方(オンラインAI漢方)